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中村アナ「今を生きる私たちが沖縄の未来を見ていくシリーズ「IMAGINEおきなわ」です」

金城アナ「旧盆中はエイサーの太鼓や三線の音色も聞こえてきて沖縄の伝統文化も身近に感じられるのではないでしょうか?きょうは琉球芸能の若手実演家たちがその魅力を広く知ってもらいたいと活動する姿をお伝えします」

国立劇場おきなわで来月行われる沖縄芝居の公演「割符(わいふ)」の稽古の様子です。童話の「シンデレラ」を沖縄風にアレンジした作品で沖縄芝居を分かりやすく紹介する鑑賞教室として上演されます。

立方(たちかた)と呼ばれる演者の1人髙井賢太郎(たかい けんたろう)さん。楽器を演奏する地謡(じうたい)で三線を担当する棚原健太(たなはら けんた)さん。箏を担当するのは町田倫士(まちだ のりと)さん。

若手実演家3人にはもう1つの顔があります。YOUTUBERです。

髙井賢太郎さん「マイクを一応持ってきたけど充電をさっきした。一応持つとは思う」

棚原健太さん「これ回した方がいい?」

髙井賢太郎さん「それ違う。右のネジ」

棚原健太さん「こう止めるんだ」

町田倫士さん「伝統芸能をする上で大切にする教え思いなどがあれば教えて下さいこれはいつもの企画の核になる部分」

※YOUTUBE「リュウカツチュウ」各映像より

・「まんまるぼんさん」

琉球芸能活動中 略して「リュウカツチュウ」という名で活動をはじめて3年ほど。民謡や舞踊で使われる曲を日本語訳も交えながら紹介しています。

・「谷茶前に登場する海~シーサイドドライブイン」

また楽曲にゆかりある土地を訪れながらその背景にあるものを説明しつつグルメや観光情報も合わせて伝える動画も制作。

・「化粧中の楽屋トーク」 →「比較演奏(三線・箏)」

一方で化粧中の演者を動画にしてトークしながら舞台裏を見せたり県外の実演家とコラボして演奏方法や表現の違い逆に共通するところを説明してそれぞれの魅力を知ってもらうなど楽しく動画を見せながら自分たちが打ち込む芸能について深く掘り下げています。

♯imagineおきなわ vol.33 芸能の魅力をSNSで発信「リュウカツチュウ」

髙井賢太郎さん「コロナ禍で舞台活動が何もできなくなった時に、待つだけでなく何か自分たちにできることがないかなと考えた時に映像を使って沖縄の伝統芸能を発信したいというところがスタートだった」

棚原健太さん「私たちの映像を通して芸能のこと沖縄のことを知ることはもちろん、自分たちを客観視できる経験もYOUTUBEから学ぶことができたのですごく大きかったと思う」

この日は3人の活動を知る国立劇場おきなわとのコラボ企画琉球古典音楽の人間国宝 大湾清之(おおわん きよゆき)さんへのインタビューです。大湾さんは読谷村出身の76歳。実演のみならず後進の育成戦前に残された資料を元にした演奏の技法や研究などで知られます。

町田倫士さん「どうでしょうか?」

髙井賢太郎さん「入っています」

棚原健太さん「カメラはあるが二人で会話しているような感じで自然に触れればなと(大湾)顔を向けてもいいの?

髙井賢太郎さん「はい大丈夫です」

緊張の中始まったインタビュー。ですが大先輩の経験から生まれる言葉にメンバーは引き込まれていきます。

♯imagineおきなわ vol.33 芸能の魅力をSNSで発信「リュウカツチュウ」

大湾清之さん「立体的に声をとらえることによって全体にうねりが生まれてくるというか。一つの音をただ伸ばすのではなくその中にいろいろドラマがある。それを感じられるようになると一つの音をずっと伸ばしていることが苦しいという思いから伸ばしていて心地よいというところにだんだん変わってくる」

町田倫士さん「先生方からの芸談を聞くというものそうだし。稽古の中での教えは共有・共通財産というかそういったことも切り取って発信出来たらいいよねという(思い)」

勉強熱心。そして素晴らしいと感じたことはどんどんシェアしていきたいと語る3人。神奈川県出身の髙井さんは日体大出身。在学中に触れた琉球芸能に魅了され県立芸大の大学院に進学し琉舞の道へ進みました。

また浦添市出身の棚原さんは中学生の時エイサーの地謡にチャレンジした経験から歌三線へ。沖縄市出身の町田さんは三線は子どものころから親しんでいましたが優しく温かい音色に魅かれ箏をはじめました。

チャレンジ精神旺盛な3人の「リュウカツチュウ」に先輩たちもエールを送ります。

具志幸大さん「劇場もいろいろ鑑賞教室だったり学生向け(公演)そういう年齢のうちから芸能を見てもらう企画をやっているがYOUTUBEという身近なものを利用して。これをきっかけに親しんでくれる方が増えてくれるのではと思っている」

♯imagineおきなわ vol.33 芸能の魅力をSNSで発信「リュウカツチュウ」

友寄由奈さん「若いかわいい3人がみんな説明をしながら面白おかしく話をするのでとても身近に感じられると思う。若い人たちの力を持ってもっと前向きに頑張れるのではないかと見ていて感じる」

専業の実演家として琉球芸能に関わる人は多いとは言えませんが、芸事に専念できる環境づくりにも汗をかく「リュウカツチュウ」は招聘された芸術家が作品制作やワークショップを一定期間行なう「アーティスト・イン・レジデンス」で今年2月、岩手県宮古市に2週間滞在。琉球芸能を紹介しながら地元の神事芸能を継承する高校生たちと一緒に公演を行ないました。

またうちなーんちゅには新鮮な東北の冬、そして神事の紹介もしながらメンバーそれぞれの感動も伝えました。

町田倫士さん「伝統芸能でアーティスト・イン・レジデンスは珍しいとは言っていたが最終的にやってみると伝統芸能もマッチしているかもしれないと言っていて、人と通じて何かお互いの心を通わす瞬間があったというのがすごく僕にとっては充実した体験になった」

棚原健太さん「県外でもちょくちょく個人や3人でも仕事がコンスタントに入っていて芸の生業で生活しているが、もっと仕事として伝統芸能を続けていけたらと思うのと、これから出てくる後輩たちに道しるべとなるようなモデルを自分たちが示せたらなと思っている。それがいまの夢」

髙井賢太郎さん「例えば芝居や組踊という芸能としての魅力はもちろんあるが、伝統芸能が好きというよりは伝統芸能を通して関わる人が好きなんだということに(沖縄に来て)8年かけて気が付いた。これから先の人生も沖縄の伝統芸能と生きていきたい」

♯imagineおきなわ vol.33 芸能の魅力をSNSで発信「リュウカツチュウ」

沖縄の人が好き。芸能が好き。「リュウカツチュウ」はその真っ直ぐな思いを舞台からそしてSNSからも発信しています。

中村アナ「リポートの中でも触れた国立劇場おきなわで来月14日から行われる舞台「割符(ワイフ)」ではリュウカツチュウのメンバーは演技・演奏だけでなく舞台を分かりやすく説明する案内役もつとめます」

金城さん「そしてこちらは髙井賢太郎(たかい けんたろう)さんが代表をつとめる会社がつくった組踊フェイスパックです。舞台のため化粧する立場から美容と琉球芸能のPRのための商品もつくっています。リュウカツチュウの活動にご注目下さい」