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きょうは県内各地で卒業式が行われましたが県立知念高校では、在校生から卒業生にあるサプライズプレゼントが贈られました。およそ200人が2時間以上かけて作り上げたそのプレゼントとは?

3年間の学校生活を終え知念高校では78期生313人が門出の日を迎えました。卒業式の後、在校生らが作る花道を通って授業や部活で汗を流したグラウンドを1周しました。その花道を抜けた先に待っていたのは…。

卒業生にサプライズのサンドアート

「卒業式前日」

加原美和先生「皆さんが知念高校として初の試みをやってもらいます。聞いている生徒の表情に被せて今回ですねグラウンドアート、文字を砂の色、石灰、チョークの粉を使って作成したいと思います」

きのうの放課後、卒業生へのサプライズプレゼントとして始まったのは砂などを使って文字を描くグラウンドアートの制作です。

発起人である体育教師の加原先生が部活生を中心に有志を募ったところ、200人を超える生徒が集まりました。

加原美和先生「今回の卒業生がコロナ禍で3年間行事も無くて部活動の制限も多く何か最後にできることはないかなということで子どもたちがすごい乗り気で今回このサンドアートが実現できたのが本当にうれしく思います。子どもたちが最後知念高校を卒業して良かったなと感じてくれれば本当にうれしいです」

卒業生にサプライズのサンドアート

その作業工程を見てみるとまずは「字が上手」という理由で抜擢された生徒がグラウンド整備に使うトンボ(レーキ)で文字の下書きを書いていきます。

文字の下書きを担当 1年生「難しいです。3年生に思いを込めて書きました」

次に下書きに沿って、黒土を入れこんでいきます。そのやり方は2年生の山城さんが教えてくれました。

山城悠輔さん「整備をするように手でならしてその後固めていきます。固めることによって粗さがなくなり文字がきれいに立体化されます。こういう感じで…OKです」

有志で集まっただけあって積極的に取り組む生徒が多く開始20分ほどでアルファベット「CHINEN」の文字が浮かび上がってきました。

続いて文字を立体的に見せるため石灰を使って影をつけていきます。

中にはとっても細かいところまでこだわる生徒も。

2年生「(曲がっているのが)めっちゃ気になります。できるだけ真っ直ぐにしようと思って。自分が入学してきた時はよくわからないことがあったりしたから(先輩たちが)教えてくれて感謝しています」

一方、文字以外には桜の花びらを描いていきます。

卒業生にサプライズのサンドアート

ピンク色の砂はないので代わりにチョークを自分たちで削るところから始めていました。

2年生「(Q.3年生にはどんな卒業式の日にしてほしい?)最高の1日にしてほしいです」

2年生「(出来は)最高だと思います。知念高校でよかったと思えるように卒業してほしいです」

コロナ禍の影響で卒業生だけでなく、1・2年生も大勢で揃って何かに取り組むこと自体がこれまでなかなかできなかった経験でもあります。

作業が進むにつれて、もとの設計図にはなかったアイディアなども出始めグラウンドアートの制作は2時間半ほどにも及びました。あとは卒業生を待つのみです。

花道を抜け、グラウンドへと集まってきた卒業生たち。同級生らとアートをバックに写真を撮る姿が多く見られました。

卒業生「とても感動しました。きれいでした。すごっ!って感じです。感動しました」

卒業生にサプライズのサンドアート

卒業生たちを喜ばせたグラウンドアート。完成形はこちらです。

78期生に向けた「78」に大きな「卒業」の文字。存在感のあるピンク色の桜と立派なアートが出来上がっていました。

卒業生「きょうの朝気付いたら運動場にこんな感じで描かれていたのでうわぁと思って(後輩たちは)天才ですねみんな可愛いしかっこいいし最高の学校だなって思いました」

2年生「とても喜んでくれていたので良かったと思います。とにかくすごいとありがとうと感謝を言われてうれしかったです」

グラウンドにはっきりと浮かび上がった後輩たちの思いは高校生活の思い出のひとつとして卒業生たちの胸にしっかりと刻まれたようでした。