続いては「追跡エモリ」のコーナーです。新型コロナの感染状況が落ち着きをみせ、沖縄に来る観光客の回復とともにレンタカーの需要が再び高まっています。慣れない土地で事故に巻き込まれることなく安全で快適な旅を満喫してもらおうという『企業の取り組み』を追いかけました。
新型コロナの感染状況も落ち着き、観光客が急増している沖縄。去年の上半期の入域観光客数は、およそ300万人だったのに対し、今年は420万人。上半期だけで40%増えているのです。そんな沖縄観光に欠かすことが出来ないものと言うと「レンタカー」。レンタカー事業者数も急増していて、2015年と比べると、4倍以上に増えています。
ということで、今回の追跡エモリは!
エモリ「今日は県内のレンタカー業者にスポットを当て、どういった取り組みで観光客をおもてなしているのか?レンタカー最新事情」を取材したいと思います」
訪れたのはトヨタレンタカー那覇空港シーサイド店。店内はリゾートホテルのロビーをイメージした開放感のある空間です。
照屋さん・當間さん「よろしくお願いします」
當間さん「当社では無人契約機を導入していて、レンタカーの契約と受付をスムーズに対応し車もお客様ご自身でセルフのピックアップも行っているのですぐにご出発いただけます。」
空港からの移動や店舗での手続きを含め、かつては、車の受け渡しまで1時間以上、かかることもあったそう。
そこで導入されたのが、セルフチェックイン機「RaCCU(ラクー)」
エモリ「ゴールド免許です。ちょっとしたアピールです」
當間さん「この位置で奥までセットしていただいて次へを押してください」「こちらにカメラがあるので榎森さんの顔をセットして撮影するを押してください」
免許証で本人確認を行い、チェックイン。あとはカウンターで鍵を受け取ると出発準備完了です。
女性スタッフ「こちらでお願いします」鍵を渡す。
ちなみに県内トヨタレンタリース沖縄では高級車を始め、ファミリーカーなど、4500台以上のレンタカーを保有し、対応しているとのこと。本島、離島含め、多い日では1日、800件以上の車の貸し出しがあるそう。
エモリ「さぁそれでは早速、出発していきたいんですが、これはカーナビじゃないですか?こっちのは何ですか?助手席の人がネットフリックスを見るみたいな?」
トヨタレンタリース沖縄 杉本さん「こちらは運転診断機能付きのアプリが搭載されているタブレットです」
エモリ「運転診断機能?」
コチラは大手自動車部品メーカー・矢崎総業が開発した交通事故対策アプリ「スマイルくん」
実は沖縄、恩納村や宮古島など、観光地を中心にレンタカーでの事故が非常に多いのです。
「レンタカーによる交通事故」これは観光県・沖縄の大きな課題。
その課題を解決しようと、トヨタ・モビリティ基金、トヨタレンタリース沖縄を中心に琉球大学や東京大学、県警など、8つの企業や機関が、連携協定を結び、対策に取り組むことになりました。
エモリ「うわ?!急ブレーキしちゃった!?怒られる!!怒られた!ゴメン!」
運転の状況をリアルタイムで分析し、その危険度を表情で知らせてくれます。急加速や急ブレーキなどのデータを取得することができ、そのデータと、警察が持つ交通事故のデータを共有し照らし合わせることで、潜在的に危険な地点を掘り起こし、交通事故削減を目指しているのです。
沖縄県警 赤嶺旨一さん「急ブレーキをしているとか急加速の情報とか、そういう情報と交通事故の情報を組み合わせることでどういう対策ができるか、事故が発生している箇所が多ければそこに何かしら原因があるのではないか、道路の作りを見たりとか、そういったところにいかいしている状況。」
こちらは、宜野湾市伊佐交差点。過去5年で376件、事故が起きている県内事故発生件数、ワースト2位の交差点です。特に「左折フリー」での追突事故の件数が圧倒的に多いとのこと。そんな交差点の前を通過しようとすると・・・
スマイルくん「まもなく事故多発地帯です」
エモリ「このアナウンスで教えてくれるんですね」
スマイルくん「まもなく伊佐交差点周辺で周囲の交通に注意して通行してください」
コチラが実際に流れる映像。伊佐交差点を始め、許田の交差点など、事故が起きやすい地点、13箇所で警告のアナウンスが流れるようになっています。
エモリ「警告されると周りに注意するようになりましたね」
実際に、警告アナウンスが流れることで、急ブレーキや急加速が減少しているというデータも!
「警告アナウンスで交通事故削減」その効果にも期待されています。そんな、アプリには、もう1つ特徴が。
スマイルくん「美ら海水族館へはナビで案内されるルートと比べても所要時間の差はほとんどないよ。よければA,B,Cのオススメスポットを見てみてね!」
エモリ「これで色々ルートを教えてくれているんですね」
トヨタレンタリース沖縄 杉本さん「コチラはスマイルくんオススメの立ち寄りスポットとなります」
エモリ「スマイルくんのオススメスポットに立ち寄りながら美ら海水族館に行けると!これは観光客にとっても嬉しいですね」
通常、ナビで「美ら海水族館」までのルート検索をすると、海沿いの道を通り、向かうように表示されますが、このアプリを使うと、内陸部から案内され、さらに「JTB」がオススメする話題のスポットのアナウンスが、これには「ある狙い」が。人間行動学を中心に研究している神谷准教授にお話を伺いました。
琉球大学 神谷大介准教授「混む時間帯という、そのピークを避けて、来ないで下さいじゃなくて、時間に関しても、平準化して西海岸もとか、東海岸もとか。海側だけじゃなくて山側もとか、時間と空間と手段を分散させましょう。」
沖縄観光が抱える大きな課題。それが『渋滞』
那覇市に限って言うと、朝夕の混雑時の車の速度が「14キロ」と全国ワースト1位なんです。そんな「渋滞」を解消させる取り組みの1つとして、別のルートを案内させる仕組みになっています。
さらに
琉球大学 神谷大介准教授「渋滞に巻き込まれている間、観光客は消費できないですよね、その間、30分、1時間あれば 実は喫茶店入ったりという消費もできる観光の消費額を上げる。安い観光地じゃなくて、もう少し付加価値を付けた観光地になるのがいい」
目的地まで行くまで「立ち寄りスポット」を案内することで、新たな魅力を知ってもらうとともに、観光消費額をあげようという狙いもあるのです。
エモリ「寄り道って楽しいですね。目的地に向かうまでの寄り道が意外と思い出になったりすると思うので。だから本当に今日のロケの一番の思い出になるかもしれない」
その理由の一つとして、沖縄の1人あたりの観光消費額、復帰後と、コロナ前では、ほとんど変わっていないというのが現状なんです。「渋滞解消」とともに、「観光消費額」もアップ、産官学が連携し、課題を解決するために作られたアプリなのです。
エモリ「美ら海水族館、到着しました。」
杉本さん「お疲れ様でした?!」
エモリ「沖縄県民ってウェルカムんちゅで観光客を迎えようとか言われるけど、やっぱレンタカーの運転の不安が続くと気持ちよくウェルカムんちゅになれないと思うので、こういうシステムが搭載されてレンタカーへの印象が変わったら、気持ちよくウェルカムんちゅになれるところもある。県民にとっても観光客にとっても嬉しいシステムだなと思いました。」
トヨタレンタリース沖縄 崎原副社長「レンタカーを通して観光客、県民の安心安全を守りながら地域のお客様の笑顔を見ることで今後も励んでいきたいと思います」
アプリ付きの車が借りられるのは那覇空港店と宮古島店です。現在37台(本島30台 宮古島7台)