※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。

本島北部に新たに誕生するテーマパークについて先週月曜日に、その概要が発表されました。東京での会見には多くの報道陣が詰めかけるほど注目度が高くなっていて私も実際に会場で、この会見を聞いてきました。明らかになった概要と狙い、そして気になることも直接質問してきました。

このパークの名称は『JUNGLIA』です

北部テーマパーク概要発表 会場で感じた熱と街の声

これまでベールに包まれていた概要の一部が明らかとなった新テーマパーク「JUNGLIA」(ジャングリア)公開された映像には遊覧体験ができる気球や、ジャングルの上を飛ぶようなジップライン、さらに、恐竜に遭遇し追いかけられるライドアクションなどが映し出されています。

この事業を手掛けるのはマーケティング会社「刀」の森岡毅(つよし)代表です。

刀 森岡毅 代表「オープンが2025年ですので少なくとも13年から15年練り続けて追い続けてきたひとつの事業です」

北部テーマパーク概要発表 会場で感じた熱と街の声

もともと本島北部へのテーマパーク事業は2015年にユニバーサルスタジオジャパンが進出を明言していて、森岡さんもその中の幹部として奔走していました。

USJ 森岡毅 執行役員(当時)「できれば、オリンピックの前に開業できればありがたいという展望は持っているんですけど」

北部テーマパーク概要発表 会場で感じた熱と街の声

しかしその後、USJの運営会社が変わると一転し、沖縄進出の見送りを決定します。森岡さんはUSJを退社後、新たな会社を設立しこのテーマパーク事業を追い続けています。

刀 森岡毅 代表「私はどうしても諦められなかった、この事業は1つの会社を大きく成長させるというそういうスコープではなくて、沖縄の観光どころではなく日本の観光、その先に続く日本の新しい産業構造の在り方にまで波及効果を及ぼすことができないかという願いのもとに我々はこの事業をずっと追いかけてきた」

北部テーマパーク概要発表 会場で感じた熱と街の声

森岡代表はこの新たなテーマパークについて「変化の起点」という言葉を繰り返し口にしていて本島北部の経済的発展、その先に日本の産業構造の在り方を変える力があると強い自信を持っています。

新テーマパーク「JUNGLIA」(ジャングリア)は今帰仁村と名護市にまたがるゴルフ場跡地に建設予定で既にグーグルアースにもその場所が認知されています。

敷地面積は約60ヘクタールで数十を超えるアトラクションやインフィニティスパなどのリゾート体験ができるコンテンツが設置される予定です。

森岡代表はこのテーマパークの持つ経済面、観光業での力を特に強く語っていました。ここで今回の会見などで見えてきた主な内容をまとめてみていきます。

まず開業時期は2025年の夏、実は具体的な時期は明言しなかったんですが「沖縄の魅力が一番伝わる時期」と話していて、夏の開業を目標としています。そして敷地面積は60ヘクタールとなっています。

60ヘクタールってどのくらいなんですか?

大阪のユニバーサルスタジオジャパンより広いです。さらにこの敷地は第1期と言われていて、土地としては全部で120haほどあるということで今後さらに拡張していきたいという話も出ていました

さらに料金は基本的にはワンデイチケットのような形でコンテンツも今上がっているのはほんの一部と言われています。また、その他にも新たな敷地に宿泊施設の建設や沖縄に不足していると言われるナイトエンターテイメントも計画予定だということです。

北部テーマパーク概要発表 会場で感じた熱と街の声

さらに雇用ですね。今回は1000~1500人程度の雇用を見込んでいるということなんですがこちらは実際にテーマパークの運営を手掛ける「ジャパンエンターテイメント」の加藤代表に話を聞いています。

多くの雇用創出が期待される今回のテーマパーク事業。人材不足も懸念される中ではありますがジャパンエンターテイメント社のホームページには様々な職種での募集が掲載されています。

ジャパンエンターテイメント 加藤健史代表「今回1000~1500の雇用を生み出すという中において、地元の人にぜひ事業に参画してもらえるようにどうしたら働く場所として選んでいただけるかとそういった戦略をつくる、実行することをチームでやっている」

北部テーマパーク概要発表 会場で感じた熱と街の声

これまでの経験やスキルが必須となる職種も多くありますがその年収を見てみると、700万円から中には1000万円近く、それ以上になるものまであります。平均年収が全国でも低い沖縄では、高額と言える数字が並んでいます。

こう見ると、本当の大きなプロジェクトが沖縄にやってくるんだなと感じますね。

そうですね。そこで大切になってくるのは地元の声です。テーマパークの建設予定地となる今帰仁村や名護市、そして隣の本部町で街の声を聞きました。

男性(名護市)「名護市にとっては超目玉施設になると思いますよ、首里城、海洋博、そして名護市のジャングリア、この3つで観光客はどんどん増えていけばいいと思っています」

男性(今帰仁村)「飲食とか色々あるだろうし、自分は農家ですけど農家も参入できたらなとか思ったりもします」

新しくできるテーマパークに期待もある一方で。

男性(本部町)「車の渋滞、ごみ問題、自然破壊ですかね そこが住んでいる地元民からすると懸念する部分ではないかなと思います」

北部テーマパーク概要発表 会場で感じた熱と街の声

男性(本部町)「ジャングリアが開園したら大変な渋滞になるなというふうに思います」

地元からは不安の声もあがる中で、森岡代表は開発地の環境について、本島北部の自然をいかし「鉄とコンクリートの世界はつくらない」として次のように話しています。

刀 森岡毅 代表「敷地内の木の本数というのはパークを建てる前のゴルフ場の時代よりも木の本数を増やしています。自然を大切にして当局の皆さんと環境アセスメントを繰り返しながら自然負荷の少ない工法を選びながらじっくりと今開発を進めている」

そして多くの人が懸念してる交通渋滞については。

北部テーマパーク概要発表 会場で感じた熱と街の声

ジャパンエンターテイメント社 加藤健史代表「具体的にはいくつかの交通の拠点において、ある程度の改善が必要だということがわかりましたので、それを各市町村の皆さま、ひいては国の方とも調整をしながら改善しようと努めております。例えば高速道路の延伸ですとか、鉄軌道、こういったことを地域の市町村とともにその必要性について訴えていきたいと思っています」

期待と懸念が交錯する、新テーマパーク「JUNGLIA」。その率直な思いを、森岡代表にぶつけました。

沼尻アナウンサー 会場での質問「こういった大規模事業にはつきものかと思いますが、大きな期待もある一方で県民の中には半信半疑なところも当然ある。そんな県民に向けてメッセージがあればよろしくお願いします」

北部テーマパーク概要発表 会場で感じた熱と街の声

刀 森岡毅 代表「あの時(USJ時代に)私自身が気付いていなかったのは僕らは前向きな気持ちでやっていたんですけど、結果的に沖縄の皆さんからは「本土の人間が何かやろうとしている」というふうにしか見えていなかったと思うんですよ、地元のプロジェクトになっていなかったんだと思うんですよね」

「そういう意味でこれからも色々あるんですけど、一緒にこの事業を豊かにして地元の皆さんが誇りを持って遠くから友達が来た時に自慢で連れていくそんなパークに育っていく未来を作りたいと願っておりますので、地元の皆さんにとっても良いものにしていきたいと思っていますので、我々のポジティブな思いを地元の皆さんに伝わるようにお力添えいただければと思います」

北部テーマパーク概要発表 会場で感じた熱と街の声

会見を聞いていて、このプロジェクトに対する熱量というのは感じましたし個人的には楽しみにもなりました。その一方で、外から見た沖縄と、ここに住んでいる内側の私たちが感じている沖縄にはまだ少しギャップがあるのかなと感じることもありました。今後、この一大プロジェクトが良いものになるためにも、1つずつ地元と歩みをそろえて進めてほしいと思います。