※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。

辺野古新基地建設をめぐり埋め立て変更申請の不承認の効力回復を求め県が国を訴えた抗告訴訟の判決が、2023年11月15日、言い渡され県の訴えは却下されました。

この裁判は、辺野古新基地建設で大浦湾側に広がる軟弱地盤を固めるために防衛局が申請した設計変更を不承認とした県の処分を、国交大臣による取り消しは「違法」だとして県が、不承認の効力回復を求めたものです。この裁判は、県が訴えを提起できる適格の有無が争点で、県は、「地方公共団体に承認などにかかる権限が与えられているのに、国の行政権によってその権限が侵害されたときは、それ自体が、自治権の侵害」だとして抗告訴訟が認められるべきなどと主張していました。

一方、国は、埋め立て承認撤回の効力回復を求め県が訴えを起こしていた裁判の最高裁判決を引き合いに出し、「県には裁判を受ける権利や原告適格がない」などと反論していました。2023年11月15日の判決で那覇地裁の藤井秀樹裁判長は、公有水面埋立にかかる承認などに関する事務は固有の自治権に含まれないとして「地方自治の本旨に反するものとまではいえない」などと結論し、県の訴えを却下しました。

この判決について玉城知事は「裁判所には、憲法の保障する地方自治の本旨を踏まえた公平・中立な判決を期待していただけに極めて残念」とコメントし判決内容を踏まえて今後の対応を検討するとしました。また、松野官房長官は裁判所の判断についてコメントは、差し控えるとしたうえで「普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し基地負担の軽減を図るため全力で取り組む」と述べました。