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年に一度、腕に覚えのある剣道の達人たちが集い、磨き上げた技術を競う国内最高峰といわれる大会がきのう、那覇市で開かれました。県内から3人の選手が出場し、白熱した戦いで会場を沸かせました。

我喜屋世梨華選手「みんなの応援を力に変えて思い切った技を出し切れるように頑張ります」

仲間洋輔選手「緊張の方が強いですかね、久々の試合なので、数年ぶりなので」「沖縄県の代表として頑張りたいと思います」

上地安一郎選手「強い選手ばっかりですので自分の力を出し切ることだけに集中して精一杯頑張りたいと思います」

国内最高峰「全日本東西対抗剣道大会」県勢3選手が奮闘

間合いを測る乾いた音が響く張り詰めた静寂、瞬きすら許さない一瞬で勝敗が決します。激しくぶつかり合う技の応酬も見られました。

数ある剣道の大会の中でも全日本東西対抗剣道大会は、国内最高峰と言われています。日本各地から集まった剣士たち80人が東と西に分かれて磨き上げてきた技をぶつけ合います。

出場する選手のほとんどは6段以上の腕前です。全日本剣道連盟に登録している202万人あまりのなかで上位2%しかいないといいます。高次元の試合は、見ている歴戦の選手たちの口からも驚きの声が漏れるほどです。

国内最高峰「全日本東西対抗剣道大会」県勢3選手が奮闘

61年ぶりに沖縄で開催された今大会には、県内から3人が出場しました。県内の選手では紅一点、我喜屋世梨華(がきや・せりか)選手は、県内の女子選手としては24年ぶりに大会選手に選ばれました。

5歳のころから剣道をはじめ、中学・高校では全国3位になるなど実力を伸ばしてきました。一方でやんちゃ盛りな1歳の男の子と3歳と5歳になる女の子2人の3児の母親でもあります。

日中、働きながら子育てに奮闘する「仕事」と「ママ」と「剣士」の三足の草鞋を履いていて、周りのサポートを受けながら久しぶりの大きな大会に臨みます。

会場にはお母さんの雄姿を見ようと両親や子どもたちも駆け付けました。共に剣の道を歩む夫の丈(たけし)さんも、大会スタッフをしながら一緒に試合を見守っていました。相手は全国大会で優勝した経験を持つ選手です。

我喜屋さんは試合開始直後から果敢に攻め込みます。足を使って自分よりもリーチのある相手に竹刀を振るっていきます。一撃を放った一瞬の隙に剣を合わされ、先に2本取られてしまいました。

国内最高峰「全日本東西対抗剣道大会」県勢3選手が奮闘

我喜屋選手「やっぱりくやしいですね」「頑張ったねという言葉(をかけられた)」「両親や家族はじめ、いろんな人の応援があって、この舞台に立てたと思っているので本当に感謝しかないです」

男子の部の6試合目に出場した上地安一郎(うえち・やすいちろう)選手は錬士7段の実力です。小学2年生から剣道を続けていて、現在は警察学校で指導する立場になっています。対戦する相手も、教職員の剣道大会で全国3位になったことがあり、実力が拮抗しています。

上地選手は相手の攻めをさばきながら丁寧にカウンターを狙って行きます。ただあと一歩で決まり手にはならず、3分間の延長戦の末引き分けとなりました。

国内最高峰「全日本東西対抗剣道大会」県勢3選手が奮闘

上地選手「相手も強くて、そこでやっぱり一本を取れなかったというのは、今後の課題にしていかないといけないのかなと、次のことを考えて頑張りたいと思います」

13試合目に出場した仲間洋輔(なかま・ようすけ)選手は錬士7段です。現在県警から県庁に出向していて、慣れない仕事に取り組みながら技術を磨いています。

東京の警察大学校で研修をしたときに剣の技術を教わった先輩との対決になりました。自身のスタイルである上段の構えで一本を狙います。瞬時に間合いを詰め、上から強烈な一撃を見舞っていきます。こちらも審判の旗はなかなか上がらず、時間内に勝敗は決まりませんでした。

仲間選手「勝ちたかったですけどね、なかなか旗も上がらず、手応えあったのも何個かあったんですけど、それぐらいレベルの高い大会なのでひとつ勉強になりました」

国内最高峰「全日本東西対抗剣道大会」県勢3選手が奮闘

全国の達人が剣を交えた大会は女子の部が4対2・男子の部は13対6で、ともに西軍が勝利で幕を降ろしました。

上地選手「次の、地元開催じゃなくても選ばれるように努力していきたいなと思っている」

仲間選手「僕らからしたらスーパースターの人たちが沖縄にいるということが、めったにないことなので、」「稽古だけじゃなくて私生活の過ごし方とか、身のこなし方、立ち振る舞いもまた今回勉強になりました」

我喜屋選手「子どもたちや家族が支えてくれるから、また強くなって、次は勝って、ママ強くなったねって言われるように頑張ろうという気持ちになっている」

国内最高峰「全日本東西対抗剣道大会」県勢3選手が奮闘

国内最高峰の舞台を経た県勢選手たちは、それぞれの目標を新たに、剣の道をまい進します。