琉球王国時代から愛されてきた沖縄の名酒・泡盛。そんな泡盛の出荷量が年々減少しています。泡盛をもっと手軽に、もっと身近に感じてもらおうと泡盛業界と県内のビールメーカーがタッグを組みました。
オリオンビール 石井さん「まず沖縄で定着させる、そして県外に広める、ゆくゆくはですね、海外にも行きたいという風に考えておりますのでぜひこれを成功させていきたい」
今帰仁酒造 大城社長「沖縄の歴史と一緒に育まれているお酒なのでそういった部分を再認識してほしい」
日常生活はもちろん、旧暦行事や祝いの席に、そして伝統的な沖縄料理においては調味料として、沖縄の歩みとともに育まれてきた泡盛!
沖縄への関心が高まる中で泡盛にも注目が集まり全国的に知られるようになりました。しかし近年、その出荷量は、ピークだった2004年の半分以下に落ち込み、17年連続で前年を下回る苦しい状況が続いています。こうした現状に酒造メーカーも強い危機感を抱いています。
今帰仁酒造 大城社長「一番大きいのはライフスタイルの変化、多様なのかなと、多様な飲み物が増えてきたというのもあって、そこでやはり泡盛を飲む機会、接する機会が減ってきたのかなという印象はあります」
低迷する業界を盛り上げ、消費拡大につなげたい。今年、県内全泡盛メーカーが団結し、「泡盛を、沖縄の誇りにする。」を使命にブランディング事業に取り組んできました。そんな業界の動きに一役買おうと名乗りを上げたのが同じ市場でしのぎを削るオリオンビールでした。
オリオンビール 石井さん「やはり泡盛というのは沖縄で作られた、沖縄のお酒ですからこれをぜひ沖縄県民の方に飲んでいただき、これを全国に届けたい、非常にそういう思いがありまして」
オリオンビールが注目したのは泡盛の古酒。10年ものの古酒をベースに開発したのが「泡盛ハイボール」です。古酒に対する魅力を知ってほしいという強い思いがありました。
オリオンビール 石井さん「泡盛の古酒の香りが人によっては嫌いだという人もいるんですけれどもそれがうまく抑えられていて、アルコールの甘さ、これがうまく引き出せたかなと」
オリオンビールが提案した新しい泡盛の形に業界も大きな期待を寄せています。
今帰仁酒造 大城社長「こういった泡盛のハイボールを商品として出すことによって逆にこの古酒の良さとか、泡盛の良さっていうのを再認識できますし、まず皆さんが飲んで頂いておいしい、食事とも合う、泡盛って何だろう、古酒ってどんなことだろうっていう興味を持ってもらえたら一番いいと思いますね」
泡盛の良さを知ってもらうことで改めて魅力や文化に気付いてもらう。それが、泡盛の需要拡大につながると考えています。
オリオンビール 石井さん「いろんな泡盛がありますのでその良さを引き出すためにもいろんな所のものを使ってですね、泡盛ハイボールが売れれば泡盛業界が盛り上がると」
今帰仁酒造 大城社長「今回の泡盛ハイボールを入り口として泡盛を知っていただくきっかけになればと思っておりますので」「(泡盛の良さを)再認識して温故知新して研さんしていくかなぁという印象がありますね」
「泡盛」をもっと手軽に、もっと身近に。泡盛再興への試行錯誤はこれからも続きます。