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全国の猛者が集まる剣道の大会が今月24日に本土復帰後の沖縄で初めて開催されることになりました。「全日本東西対抗剣道大会」という今年で69回になる長い歴史を持つ競技大会で沖縄ではかつて復帰前の1962年に開催されていました。

全日本東西対抗剣道大会 沖縄で開催

県勢選手は男性2人、女性1人のあわせて3人しか出場いていません。そのなかでも、剣士であり、3児の母でもある女性は家族と二人三脚で初めての舞台に挑みます。

我喜屋世梨華さん「今がチャンスだと思ったのでそこは大事にして」「今回頑張ろうという気持ちになりました」

61年ぶりに沖縄が開催地となった「東西対抗剣道大会」は全国各地から集結した剣豪たちが日々の訓練で磨き上げた技をぶつけ合う剣の道を歩む人にとって憧れの舞台です。

全日本東西対抗剣道大会 沖縄で開催

出場するには各都道府県にある剣道連盟から推薦された選手が全日本剣道連盟の審査を合格しなければならないという非常に狭き門となっています。

出場する選手のほとんどが6段以上の実力者で、連盟に登録している202万人あまりのなかで上位2%にあたります。

沖縄剣道連盟・宇地原豊事務局長「日本の剣道会の最高峰の選手を集めた大会になりますので、生の試合をぜひ見てほしいと思います」

全日本東西対抗剣道大会 沖縄で開催

開催地・沖縄から3人が出場します。さらに、県勢の女子選手が出場するのは24年ぶりです。素早い竹刀さばきで相手との間合いを一気に詰めて力強い一撃を叩き込む選手こそ、沖縄代表の女子剣士・我喜屋世梨華(がきや・せりか)さんです。

我喜屋さんのインタビュー「剣道をしていたから縁があって、いろんな人と出会いがあって」「私にとって剣道とはかけがえのないもの」

全日本東西対抗剣道大会 沖縄で開催

我喜屋さんは5歳のころ、兄の影響で剣道を始めました。剣道の魅力に取りつかれてメキメキと実力を伸ばしていき、中学・高校時代には全国で3位になるなどキャリアを積み重ねていきます。大学時代、そして、卒業して教職に身を置いてからもひた向きに剣の道を進み続けてきました。今や県内の女性剣士ではわずか9人しかいない「6段」の腕前を兼ね備えるようになったのです。

試合した中学生インタビュー「気迫とかもそうですし、打ちがきれいなので、そこがすごいなと思ったりします」

我喜屋さんにはもう一つの顔があります。やんちゃ盛りな1歳の男の子と3歳と5歳になる女の子2人の3児の母親です。日中、働きながら子育てに奮闘する「仕事」と「ママ」と「剣士」の三足の草鞋を履いています。

全日本東西対抗剣道大会 沖縄で開催

子どもたちも剣道が大好きで、遊び道具は竹刀です。見様見真似でトレーニングしています。我喜屋さんはにぎやかな生活を送る一方で出産による入院や新型コロナの感染拡など5年以上大きな大会から遠ざかっていました。

我喜屋さんインタビュー「不安な部分があって、子育てに対して、ずっと稽古をやってしまうと子育てがおろそかにならないかなという自分がいたので」

県剣道連盟から声がかかった時には断ることも考えたといいます。迷っていた時に家族や周りの人たちが背中を押してくれました。

夫・丈さん「この大会は一生に一度出れるかどうか…出られない方がほとんどなので、それに妻が選ばれるのは素晴らしいことなので」「できる限りの協力はしたいと思っています」

夫の丈(たけし)さんは剣道7段の実力者で中学校の教師をしながら部活動の顧問を担っています。我喜屋さんの出場を誰よりも喜んでいて練習の時には子どもの世話をするなどサポート役を買って出てくれています。

全日本東西対抗剣道大会 沖縄で開催

我喜屋さん「もう本当に周りには感謝しかないですね」「(きょうの練習で)なかなか思い切りが打てていなかったので、そこを強化して大会までには思い切りがしっかり打てるように、出し切った技を打てるように頑張りたいと思います」

大会に向けて週に4回ほど女子剣道の仲間や学生時代から指導を受けてきた師匠・先輩と稽古に励んでいます。子どもたちも一緒に練習をして お母さんを応援します。大会まで残り2週間となったこの日は丈さんと実践練習です。

高校時代に指導 砂川幸枝さん「お疲れ様でした、思い切りできていたと思います、思い切りやったときには良い稽古ができていると思うけど、中途半端になったときは目をつぶっている」「思い切って稽古していきましょう、みんなで支えていきます」

全日本東西対抗剣道大会 沖縄で開催

夫・丈さん「剣道に取り組む姿も非常に素晴らしいですし、(剣士としても母親としても)100点だと思います」

Qお母さんのどんなところが好き?子どもたち「メンメン(剣道しているところ)」「かわいい」「(お母さんが試合で)勝った時がうれしい」

我喜屋世梨華さん「お母さん、強くなってね、言葉がうれしくて今いけている自分がいるのかなって」「みんなの応援を力に変えて、プレッシャーに感じず今持っているすべてを出し切って、頑張りたいと思います」

家族や仲間の支えを原動力にして、9日後、国内最高峰の剣士が集う舞台で戦います。

全日本東西対抗剣道大会 沖縄で開催