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沖縄戦での「集団自決」を生き残り証言した金城重明さんが、7月19日に急性心不全のため亡くなりました。93歳でした。

金城重明さんは沖縄戦当時、渡嘉敷島でおよそ330人の住民が亡くなった集団自決を生き残り、機会あるごとに戦争の悲惨さを訴えました。

集団自決については国の教科書検定を巡る訴訟で自らの体験を伝え軍が「集団自決」を命じたとする本の記述で名誉を傷つけられたとして、元日本軍隊長と遺族らが岩波書店と作家の大江健三郎さんを訴えた裁判では、「日本軍に追い詰められ、生き残る恐怖から兄とともに母親と幼い兄弟に手をかけた体験」を証言し、軍が関与したとする判決に影響を与えました。

2008年3月の取材で金城重明さんは「あと10年すれば僕はこの世にいない。戦争の悲劇を記録に残すことをしなければならない」と話していました。

金城さんはキリスト教短期大学の名誉教授で、1975年から79年にかけては学長を務めていました。

7月19日に急性心不全のため、那覇市内の病院で亡くなりました。93歳でした。葬儀は家族や関係者のみで23日に執り行われたということです。