沖縄の観光を盛り上げようと奮闘する人たちがいます。各自治体の魅力をはじめ、泡盛やリゾートウエディングといった産業をPRする役目を担った親善大使が県内にはたくさんいることもあり、「伝える技術を磨く研修」が行われています。
多くの人に親しまれる存在になることを目標に、宮古島から参加した一人の女性に密着しました。
ミス宮古島ティダ・山里穂乃花さん「島民の方々に愛され親しまれるような、島民の孫のような存在になりたいと思います」
今月8日、那覇市で地域の魅力を発信する力の強化を目的に各地の親善大使、いわゆる「キャンペーンレディ」を集めた研修会が行われました。
OCVB 広報 ミス沖縄事務局・志伊良早紀さん「今回の研修は教養であったり経験を積むという意味で企画させていただきました。地域の魅力を発信する立役者として、どんどんスキルアップを図ってほしいと思う」
PRスキル向上研修は年に数回行われていて、今回は3日間に渡って実施されました。観光に関連する知識を身に着けるだけでなく、地域や団体のシンボルとしての教養も深めます。
沖縄観光全体をPRするミス沖縄をはじめ、県内5つの市町村、2つの機関から延べ42人が参加しました。その中でひと際「笑顔」が目を引く、1人の女性の姿がありました。
ミス宮古島ティダ・山里穂乃花さん「第48代ミス宮古島ティダ・山里穂乃花と申します。宮古島にはない伝統だったり、そういう気付きとか。きょうもいろいろ話を聞けたらなと思います」
宮古島から参加している、山里穂乃花さんです。
山里穂乃花さん「(Q:普段、山里さんは何をされていますか?)普段のお仕事はレンタカー(会社)で働きながら、ミス宮古島の仕事をさせていただいております」
実は勤め先の「レンタカー会社」で観光客と接してきたことが、ミス宮古島を意識するきっかけになったといいます。
ミス宮古島ティダ・山里穂乃花さん「島外の人が観光で来島されたときに一番最初にお会いするのが私たちレンタカースタッフなのかなと思いました。そこで宮古島の魅力、様々な食べ物だったり景色だったりを勉強して、PR、届けることができたらなと思ったので、ミス宮古島に応募しました」
山里さんは応募するも、一度は最終審査で落選しました。しかし諦めきれず、その翌年再チャレンジします。
ミス宮古島ティダ・山里穂乃花さん「自分の生まれ育った島のことだったり、沖縄県全体のことであっても力になれたらなという思いがすごい強くなってきた」
エントリーシートからはみだすほどの熱意を武器に、山里さんは去年、狭き門を見事突破し、第48代ミス宮古島に選ばれたのです!そんな向上心の塊のような山里さんは普段どんな人なのでしょうか。
ミス宮古島サンゴ・小林千紘さん「天然というか、ちょっと抜けてるかわいらしいところがあります。多良間島に行ったときに満天の星空を見て、365度満天の星空ですね!って。(それ聞いて)みんな笑いこらえながら…。笑顔で接してくれて、明るくさせてくれるのはすごく助けられている、支えられていると感じる部分ではあります」
17人が参加した、研修2日目のこの日は、それぞれの地域や活動の紹介、講話を通し改めて地域の持つ魅力や課題を学びます。
OCVB 下地会長「観光が地域経済に占める割合がこんなに大きいんだというのが、この資料からすぐ理解できる」
研修を通し地域間のつながりを深めることで、県全体の連携を強めることもねらいの一つです。
午後は参加者によるプレゼンテーションです。15分間で地域の魅力や普段の活動を紹介します。各地域、最後の最後までPRする内容の確認を怠ることなく本番に挑んでいました。
ミス宮古島ティダ・山里穂乃花さん「それぞれ結構まとめてきてるので、ちゃんと伝わるのかなって。宮古島をPRできるようにがんばります」
いよいよ山里さんたちの出番です!
ミス宮古島「下の行事が恒例行事、なりやまあやぐ祭り。『なりやまあやぐ』という民謡わかりますか?わからないんですか?なりやまあやぐという曲を何人かがエントリーして、朝、昼から夜まで、その曲だけ交換で歌って、その順位を付ける大会なんですけど」
その後もミス宮古の二人は、特に伝えたい魅力に焦点を絞りPRを展開します。「たんでぃがーたんでぃ。ありがとうございました」
終始笑顔を貫き、滞りなく制限時間の15分を喋り切ることができました。
ミス沖縄OG(OCVB ミス沖縄事務局)幸喜若菜さん「みなさんは観光、県産品、文化、歴史を紹介しますよね。聞き手に楽しんでもらいたいんですよ。その人たちに楽しんでもらえるようなスピーチ、笑顔にできるようなスピーチを目指していただけたらなと思いました」
研修が終わっても山里さんは、学びの姿勢を崩しません。自らアドバイスを求めに行きました。
ミス沖縄OG(OCVB ミス沖縄事務局)幸喜若菜さん「例えば下地島のパンフレットとっていたなとわかった場合は、ちょっと島地島のPRをしてみようとか。そういう風に聞き手に合ったスピーチや宮古島の紹介をしていくのはとてもいいんじゃないかなと思う。1番良かったのはマスクして今公務しますか?笑顔がすごくできていたので、みなさんマスクしてしまうと、口は笑っているんですけど目が笑っていない人が結構多いんですよ。でもお二人目が笑っていたので、なんかとっても温かみが感じられた」
ミス宮古島ティダ・山里穂乃花さん「笑顔がとてもいいって。マスク越しでも伝わってくれるとおっしゃっていたので、良いところは伸ばしていきたいと思うし、逆に聞き手にあったスピーチ、それも自分のものにして、臨機応変にスピード力を大事にしていきたいなと思いました」
表情を褒められた一方、場に合った臨機応変な発信が課題だと指摘を受け、自分の良さ、足りない点に気付いた山里さんの今後の目標は…
ミス宮古島ティダ・山里穂乃花さん「島民に寄り添いながら、島民の声も聴きながら、島民に愛され親しまれるような、島民の孫のような存在になりたいと思います」
太陽のような明るい笑顔と熱い思いを力に変えて、山里さんはきょうも愛する島の魅力を届けるべく挑み続けます。