辺野古新基地建設をめぐり沖縄防衛局が申請した設計変更について、県が不承認とした処分を取り消した国土交通大臣の裁決を不服として、県は先週、国を相手に新たな訴訟を起こしました。
ここからは取材を続けている町記者とお伝えします。町さん、設計変更をめぐる県と国の裁判は、今回で何件目となるのでしょうか?
町記者「今回、設計変更の不承認処分を巡る県と国の訴訟は、これで3件目となりました」
まずは、これまでの経緯を振り返ります。こちらのモニターをご覧ください。
「設計変更」を巡る県と国の動き
20年04月 防衛局が県に設計変更を申請
21年11月 県が不承認処分を下す
22年04月 国交大臣が不承認処分を取り消す裁決
設計変更を承認するよう是正指示
県はその後、取り消しの裁決と是正の指示をめぐって国地方係争処理委員会に不服の申し出を行っていますが、委員会の結論は、県の申し出を全て退ける判断をしていますよね。
町記者「そのため、県は対抗措置として、国を相手に訴訟を提起している状況になります」
こちらが不承認処分を巡って、県が提起した訴訟のまとめになります。
「不承認」を巡って県が提起した訴訟まとめ
2022年8月12日 県⇒国交大臣
国交大臣が行った不承認取り消し裁決の取り消しを求める
2022年8月24日 県⇒国交大臣
国交大臣が承認するよう行った是正の指示の取り消しを求める
2022年9月30日 県⇒国
国交大臣が行った不承認取り消し裁決の取り消しを求める
一見すると同じことを求めているようにも感じますが?
町記者「1件目と2件目の訴訟については、いずれも地方自治法に基づき、違法な国の関与を取り消すよう求める、関与取消訴訟と呼ばれるものです」
「一方で、今回新たに提起した訴訟については、行政事件訴訟法に基づいていて、国交大臣が行った不承認の取消裁決に対して、県が不服だとして、その取り消しを求める、抗告訴訟となります。」
それぞれの訴訟で、拠り所となる法律が違うということですね。
町記者「今回の訴訟の提起について玉城知事は」
玉城知事「辺野古新基地建設の是非が明確な争点であった今回の県知事選で、「辺野古に基地は造らせない」の公約をかがけて当選し、県民の負託を受けた。改めて不承認処分の正当性を主張し、国交大臣の裁決は違法であると訴えていく」
「としています」
町記者「玉城県政の2期目が先週からスタートしたということもあり、改めて「辺野古に新基地を造らせない」という知事の意思表示とも受けれます」
辺野古新基地建設をめぐる県と国の争いは今後、司法の場において、審判が下されることになります。