辺野古新基地建設の軟弱地盤工事に向けて、国は10来月4日までの承認を沖縄県に迫っています。
国土交通大臣は9月28日に玉城沖縄県知事に軟弱地盤工事の承認「指示」を出したことについて「適切な対応」と強調しました。
辺野古新基地建設の軟弱地盤工事をめぐって斉藤国土交通大臣は9月28日に勧告に従わなかったことなどを理由に玉城知事に設計変更を承認するよう指示を出していて9月29日に沖縄県に文書が届きました。
玉城知事は「今回の指示をふまえて対応していく。引き続き、国に県との対話に応じるよう粘り強く求める」とコメントを出しています。
斉藤大臣は裁判の経緯などを踏まえ、正当性を強調しました。
斉藤国交大臣「今回の勧告、また指示、いずれも適切な対応であったと考えています」
今回の指示は国が県に代わって設計変更を承認する代執行の手続きの一環です。ただ、代執行を行う具体的な時期は示されませんでした。斉藤大臣は指示を出す前の今月19日に承認を求める「勧告」を出していて玉城知事は期限だった27日に県民の意見などの分析を理由に「期限までの承認は困難」だと回答していました。
辺野古不承認 「代執行」は唯一の解決策か?
国交大臣が「指示」を出しました。県に代わって国が自ら設計変更を承認する「代執行」の手続きを進めています。塚崎さん、次のポイントはどこになるのでしょうか。
塚崎記者「はい。玉城知事がどんな対応を示すか注目しないといけません。期限の来月4日までに承認しなかった場合、国交大臣は命令を求める裁判を起こし、その後、代執行という流れになります。地方自治法の条件などから考えると、ポイントは2つです。玉城知事が設計変更を承認しないことが、著しく公益を害するのか、という点と、今の状況を解消する方法が、「代執行」以外にないのか、という点などが問われるとみられています。」
辺野古の問題に関する裁判ではこれまでも、県に有利な判断は、出ない状況が続いていました。今後、どのように見ていけばよいのでしょうか。
塚崎記者「玉城知事はきのうも、自見沖縄担当大臣に新基地建設問題解決に向けた県との対話を求めていました。」
「代執行」の手続きが、県と国の対立を解消する「唯一の手法」とは到底言えないうえに、県の権限を奪って基地建設を進める国の強硬姿勢は、県民の反発を生みます。裁判所が「代執行」が問題解決の唯一の手法といえるのかという点に、きちんと判断するのか、注視する必要があると思います。
「唯一の手法」かどうかの検討については、新基地建設自体も必要だと思います。基地の完成は2030年代以降にずれ込み、その間、普天間基地の危険性は放置され続けます。他に解決策がないかと、政府がきちんと検討してきたのか、問わなければいけないと思います。