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めざせ甲子園、きょうは美里高校です。かつては夏の県大会決勝まで進んだこともあるチームですが近年は部員不足に悩まされていました。

そんな中、たった一人になっても野球を続けてきた3年生が最後の夏を迎えます。新たに入ってきた後輩たちとともに力をつけ7年ぶりとなる夏の勝利を目指しています。

美里高校野球部。22人のメンバーで活動しています。去年秋の大会で2勝してベスト16。春の大会では初戦敗退もベスト4入りした豊見城を相手に健闘しました。

部員不足に悩まされ、近年は連合チームや他の部活動から助っ人を借りて大会に出ることもありましたが去年15人、今年6人と立て続けにメンバーが増えました。2年生を中心に、入学当初からの試合経験を糧に成長しています。

東江大二郎主将(2年)「自分たちは個人の力があるのではなく一人がミスしてもみんなでカバーし合えるチームになってきたかなと思っている」

仲榮眞嵐選手(2年 守りの要)「基本的にみんなが仲が良いのでチームとして団結力があると思う。(チーム力は)上がってきていると思う」

吉田圭助選手(2年 主軸打者)「他の学校にも言われるが楽しんで野球をするところが自分たちの良いところなので・・」

チームを育てているのは、赴任3年目の川上琢也監督です。実家が美里高校にほど近く、野球部の強かった時代を知る1人です。

美里「1人だけの3年生がつないだ夏」

川上琢也監督「かつて強かった美里高校をアピールしながらこれを復活させたい気持ちがあるということをしっかり伝えて1年生からすぐ4月から試合に出られるよと実際に彼らは入学式の翌日から試合に出ている子たちがほとんどなので。まずは試合に出て野球は楽しいと思わせること。そこから好きな野球を極めるためには厳しいこと苦しいこともやっていかないといけないよねということ」

1981年、1995年に夏の県大会準優勝と甲子園まであと一歩2013年にはベスト8まで進み、中部の実力校として知られた美里。2016年の1回戦突破を最後に夏は勝利から遠ざかってる中で部員も増え、7年ぶりの勝利へ向け活気も増しています。そんな今のチームの姿がある背景にはたった1人になっても野球を諦めなかったある部員の存在がありました

川上琢也監督「美里高校を支えてくれたのは本当に古謝がいなかったらそこで(部員)ゼロになっていたので支えてくれてありがとうと。だからこそ最後はいい形で終わらせたいので悔いを残さないように頑張っていこうということを声がけした」

メンバーでただ1人の3年生・古謝陽亮(ようすけ)くん。おととしの夏に当時の3年生が引退すると美里高校野球部は古謝君たった一人になりました。  

それでも近隣の高校の練習に交ぜてもらったりしながら監督と二人三脚で野球を続けてきました。

美里「1人だけの3年生がつないだ夏」

古謝陽亮副主将(3年)「1年生の時は自分一人で練習メニューが毎日同じで先生がいたらノックいなかったらティーバッティングという感じだったが。ちゃんとした練習メニューができるようになってとても後輩には感謝している」

古謝君が辞めなかったからこそ美里野球部は休部の危機を乗り越え今では部員も増えて試合も充実したトレーニングもできるようになりました。しかし一方で、入学当初から試合経験を積んだ伸び盛りの後輩たちの活躍で、古謝君自身は試合に出るチャンスが減り練習に足が向かなくなる時期もありました。

古謝陽亮副主将(3年)「試合に出たい気持ちはあるが自分としては休んでばかりいたらもっと出られなくなるなと思っていたが心弱くなって休みがちになっていたので・・」

そんな古謝君に対し、後輩たちは小学校や中学校からの気心知れた仲だからこその厳しさや思いがありました。

美里「1人だけの3年生がつないだ夏」

東江大二郎主将(2年)「(古謝さんに)「休んだら試合に出られないぞと」何回も注意した。先輩がいる中でキャプテンはやりづらかったがいろいろな面で(古謝さんの)サポートとか後輩のメンバーが先輩に対してできればいいなと思った」

仲榮眞嵐選手(2年 守りの要)「(古謝さんが)最後の夏なので先輩と長く野球をしたいのでみんなで1勝できれば良いと思う」

後輩たちの存在や叱咤激励の言葉によって、古謝君の中で、たった1人の先輩としてチームへの思いが再び強くなりました。

古謝陽亮副主将(3年)「自分だけ怖気づいて(練習に)来なかったら後輩の見本になれないと思ったので練習に頑張ってくるようにした。(今は)副キャプテンなのでキャプテンが困っているときなど、みんなをきびきび動かせるようなことをしていきたい」

東江大二郎主将(2年)「自分がいないときや(試合で)先頭バッターの時はベンチでチームをまとめて欲しい」

古謝陽亮副主将(3年)「分かりました!!」

1人になっても繋いだからこそ今も、美里野球部に新たな歴史が刻まれていく。学年を超えた「仲間」たちとともに最後の夏まで駆け抜けます!

吉田圭助選手(2年 主軸打者)「古謝先輩が最後なので自分は小学校から一緒なので。チームの目標としては秋の大会でベスト16だったのでベスト8以上を狙っていきたい」

古謝陽亮副主将(3年)「一番は自分が試合に出られるように頑張ってヒットも打ちたい悔いのない試合をしていきたい」

「全力プレーで頑張るぞ!!(全員)オー!!」

美里「1人だけの3年生がつないだ夏」