海に面し、大地震による津波の被害が想定されていることから、積極的に防災活動に取り組んでいる北谷町美浜区自治会では防災マップを2年ぶりに更新して住民やホテルなどに配布しました。
どういった内容になっているのでしょうか?
真新しい防災マップがホテルの総支配人に直接手渡されました。北谷町美浜区の自治会が2年ぶりに更新したものです。
ベッセルホテルカンパーナ沖縄 奥野悦子総支配人「数カ月前にも津波警報が出たことがあったので、その時すぐに手元にこういうものがあって更新月が新しいとスタッフにも住民の方にも安心していただけるのですごく助かります」
1300部作られた美浜区の「新・防災マップ」は地域住民だけでなく観光客や他の地域から来た人にも活用してもらえるよう学校や商業移設にも配られました。
岡村悦子自治会長「きょうちょうど公民館に区民の方が来ていたけど、家に貼っているよというのをお話していましたね。ということは自分事として少し考えてくれているのかなと思う。配られてありがとうという話もありましたし。とても喜んでいる様子がありましたね」
防災マップには津波一時避難施設やAED、車いすが常備されている施設が網羅されています。新しい防災マップの変更点は4つです。新しくできたホテルや建て替えられた建物を反映させました。確実に避難できるようにするため、地図として最新の情報に更新されています。
2つ目と3つ目は、既存のホテル2カ所でAEDと車いすが常備されていることが新たに確認できたことです。最後に、災害が起きて携帯電話がつながらなくなった時の連絡手段として重要な役割を果たす「公衆電話」の場所がわかるようにしました。マップの中には12カ所表示されています。
レク―沖縄北谷スパ&リゾート 西村孝俊総支配人「このマップがあることで万が一津波が起こった際に私たちがどこに避難すればよいのか、一番近いところはどこかがすぐにわかってお客様に案内できるので良いマップだなと思うのでこれからもこれを活用していきたいと思っている」
2年ぶりの防災マップ更新に向けて美浜区自治会では5カ月前に「防災さんぽ」を行って建物が変わった場所を把握しながらAEDや車いすなどの設備がどこに、どれだけ、備えられているのか調べ直しました。
実際に目で見て確認できた情報などを集約してできたのが今回の「新・防災マップ」です。
岡村悦子自治会長「2年前にあった商店とか、事業所がなくなっているところもある。(美浜区は)変わるのが早くて変化が多いのでそういったことも踏まえながら、ちょっと改訂版を作っていこうという風になって自主防災組織のメンバーと進めていったところ」
環境や建築などの分野で活躍できるスペシャリストの育成を目指す専門学校では防災マップを意外なことに使っていました。
サイテクカレッジ那覇・美浜 中村昌宏理事長「防災に関する教育を学校でやっていて」「防災の日に合わせて防災訓練、授業の中で取り扱う。そういったときは資料として学生に配布してみんなで確認している」
将来、防波堤の築造や河川の改修など防災に関する建築工事や環境調査に携わる学生に向けた授業に防災マップを利用していました。
Q.今後はこれを貼りかえる?A.「そうですね、これを貼りかえて活用できればと思います」
本島中部では、沖縄本島沿岸で大地震が起きた場合、最大で(高さ)6mの津波が発生すると予想されています。
特に、西海岸の海に面して、3000人の人口を有する北谷町美浜区は海抜が5m以下となっているところが多いため津波対策の構築は大きな課題(の1つ)です。
防災マップの作成は今回で2回目です。
姉崎昭義さん「公的なところにAEDを置いているところが少ないんだよね。でもよくできてるよこれ。あとさ備品をどこに置いているかの表示があるといいなと思った。例えば何かしらの道具が置いてあるとか、お水がストックしてあるとか。それが例えば学校とかどこかに置いてあるというのがあると何かの時にみんなに配れるかなというのがあるかなと、でもよくできてる」
眞喜志ほずみさん「逆に私たちの気づかないところをいろいろ指摘してもらってすごくよかったと思う。まだまだ勉強不足だなと感じて、もうちょっと勉強しなきゃと」
地域には6人の防災士がいて、今年度も2人が資格取得に向けて勉強するなど、美浜区は高い防災意識を持ち続けています。せっかく新しくなった防災マップは一度確認しておくことで本当に必要になった時に有効に使えるようになるといいます。
岡村悦子自治会長「基本的にこのマップは災害になった時には誰もみません。災害がある前に津波とか地震とかはいつか来るのではなくて必ず来るという思いで、いつも家族で見てもらう。それから常に確認できるところに置いて災害が起きる前に見てほしいと思っている」
命をつなぐ防災マップと自治会の積極的な活動が住民や観光客の安心につながっています。