玉城アナ「琉球の貴重な動植物を紹介する「リュウキュウの自然」です。案内は動物写真家の湊和雄さんです。よろしくお願いします」
湊和雄さん「よろしくお願いします」
玉城アナ「今回のテーマはこちら「越冬の季節」です。ここ数日で、グンと寒くなってきましたね!」
湊和雄さん「本土のような本格的な冷え込みはないものの、亜熱帯沖縄も次第に肌寒さを感じる日が増えてきました。昆虫たちも越冬体制を見せる種類も出てきましたよ。今回はやんばるではなく、沖縄本島中部での撮影です」
玉城アナ「昆虫の冬支度、気になりますね。さっそくVTRをご覧ください!」
湊和雄さん「これは2021年1月の撮影。ナナホシキンカメムシは秋から冬にかけて、植物の葉の裏に成虫が集団を作ります」
湊和雄さん「これは先週から今週の撮影。先程の映像は低い場所に大きな集団を作っていたので目立ちましたが、今年は高い所に小さな集団で、あまり目立ちません」
玉城アナ「葉っぱが重そうに揺れていますね」
湊和雄さん「沖縄の冬といえば、天気が悪く北風が強いもので、撮影も苦労します。そこで、10倍スロー撮影したのが、この映像。これならば、少しアップにしても、細かい部分も見えますね」
玉城アナ「はい。はっきりと。こちらは緑が輝いていますね!」
湊和雄さん「ナナホシキンカメムシの撮影で困るのは天気が悪く暗いと、なかなか本当の色が出ないことです。全体はメタリックグリーンですが、脚には赤い部分とコバルト色の部分があるのです」
玉城アナ「こうやってみると脚の赤い部分やコバルト色も分かりますね」
湊和雄さん「1枚の葉には10匹程度ですが、隣り合った葉にも集団はいるので、全体では数100匹の規模になるでしょう」
玉城アナ「寄り添って越冬するんですね。でも、見上げて集団を見つけるとびっくりしそうです」
湊和雄さん「苦手な人はそうかもしれないですね。続いて驚いたことに、同じ場所に別の種類のカメムシの集団もいました。こちらはアカギカメムシ。ナナホシキンカメムシと並んで、成虫が集団を作る大型カメムシとして知られています」
玉城アナ「カメムシに人気の木なんですね!」
湊和雄さん「ナナホシキンカメムシとの大きな違いは、越冬集団ではないこと」
玉城アナ「これは越冬のためではないんですね」
湊和雄さん「はい、今頃の季節になると集団が分散し、その後は単独で越冬するのです。もうその段階に近づいているのでしょう。単独のものも見られました」
玉城アナ「一匹で越冬するのは何だか寂しい気もしますね」
湊和雄さん「そして例年、やはりこの同じ場所で越冬集団が見られるのが、リュウキュウアサギマダラです。これも2021年1月の撮影。枯れ枝にリュウキュウアサギマダラが10匹ほど とまっていますね。時には100匹ほどの集団になることもあります」
玉城アナ「100匹は凄いですね!」
湊和雄さん「しかし現在は、枯れ枝にとまっている姿は見かけるものの、まだあちらこちらに分散している状態です。これは、まだ本格的な冷え込みがないことが原因でしょう。これから次第に一箇所に集まるはずです」
玉城アナ「今週から寒くなっているので集まっているかもしれないですね」
湊和雄さん「どれくらいの数になるか楽しみですね」
玉城アナ「昆虫たちも寄り添って寒さに耐えているんですね!」
湊和雄さん「そうですね」
玉城アナ「リュウキュウの自然、今日が今年最後の放送となりました。1年ありがとうございました。今年も湊さんからプレゼントがあるんですよね?」
湊和雄さん「はい、私が撮影・構成した2023年のカレンダー『世界自然遺産やんばる』を5名様にプレゼント致します」
玉城アナ「QABホームページからご応募ください。締め切りは来週の水曜日までとなっております。たくさんのご応募お待ちしています。湊さん、今回も貴重な映像ありがとうございました。以上、リュウキュウの自然でした」