3連休を彩った「首里城復興祭」最終日を締めくくったのは、王国時代のきらびやかな光景を再現した「琉球王朝絵巻行列」です。4年ぶりに復活を果たし、国際通りを訪れた3万人の観客を魅了しました。晴れやかな舞台の裏では、忙しなく準備に追われるドタバタ劇が繰り広げられていました。
開南小学校 午前7時半 絵巻行列が始まる4時間前、出演者の控室となった小学校には番号が振られたケースがずらっと並べられています。その中には衣装が入っていて、がやがやとした雰囲気の中着替えが行われていました。行列に参加する389人のうち、半数にあたる180人が一般公募などで選ばれました。
首里城祭実行委員会 比嘉亘さん「かしこまった行列より見物客も参加者も楽しんでもらえるような一日にしたいと思う」
「今、首里城が沖縄のためにできることは何か」考えた末、開催が決まったという今回、関係者の気合も十分ですが…
道具を準備する人たち「紫のこれを使って…私が後で探しときますので」
27回着付けに携わる・仲里千枝子さんQ お話聞いても?「今いっぱいいっぱいらしいので」(着付けされている男性)
仲里さん「時間が間に合わなくて!ごめんなさいね、間に合わないって言われている」
開始時刻(12時半)の2時間前までに出演者の支度を済ませないといけません。一般参加の準備を担当する16人の着付け師たちをはじめ衣装や道具を確認するため慌ただしく動く関係者も久しぶりのイベントにてんやわんやです。
初参加(高校生)「緊張しているがかしこまった気持ちになる」
女性初参加「コスプレ気分で楽しい」
初参加 男性2人同僚「いい感じ」「新鮮な感じで」「格好いいっすね」「格好いいっすか」(2人でくるっとまわって)「頑張ります」
男性 4回目の参加「暑いです結構」Q涼んでる?「もうここから動けない 暑くて」
27回目の参加者 Qこの日のためにひげを伸ばした?「二十何年同じことをやっているから」
絵巻行列は首里城火災の4日前、2019年10月27日を最後に今回は4年ぶりの復活!3年後に迫った正殿の再建を盛り上げます。
20年以上絵巻行列に参加「楽しみだよな久しぶりだし」朗らかに笑う「いつ再開できるかとずっと」
那覇市男性初参加「みんなで盛り上げて、また新しい首里城が見たい」
三日間の催しを盛り上げてきた国王と王妃もラストを飾るイベントを前に、言葉に力が入ります。
国王役・渡嘉敷大雅さん「今年は沖縄の観光も首里城のまつりも復活したんだぞというのを世界にアピールできるように頑張りたいと思う」
王妃役・スピーナ瑛利香さん「琉球王朝時代を思い浮かべてもらいながら復興に期待してほしいと思っている」
「運動場で歩幅を合わせる練習」
知り合いがいても手を振ったり笑ったりせず役になりきること、5mに10秒かけるペースでゆっくりと歩くことなど「美しい列を保つため」の準備を入念に行っていざ出発です!
「国際通り」
口上「御主加那志前(うすがなしーめー)ぬ うとぅーいんどー(国王様のお通りだ)」
琉球宮廷音楽・路次楽(るじがく)の調べに合わせて国王と王妃を運ぶ御轎(うちゅう)と呼ばれる乗り物が進みます。そのあとには中国からの使い・冊封使の列が続きます。「威風堂々と歩く姿」が観客の視線を釘付けにします。国際通りが静寂に包まれ、琉球の時代へとタイムスリップしたようでした。
観光客「久しぶりにみたので感動しました」
観光客(兵庫から)「地元では絶対見られないような沖縄の伝統的なものが知れてすごくよかったなと思った」「真ん中でお姫さまとかが通っているところがすごかった」「あれ(御轎)に乗ってみたいと思った」
開南小学校 午後2時 男性27回目Q 4年ぶりの舞台どうだった?「気持ち良かった良い天気に恵まれて雨降らなくてよかった」
女性「たくさんの方が見に来ていてすごく楽しかった」
王妃 スピーナ瑛利香さん「国際通りの遠くを見てもまだまだ人がいるのが驚きで観光客・子どもたちもたくさん見に来ていたのがうれしかった」
国王 渡嘉敷大雅さん「横を向いて手を振りたい気持ちを押し殺しながら目線を前に保っていた」「コロナ明けと首里城の復興 正殿の完成に向けてどんどん盛り上がっていくと思うのでそこにつながるように何か残せるように意識していきたい」
達成感を感じていたのは出演者だけではありません。舞台裏を支えた着付け師にも、安どの表情が浮かんでいました。
27回着付けに携わる 仲里千枝子さん「4年ぶりなので私たちも(着付けの)練習はした。みんな手が慣れていなくて、きょう時間がかかってしまった」「なんとか間に合ったので良かったです」「体力久しぶりに使ったという感じ、でもこれから毎年あると思うので楽しみにしている」
20年以上行列に参加する男性たち「来年もまた頑張るぞ」(正殿が完成する)26年に向けてそれまで足腰元気?がんばるさ!鍛えるよみんなで鍛えようよ!
大盛況でたった今幕を下ろしたはずなのに、一人一人が「その先」を待ち望んでいます。笑顔とともにこれからも、琉球の歴史ロマンは現代に蘇ります。