続いては、パラスポーツの車いすラグビーです。今年7月の国際大会で優勝した日本は来年のパリ・パラリンピック出場をすでに決めていますがその代表選手などが参加した国内大会の予選が沖縄で開かれました。県勢の若手選手が奮闘を見せています。
激しいぶつかり合いでしのぎを削る「車いすラグビー」。来年1月に行われる日本選手権の沖縄予選がきのうまでの2日間沖縄市で行われました。東京・大阪・沖縄の3チームが2試合ずつ総当たりで対戦し上位2チームは本戦出場が確定します。
試合は1チーム4人で8分間の4ピリオドで行われますが選手1人ひとりには障がいの程度が重い場合の0.5点から軽い場合の3.5点までクラス分けされていて、チーム4人の合計のポイントが8点以下とする決まりがあります。ポールで区切られた中のゴールラインをボールを持ち通過できればトライ成功で1点。オフサイドはないため取ったら取り返すスピーディーな展開も競技の魅力です。
青のユニフォーム、地元のハリケーンズはきのうの第1試合で大阪のウェーブスと対戦しました。仲里進監督兼選手は4大会連続でパラリンピックに出場し2016年のリオ大会で銅メダルを獲得したベテランです。チームを鼓舞するプレーで会場を沸かせました。
沖縄ハリケーンズ 仲里進監督兼選手「日本選手権への出場権を取ることが大前提の大会だったのでしっかり大阪戦に勝って少しでもまた日頃出られないメンバーだったり若手、若い世代をどんどん経験させてあげようということで挑んだ2日間です」
その若手にはつらつとしたプレーを見せた高校生選手がいました。背番号7、沖縄工業3年の奥原悠介(おくはら ゆうすけ)。筋力が低下していくシャルコー・マリー・トゥース病という難病と向き合いながら競技をはじめて5年目です。
沖縄ハリケーンズ 奥原悠介選手「しっかり味方からパスが回って来て自分が点を入れることができたのが良かったなというところ」「(仲里監督は)時に厳しく時に優しい方なので」「進さんがいるから自分もこのチームとしてやっていけているところがある。進さんには感謝している」
奥原はこの試合10得点の活躍。ハリケーンズは42-29で勝って日本選手権出場のための2位以内を確保しました。
そして最終戦。ハリケーンズは予選1日目で敗れている白のユニフォーム東京のブリッツと対戦しました。日本選手権4度の優勝経験があるハリケーンズですがブリッツは最多8度の優勝で現チームも日本代表や候補選手が数多く顔を揃える強豪です。日本代表で活躍する池崎大輔(いけざき だいすけ)をはじめ国内トップ選手が攻守でレベルの高いプレーを見せ試合をリードします。
緊迫した試合で途中出場、出番がやってきた奥原。緊張の中でしたが、トライを上げることもできました。その一方で・・
沖縄ハリケーンズ 奥原悠介選手「前に池崎さんがいて後ろの味方にパスをしないといけないがどうしても池崎さんの手が伸びて自分のパスの精度が悪いところが響いて相手ゴールとなってしまったのが残念なところ」「格上ということでスピードも力も圧倒されるところがあった」
結果ハリケーンズは37-58で敗れましたが2日間トータル2勝2敗の2位で来年1月の本戦出場権を獲得しました。
沖縄ハリケーンズ 奥原悠介選手「日本選手権では自分のいま苦手なところしっかり克服できていって日本のすごいメンバーたちと戦えるような選手になっていきたい」
沖縄ハリケーンズ 仲里進監督兼選手「もっと経験して失敗を恐れないで失敗しても次に切り替えられるようにトランジション(攻守の切り替え)が大事な競技でバスケやラグビーに似ているので」「早く僕を超えて沖縄から新たなパラリンピックアスリート日本代表に選ばれるような選手になって欲しい」
日本選手権本戦は来年1月12日から千葉県で行われます。ベテラン若手が一丸となったハリケーンズの活躍に注目です。