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自転車に乗るすべての人にヘルメット着用に努めることが求められるようになってから1ヵ月。街で見渡してもヘルメットをつけていない人が多くいてまだ浸透していない印象があります。きょうは進化を続ける最新のヘルメット、いざという時に備える自転車保険についてもお伝えします。

中村アナウンサー「自転車売り場の一角にあるヘルメットのコーナー子どもから大人用まで様々な商品を取り扱っています」

宜野湾市にあるスポーツ用品店ではヘルメット着用が努力義務化された4月以降、売り場を拡大しました。自転車に乗り始めた子ども用のものから玄人好みの2万円近いものまで10種類以上のヘルメットを揃えています。

ゼビオ宜野湾店堤裕太さん「安全面を考慮すると努力義務化になってみんなかぶっているしかぶらないとなみたいな心理を店に来るお客さんが言っている」「(ヘルメットを着用する人は)間違いなく増えてきている」

法改正が購買意欲を高めたのか売り上げは去年の同じ月と比べて4割ほど伸びたといいます。売れ筋は実用性を重視した商品でした。

●自転車用ヘルメット¥7,689円

頭にこもった熱を外に逃しやすい素材が使われているヘルメットは蒸れにくい上に軽いといった特徴があって人気を集めています。

●Bluetooth スピーカー付きヘルメット¥18,480

スマートフォンと連動した今どきの革新的なものもあります。ヘルメットの中にスピーカーが内臓されていて、イヤホンをつけずに音楽が聞けるだけでなくスマホを取り出すことなく通話もできます。利用者のニーズにあわせて時代とともに進化していました。

一方で自転車に乗る人の意識が法改正に追いついているかというと…。

自転車に乗っている女性「髪型とかをセットしている時だとちょっと嫌。義務化してくれたらみんなかぶるからいいかなって」

ヘルメットを被ることに抵抗のある人も多いようで習慣が変わるには少し時間がかかりそうです。

自転車ヘルメット着用努力義務から1ヵ月

これまで13歳以下の子どもにだけヘルメット着用に努めることが求められていましたが、先月からその対象が自転車に乗るすべての人に広がりました。背景には全国で自転車の死亡事故が多発する中、命を守ろうという狙いがあります。自転車は被害者だけでなく加害者にもなり得るということを覚えておく必要があります。

県サイクルスポーツ振興協会森豊「自転車も車両であるということを認識してもらう必要がある小学生だろうが自転車を運転している最中に人を傷つけてしまった場合には賠償責任が発生する。そういう意味では車両であるという認識を持つことが必要」

自転車に乗って相手や物を傷つけた時の補償をするために自転車保険があります。加入を義務または努力義務とする都道府県や自治体が増えています。ただ沖縄はそのどちらでもありません。

県サイクルスポーツ振興協会森豊さん「沖縄県の場合は大きな賠償責任が発生するような事故の数が全体的には少ないのかなと。(自転車保険の必要性を)認識をしていない県民行政も含めて認識をしているところが少ないのかなと思う」

高額な賠償金を支払わなければならない自転車事故は全国的に増えています。兵庫県神戸市では2013年に小学5年生の児童が乗った自転車にはねられて植物状態になったとして被害にあった女性の家族らが児童の母親に損害賠償を求める裁判を起こし、神戸地裁は「十分な指導をしていなかった」などとして9500万円の支払いを命じました。

自転車ヘルメット着用努力義務から1ヵ月

南風原町の自転車専門店ではヘルメットの販売とあわせて保険への加入に応じています。自動車の任意保険や火災保険などに自転車事故による補償がついていることもありますが、加入していない人などに勧めているのが”TSマーク”です。

年額700円で自転車の点検や整備が受けられ、最高1億円の賠償責任補償がついています。

沖縄輪業藤村隆雄さん「(来店した)子どもにも親は安全に家に帰ってくるまで心配なんだよということを伝えて事故を起こさないような乗り方をしなさいと伝えているその中で保険の話とかをしながら安全安心で乗れるような環境を作りたいと思っている」

自転車は免許がいらない車両です。ヘルメット着用に努めることが求められるようになった今、事故を起こしたり巻き込まれたりしないためにも節度ある乗り方を心がけることが重要です。