今月23日に那覇市で「沖縄を再び戦場にしてはならない」との思いを訴えるために県民平和大集会の開催が予定されています。
沖縄ではかつて大規模な県民大会が開催されている中、ここ最近は、かつてのような規模で行われていない現状があります。県民大会を開催する意義はなんなのか考えます。
これまで基地問題や教科書検定などをめぐり何度も開催されてきた県民大会。沖縄が抱える不条理や怒りを訴える県民の声は、大きなうねりとなりました。
今月23日には、市民団体が主催となって「沖縄を再び戦場にしてはならない」と平和への思いを訴える、1万人規模の県民平和大集会が開催されます。
しかし、主義主張を超えて集まっていた県民大会もかつてほど人数が集まることはなく、以前のような勢いを失いつつあるように見えるのも現状です。
主催団体の共同代表を務める瑞慶覧長敏さんは、昨今の県民大会の在り方の変化の要因について政府の強行的な姿勢による県民の無力感や脱力感があるのではないかと話します。
沖縄を再び戦場にさせない県民の会・瑞慶覧長敏共同代表「翁長雄志さんがオール沖縄を作って保守も経済界も一緒になってやるんだけれども、それでも政府は強行に進めていく、辺野古も埋立がついに始まったという。この無力感とか脱力感とかが出てきてしまうのは当然かなと思っています」
もう一つ懸念されているのは若者の参加離れという課題。今回の大会では若者の意見を多く取り入れ、これまで参加していない人も参加しやすいような大会の形をとっています。
瑞慶覧長敏さん「若い方々がこれるようなものにしていかないと、分母を増やしていかないと、運動って強い勢力に対しては働かないんじゃないですか」
これまで幾度となく、県民の思いや怒りを県内外に伝えてきた県民大会。県民の「運動疲れ」などを指摘する声もある中開催されることの意味を瑞慶覧さんは次のように語ります。
瑞慶覧長敏さん「継続しなければ、運動していかなければ、この沖縄の声って、もう届かないどころか埋没してしまうじゃないですか。だから、そこに意義あると思います。正直な話ね、こんな集会なんてない方がいいんですよ。もうずっとこう言い続けないといけない。でもそれだけでは疲弊するので、自分たちだけじゃなくて、周りのみんなの力を借りて連帯して、この抵抗していくんだっていう、そういうことだと思います。」
「台湾有事」などを危惧する声をきっかけにして平和の重要性を訴える今回の県民大会ですが、瑞慶覧共同代表は今回の大会で終わりではなく、戦争はやっていけないという空気感をつくるために運動は続けないといけないとも話していました。
沖縄の声を発信することの重要性と合わせて、その行動がどのぐらいの人の共感を持って受け止めてもらえるか、県民大会のあり方について考えるときではないでしょうか。