生後2カ月から5年半に渡って養育してきた女の子の里親委託が2022年1月に児童相談所から解除された問題で、那覇市に住む夫妻が沖縄県を相手に損害賠償を求める裁判を起こしました。
委託を解除された里親「まったく子どものことなんか考えていない。子どもが一番いい状態になるのが一番どこなのかっていうのをもっと本当に考えてほしいですね」
那覇市に住む50代の夫妻はまっすぐ前を見据え、しっかりとした足取りで裁判を起こす手続きをするため那覇地裁に入っていきました。
訴状などによりますと、那覇市に住む小橋川夫妻は2016年7月から5年半に渡って養育していた女の子の里親委託を、児童相談所が正当な理由もなく解除した一連の対応は違法で精神的な苦痛を受けたとして、児童相談所を管轄する沖縄県に合計300万円の損害賠償を求めています。
児童相談所は故意に里親に対する反発感情などを抱かせるような虚偽の事実を実母に伝えていたことや、夫妻の里親委託を解除するよう実母に仕向けたことなど、小橋川夫妻と女の子が引き離されるまでの対応は子どもの気持ちを考えない不当なものだと訴えています。
里親委託を解除された夫妻「まだ5歳という年齢で、親だと思っている私たちから引き離され、どれだけ会いたいと訴えても会わせてもらえない状況に、どんなに怖くて苦しい思いをしているのか考えると胸が張り裂けそうです。どうかこの子の声を聞き、私たちに会いたい、帰りたいと思う願いをかなえてあげてほしい。切に思います」
女の子は夫妻と別れて児童相談所に一時保護された後、別の里親のもとで過ごしています。
玉城知事「児童相談所と社会的養護を担う里親さんは連携して児童とその親の支援のための養育を行わなければならない関係にあったにもかかわらず、そのような関係を構築することができなかったことについては、県としては率直に反省をしております」
県青少年子ども家庭課は「訴状を確認してどこに問題があったのか精査する必要がある」とコメントしています。