※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。
追跡エモリ 調べてみたら「少年院」

続いては追跡エモリのコーナーです。今回、榎森さんは「沖縄少年院」を取材しました。現在、この少年院には、非行を犯した14歳から17歳の少年、およそ20名が収容されています。社会復帰を目指すため、どのような矯正教育が行われているのでしょうか?

追跡エモリ 調べてみたら?!今回は糸満市にある「沖縄少年院」にやってきました。非行を犯して、家庭裁判所の審判を受けた少年たちが収容されています社会に改めて復帰するために、施設の中ではどのようなことが、行われているのでしょうか?今回、案内していただくのは、法務教官の矢次さんです。

榎森「どんな人が収容されている?」矢次「家庭裁判所で少年院送致決定を受けた14歳から20歳の在院者が在籍している」

榎森「最近、増えてきた事案は?」矢次「昨年の統計を見ると特殊詐欺。大麻取締法違反が増加傾向にある。」

少年院は年齢や心身の状況、非行傾向などを基準に5種類に分けられています。沖縄少年院は、第1種と、第5種に相当する少年が収容されています。

追跡エモリ 調べてみたら「少年院」

午前9時。朝礼のため、在院者が寮から出てきました。現在、14歳から20歳までの少年、17人が収容されています。

前に習え!!なおれ

榎森「本当に軍隊みたいですね。規律がすごいですね。ここまで徹底することが更生につながるんでしょうね」

矢次「在院者の点呼を行いました。各寮で集まって点呼をしてこの後、職業指導や教科指導に分かれて日課が始まる」「一列でお願いします」

こちらは、企画から販売までを目的とした農業指導です。

榎森「見た感じ、教官が何名かいますが、何名かでやっている?」

矢次「複数名、配置で行っている。1人は指導しますが、あとの2人は何かあったときに駆け付けられるように、こちらは3名配置で行っている」

追跡エモリ 調べてみたら「少年院」

この日は、ニラ、玉ねぎ、人参の収穫作業が行われていました。収穫された野菜は、少年たちの食事に使用されるほか、一般向けにも販売もされるということです。そんな職業指導なんですが、農業以外に、溶接を学ぶコースや陶芸体験のプログラムも用意されています。

陶芸の先生「ちょっと力を入れてやっていいんだよ。これぐらい・・そうそう」

榎森「作ってきたものっていうことですか?成果が・・成長が如実に見られますね。素晴らしい」

榎森「どんな気持ちで作業に取り組んでいる?」少年「お母さんが陶芸が好きなのでやってみたいと言っていたので、自分が覚えて教えてあげようかなと」

玉井「出来上がったものは母親に見せたい?」少年「はい。あるんですが持って帰ったらダメなので」榎森「そうなんだ。そこは何とかなりませんかね。何とかしてあげたい気持ちになる」

少年院の役割は「矯正教育」と「社会復帰支援」。その一環で行われているのが「職業指導」で、「勤労意欲」を高め、知識と技能を身に付けることを目的に行われているのです。

矢次「こちらは広いですね。4人で生活する部屋です」

追跡エモリ 調べてみたら「少年院」

少年院の基準となる教育期間は11ヶ月ですが、家庭裁判所の以降を踏まえ、柔軟に対応しているとのこと。中での生活は段階別になっていて成績によって進級していくシステム。3級。2級。1級と進級していき、最終的に出院という流れです。

こちらは現在、1級クラスの少年です。

榎森「こちらに入る切っ掛けは?」少年「大麻所持でここに入ってきました」少年「始めのキッカケは先輩が大麻を吸っていてそこから大麻にのめり込んでいって週5,6回とか多いときでは毎日、吸っていました」

沖縄の大麻摘発はここ10年で7倍以上に増えていて、去年は過去最多の173人。摘発者の多くは、10代20代の若年層なのです。

少年「Twitterで蔓延していた。引っかかる検索の単語を載せている売人がいるので、そこに検索ワードが引っかかるようなワードを打って匿名性が高いテレグラムというアプリでやり取りして購入」

玉井「16歳だとあまりお金がないと思うがそのあたりは どうしていた?」少年「自分も売る立場になっていった大麻をちょっと多く買って自分が吸う分と売る分を分けて知らない人に売ったりしてその利益で自分の吸う分も売る分も買っていました」

こちらは薬物非行防止指導の授業です。

追跡エモリ 調べてみたら「少年院」

少年「ドライブの時間が1人だと危ないなと思います。寂しい・・・やっぱロンリーちょっと出てくるかもしれない」

坂口教官「ドライブの時とかそういう時には少し寂しい気持ちになってちょっと(大麻を)使ってしまうかもしれない」

坂口教官「薬物の場合は依存症になると回復はしない。いかにして薬物を絶ち続けるかその方法を、それを一緒に考えていく」

玉井「出院したら何をしたい?」少年「北部の海の近いホテルで家族と過ごしたい。非行をしているときは大麻を使っているのがバレたくないというのがあって親を避けたりしていたので、出院してからは家族との時間を大切にしたい。お出かけしたいです」

知念教官「少年院である程度力をつけて帰っていっても以前の友達関係を切ったほうがいいじゃないかとか、親子関係が悪ければそういう人たちの関係を作り直したほうがいいじゃないかとか指導しますが簡単じゃない。友達関係を切りました。この子はどうするんですかということですね。新しい友達関係も作れない。結局この子の居場所がない。この子の居場所をどうするか、ということですね。そういうところを社会が考えていくのが大切」

追跡エモリ 調べてみたら「少年院」

榎森「先輩に誘われて断れなかったとか、ちょっとしたことがキッカケで非行に走ってしまうことは僕自信もきっと可能性があったと思う。立ち直ろう。社会に復帰しようと頑張っている人やそれを叶えさせてあげようと頑張っている人がいる中、偏見で居場所や出番を我々側から奪うことがあってはよくない」

少年院に入ってくる少年の数は年々減少してきている一方でやはり再犯率は高い。そこで沖縄少年院では、出院した少年に対して「相談制度」を導入しているということです。社会生活を営む上で、困難に直面した際に、指導した職員が、悩みなどの相談に応じています。そうすることで再犯や再非行を防ぐ狙いがある。