「6662」この数字、何だか分かりますか?実はこれ、県内でおととし1年間に駆除されたハブの数なんです。特に名護市はこのうちの17%ほどを占めていて住民の被害を少なくしようと市の職員が日々奔走していました。
網で仕切られたプラスチックの箱の中から出てきたのは、激しく動く鋭い目つきのハブ。専用のトングでつまんで取り出し、動きを鈍らせるため、中が冷やされた容器に入れます。名護市では、市民が被害に遭わないよう街中からハブを駆除する活動を続けています。
名護市環境衛生課 平安山英一さん「ねずみが生活するスペースに、えさ入れて水入れてこっちにハブが入ってきたら出られないようになっているので」
ハブトラップとも言える捕獲器には、逃がさないための仕切りが設けられています。市に問い合わせることでわなを仕掛けてもらうことができます。
「ないなー」
2人がペアになり、午前と午後いずれも2班体制で平日に毎日巡回します。市内には800基あり、一通り確認するまで2週間かかると言います。ハブがいなくても、えさとなるおとりのねずみが弱っていたらふたを開けて交換します。
ハブに咬まれると、牙から出てくる強い毒によって患部が激しく痛み、大きく腫れるといった症状が出ます。最悪の場合、壊死や機能障害も引き起こす例もあります。
県がまとめた過去10年のハブ被害を見てみると、当初は100件近くあったものが、徐々に減って近年は50件前後で推移しています。しかし、ことしは1月から9月までの9カ月間ですでに49件となっています。
どんな場面で咬まれるのかというと、大半を占めていたのが農作業や草刈りといった畑や茂みに入った時でした。他にも車から降りた時や歩行中、時には路上寝で被害に遭うケースもありました。
「梅雨時と11月は多いよ」
捕獲される数は、季節や気象条件によって大きく変わり、多い時では1日に10匹を超えることもあります。特に夏に産卵した卵がふ化し、農作業などでの畑の出入りが多くなる9月から11月は「ハブ咬症防止運動」を実施して注意を呼びかけています。捕まえたハブは、しばらく冷凍庫で保管された後、処分業者に引き取られます。
名護市環境衛生課 平安山英一さん「基本的に沖縄にいるハブは年中出回っているので、これから暗くなる時間も早くなってくるので夜間や早朝のウォーキングの時は草むらや茂みに行かないように心掛けてもらいたい」
ハブ被害への注意を呼びかける期間はあすまでですが、沖縄のハブは冬眠しません。そのため、今後も警戒を緩めてはいけません。