ここ数年、沖縄で多くのネパールの人たちを見かけることが多くなりましたよね。そのような中、ネパールの人たちと地域住民の交流を図ろうと、那覇市でイベントが開かれました。同じ地域の一員として顔の見える関係をつくりたい。お互いの理解を深めることで地域と繋がる取り組みには、多様性を認め合うまちづくりのヒントがありました。
那覇市の若狭公民館で開かれた交流イベント、ネパールニューイヤー。ネパールの新年を祝うとともに交流を深めようと企画されたもので、地域の人や沖縄に暮らすネパールからきた留学生などおよそ200人が参加しました。
ネパールでは、西暦ではなくビグラム暦が用いられていて今年は、今月14日が2080年の1月1日にあたります。
参加したネパールの学生「あー、おもしろいです。」Qどんなことが?「日本の歌とネパールのサーランギおもしろいです」
Qどうでした?参加したネパールの学生インタ「お友達になれそう?はい。なりたいです」
沖縄ネパール友好協会 オジャ・ラックスマンさん「お互いでお互いのことを知り合う、そういう意味でとっても大切ですね。同じ地域で住むなかでそういう機会がなかなかないと、あまりお互いのこと わからないですよね。とっても大切なイベントです」
今月上旬。那覇市の若狭公民館では、運営ボランティアのメンバーが集まっていました。楽しく参加できるよう、それぞれがアイデアを持ち寄ってイベントを作りあげていきます。この日は、舞台の内容についての話し合いです。
提案するオジャさん「音楽を流しながら、ステージでいろんな民族衣装着ますので、その時には一緒に同じ曲で!(スタッフ オープニングステージを?すごい!)」
沖縄ネパール友好協会のオジャ・ラックスマンさん。顔を合わせて交流できる場をつくりたいと若狭公民館とともにイベントを企画しました。
沖縄ネパール友好協会 オジャ・ラックスマンさん「多様性がある。異文化共生がやれている。それは、実際できている若狭公民館だと私は思っています」
2018年に始まった交流イベントは、ことしで5年目を迎えました。多文化共生を目指した草の根活動は、少しずつ広がりを見せています。
立ち上げ当初から、活動をサポートしてきた若狭公民館の宮城館長は一人一人が同じ地域に暮らす一員としてできることを考えるきっかけになればと期待しています。
若狭公民館 館長・宮城潤さん「この地域にはたくさんの外国籍の方がいらっしゃる、ネパール人がいる。そういう状況が感覚的に理解していくことによって、つい無意識のうちに取りこぼしている人たちに対しての意識を向けることができるようになることがこのイベントの意義重要なポイントかなと思っています」
ネパール出身のオジャ・ラックスマンさん。10年前に空手留学のため沖縄を訪れました。現在は、那覇市の日本語学校で留学生の生活指導員として働いています。ネパールの学生たちから何かと頼りにされる存在で授業が終わると、彼のもとには学生たちが次々とやってきます。
オジャさんと話す学生「先生!(ネパール語で会話)」
オジャ・ラックスマンさん「一人でさびしく苦しまない、なんでも相談にのってあげる、それがとっても大事と思っていて、そのため、学生の声を悩み事とかもちゃんと聞いたりしています」
オジャさんは、同郷の留学生たちを支え、地域との懸け橋になりたいと奮闘してきました。それは、どうしたら地域に馴染めるのか、みんなが幸せに暮らせるのかと考えているからです。
オジャ・ラックスマンさん「同じ地域の一員だよという考えていろんな地域活動も一緒にやっていけば、もっと良くなると思います」「自分ができることを地域のために貢献していく、そういうことでお互いで楽しい生活が送れると思いますので、それがとても大事と思います」
放課後の教室では、間もなく迎える本番を前に学生たちが練習に励んでいました。民族舞踊をはじめ、エイサーなどを披露します。初めて参加する地域のイベント。学生たちは心待ちにしているようです。
ネパール出身の留学生 アビナス・プラタプさん「ちょっと緊張しています」
ネパール出身の留学生 ドゥンゲルユバラズさん「一番楽しみなことは、日本人と文化の交換のことです。ダンスとかよりも一番大事なのは、文化のことだと思います」
ネパール出身の留学生 タマン・プラサントさん「新しい人と会って話をして、将来にいろんなイベントに参加することができると思います」
そして迎えたイベント当日。3年ぶりに対面での開催となり、この日学生たちは歌や踊りを披露しました。また、イベントを盛り上げようと、旗頭の担い手たちも奮起して、地域に元気を届けます。
クイズに参加する様子「2番、2番。(違う違う)7番?」さらに、ネパール人と日本人がチームを組んで、ネパールの雑学問題に挑戦したりと、参加した人たちは、楽しみながら交流を深めました。
参加した人(旗頭の方)「やっぱり僕たちからネパールの人たちにね、交流していくってことも重要じゃないかなと思っています。今回、この機会を通して、もっと地域に住んでいるネパールの人たちと交流はぜひ、続けていきたいと思っています」
沖縄ネパール友好協会 オジャ・ラックスマンさん「身近にたくさんの外国人の方が住んでいるんですね、そのなかで、この方々どこから来たのか、どういうことしているのか、それをわかるのも大切だし」「そういう感じで顔が見える関係性を作れたら大事だと思います。これからもこういうイベントを通じて、関係性をもっと深く長く続けたいと思います」
地域で支え合い賑わいを生む交流イベント「ネパールニューイヤー」人と人とをつなぐ取り組みは、これからも続きます。
互いの先入観をやわらげ、人として向き合うことが大切。沖縄の「イチャリバチョーデー」の精神はネパールと似ているそうで、困っている人いれば進んで助ける優しさが沖縄の魅力だと話していたオジャさん。これからもできる限り、地域の交流の場に顔を出してネパールと沖縄をつないでいきたいということです。