楽園の海、案内は水中ビデオカメラマンの長田勇さんです。今回のテーマは『地味』なんて言わないで!貝特集!です。
今回は、沖縄の海ではあまり目立たない生き物、貝を特集したいと思います。
まずはダイバー以外でも知っている人が多いシャコ貝の仲間を3種類を紹介します。水底に転がっているのはヒレジャコです。二枚貝ですが、普段は完全に閉じている訳ではなく外套膜が少し表に出ている状態です。
ちょろりと出てるんですね。
こちらは出水管という器官です。水が出てくる所ですね。一方、こちらは入水管と言います。この器官で貝は呼吸をしたり、餌を食べたりするんです。大きさは45cmほどで沖縄で見られる貝としては最大クラスです。
こちらはシラナミという種類です。大きさは20cm。周りにあるサンゴと比べても鮮やかなブルーがとても綺麗です。よーく見ると、シャコガイって地味ではないんですよ。
シャコガイの3種類目は岩に埋め込まれたような貝、ヒメジャコ。どのようにしてこのような状態になるのかというとこの貝は、体内から出す塩酸で周囲の石灰岩を溶かしたり、殻の外側にあるヒダで岩を削って自分の体に合った穴にしているんです。
ということはこの貝たち、ずっとここから動けないんですね。
そのようですね。綺麗でありながら、ちゃんと生きていくすべも持ち合わせているんです。生物はすごいですね。
こちらは与那国の海底遺跡で見つけた夜光貝です。日本で見られる巻貝の仲間の中では最大級の大きさです。見ての通り藻がたくさん生えていますよね。磨くと綺麗になる貝ではあるんですが、名前のように夜光るわけではありません。 調べてみたら屋久島地方の屋久が語源だという説が多かったです。
さてさてこちらはゾウのようないでたちです。そして、背中にはサンゴが!スイショウガイとキクメイシモドキです。かなりインパクトがある映像です。おそらく、沖縄の大浦湾でしか発見されていない貝です。スイショウガイ自体が比較的珍しい貝なのですが、さらに背中にキクメイシモドキが付いているのですごく貴重なんです。数年前『歩くサンゴ』として有名になりました。
続いてはツヤツヤしているものの、見た目地味な貝に見えますが、体長は1cm。
人差し指の爪くらいの大きさでかなり小さいんですね。
これは、タカラガイの赤ちゃんの可能性があります。見つけた時はスルーしそうだったのですが、動き出したら被写体としては最高ランク! 赤いツノに小さなお目目。中から出てきた外套膜がとても華やかなんです。カムフラージュになっているのでしょうか。初めて出会えて嬉しかったです。
そしてこちらは私の貝の撮影風景です。レンズの先にいたのはホタテ貝の形に似た貝。オウギガイの赤ちゃんかもしれませんね。色々調べたのですが正式な名前は分からず。貝の赤ちゃんは判別が難しいんですよ。口を大きく開けてジャンプ。行動もホタテ貝と一緒ですね。飛びましたね!赤ちゃんがんばれ!
こちらは今回撮影した貝の中で私の1番のお気に入りなんです。とにかく貝殻が本当に綺麗なんです。そして中から怪獣のようなものが顔出してくるギャップ。惚れてしまいました。体長は1cmで名前は分かりませんが小さい体なのに魅力が詰まってるんです!
長田さんイチオシなんですね。
さらに!!一瞬にして消える技も。見てて下さい、ほら!飛んでるだけなんですが、貝はとても魅力のある面白い生き物、ということをみなさんにも知っていただけたらうれしいです。
貝は色彩豊かなんですね。
調べても分からないことだらけだったのでこれからはもっと貝にも詳しいカメラマンになりたいなと思いました。