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沖縄の返還交渉に関わったアメリカの元国務長官・キッシンジャー氏が2023年11月29日、亡くなりました。100歳でした。
キッシンジャー氏は、1923年生まれでニクソン政権、フォード政権では、国務長官を務め1970年代のアメリカと中国の国交正常化交渉で中心的な役割を果たしまた、ニクソン政権の大統領補佐官時代には沖縄返還交渉に関わりました。
そのなかで、「返還後も核の抑止力の維持は必要不可欠」と主張するニクソン大統領に対して「核抜き本土並み返還」を国民にうたっていた佐藤総理が「緊急時には沖縄に核を持ち込むことに日本が同意する」密約を取り交わした際にキッシンジャー氏は、佐藤総理の密使である若泉敬氏と水面下で交渉にあたっていました。
琉球大学・我部政明名誉教授は「(アメリカは沖縄の返還で)日本から取れるもの、日本ができるものは全て可能な限り全て自分たちの手に入れたと。だから、それを超えて日本に核兵器を持ち込むようなゴールまでは必要はなかったということです」と話しました。
琉球大学の我部政明名誉教授は、『密約』が沖縄の返還に必ず必要なものだったとは言えないとしたうえでキッシンジャー氏について「沖縄の人には関心がなかった」と評価しています。
琉球大学・我部政明名誉教授は「キッシンジャーは別に沖縄の人をみてるわけじゃなくて、沖縄にある軍事基地がいかに大事かと、世界全体の中で(沖縄の基地が)アメリカにとって意味があるかないか。アメリカに利益をもたらすか、もたらさないか、という視点で沖縄を見ている人の1人ですね」と話しました。
キッシンジャー氏の事務所によりますと2023年11月29日、コネチカット州にある自宅で亡くなったということです。100歳でした。