県知事選の告示まできょうで1カ月。4年前と同じ構図で予想された選挙戦が一変、元衆院議員の出馬表明で、三つ巴の様相になっています。それぞれの動きをまとめました。
大激戦となった参院選から2週間。県内はきょうで告示まで1カ月となった県知事選ムードが高まりつつあります。
候補者選考委員会「全会一致で佐喜眞淳さんと決定いたしました。」
5月、県政奪還を目指す自民党県連は経済界などと構成した選考委員会で県知事選の予定候補者に前の宜野湾市長、佐喜眞淳さんの擁立を決定。
前回2018年の知事選にも立候補した佐喜眞さん。4年間の浪人期間を経ての再挑戦となります。
佐喜眞淳氏(5月28日 県知事選候補者選考会)「新型コロナの感染拡大により大きなダメージを受けた沖縄の経済や県民の暮らしをしっかりと光を当てるためにもう一回真摯に丁寧にあるいは真心を込めて県民のために尽くすことをお約束させていただきたい」
多くの大物弁士が沖縄入りした参院選の選挙期間中は、候補者や応援弁士とともに運動を展開し、政府とのパイプを強調。県知事選に向け支持拡大を図りました。
佐喜眞淳氏(7月1日)「沖縄、県民のために死に物狂いで必ず県民のために頑張っていきますので私にもお力添えを賜りますようお願いいたします」
一方、現職の玉城デニー知事は佐喜眞さんの擁立決定から2週間後、2期目に向け出馬を表明。翁長前知事の後継として出馬し当選した県知事選から4年。今回は現職の立場としての立候補です。
玉城知事「今回の選挙はこの4年間玉城県政がどのような、県民の暮らしの向上と県政の発展のために実績を積み上げてきたかということも堂々と訴える選挙戦になると思う」
参院選ではオール沖縄の伊波さんが僅差ながらも勝利。体制の強化を図りながら、勝利した勢いそのままに再選を目指します。
玉城知事「恐らく県知事選挙は今回の参議院選挙と争点は似ているところがたくさん出てくると思います。今回の伊波さんが県民の皆様に訴えていただいたことをさらに今度は沖縄県政バージョンにして公約としてしっかりと選挙で掲げて訴えていきたい。取り組んでまいりたいと思います」
4年前の知事選と同じ構図での選挙戦が予想されていた中突如この構図に変化が生じました。
下地幹郎氏「私は今度の9月11日に行われる知事選に立候補することとなりました」
元衆院議員の下地幹郎さんがアメリカのホワイトハウス前で県知事選への出馬を表明。事実上の一騎打ちの構図に割って入りました。
下地幹郎氏(7月15日)「自民党に追随する沖縄の政治をつくっていっても50年間経って変わらなかった。反対運動だけする革新勢力の人たちが県知事になっても辺野古を止めると言っても止めきれなかった。この両方の時代を終わらせないといけない」
アメリカから帰国後、東京や札幌でも街頭に立ちこのように述べた下地さん。
下地幹郎氏(去年9月)「すべての選挙において私たちが結果を出すためには、今の現状からするとまとまらないとダメなんですよ」
去年の衆院選では県政奪還に向け保守の一本化の重要性を訴え自民党への復党の動きも見せていた下地さんですが、自民党がすでに候補者の擁立を決めている中、「辞退しない」との考えを示しています。
直前になって構図が変わる公算が高くなった県知事選。三つ巴を制し県政のかじ取り役を誰が担うのか、選挙戦への動きが本格化しています。
このほか県知事選には無所属新人の山口節生さんも立候補を表明しています。
新型コロナによって大きなダメージを受けた県経済の立て直しや、参議院選挙でも争点となった辺野古新基地建設など様々な課題を抱える県の今後4年間のかじ取りを誰に任せるのか?
告示まで、あと1ヵ月です。