2月17日、沖縄防衛局などが石垣市を訪れ、市長に対して工事が進む自衛隊駐屯地について「2023年3月中旬に開設する予定」と説明しました。
2月17日午前、沖縄防衛局と自衛隊の関係者らが石垣市役所を訪れ、中山市長に対して平得大俣地区で工事が進んでいる陸上自衛隊の駐屯地について、「2023年3月中旬に開設する予定」だと伝えました。
沖縄防衛局・濱和彦企画部長は「石垣市平得大俣におきまして進めて参りました、駐屯地の施設整備につきましては、部隊配備に必要な隊庁舎、車両整備場、厚生施設、火薬庫などの必要な施設整備が整うことから、来月中旬ごろに石垣駐屯地を開設する予定としてございます」と述べました。
防衛局によりますと駐屯地には、警備部隊のほか高射部隊と、地対艦ミサイル部隊など、およそ570人を配置する予定だとしています。
また、開設に向けて弾薬などの装備品を含め、およそ200台の自衛隊車両が搬入される予定で、中山市長は、市民生活に支障が出ないように求めたということです。
石垣市の中山義隆市長は「車両も数が多いですし、人員も570名と大人数となりますので、搬入等において市民生活に支障がないように、交通の渋滞など、支障が出ないように出来る限りの配慮をしてほしいという要望をさせてもらいました」と述べました。
これに対し防衛局は、「市民に影響が生じないよう必要な措置を講じる」と述べました。
石垣駐屯地開設の経緯
石垣島における陸上自衛隊駐屯地の配備をめぐってこれまでの経緯をまとめました。はじまりは2015年。当時の若宮防衛副大臣が石垣市役所を訪れ、中山市長に対して、陸自配備計画の受け入れを正式に要請しました。それからおよそ3年度後の2018年、中山市長が自衛隊の受け入れを表明したのです。
表明からわずか8カ月後の2019年3月、石垣市平得大俣地区で、工事が始まりました。石垣島への陸自配備をめぐっては、住民に対する説明会が行われたほか、配備計画の賛否を問う住民投票の実施をしようと市民団体などが活動を行っていましたが、住民投票は行われることなく工事は進み、来月、駐屯地が開設されることとなりました。
浜田防衛大臣は石垣島の配備について「抑止力を高めることで、国民の安全に繋がる」とその意義を強調しました。
浜田精一防衛大臣「(石垣島への陸自配備は)島しょ部を含む南西地域への攻撃に対する抑止力、対処力を高めることで我が国への攻撃の可能性を低下させるものであり、我が国、国民の安全に繋がるものであります」
国が進める南西諸島への自衛隊配備の強化、いわゆる「南西シフト」により、2016年に与那国島、2019年に宮古島、鹿児島県の奄美大島に続き、石垣島に新たな自衛隊の基地が開設されます。