めざせ甲子園。きょうは春の大会でベスト4入りを果たした宮古です。最後の夏となる３年生プレーヤーは７人。そのうちの１人が病が原因でプレーすることができなくなっていました。それでもチームは「最後まで全員で戦う」ことを諦めませんでした。
梅雨は長引いても、夏は待ってくれない。屋内練習場で汗を流す宮古ナイン。秋の大会では1回戦負けも、今年の春の大会ではベスト4に入り、夏のシード権を獲得しました。その中心となったのは、エースとして好投を続け、打者としてもホームランを放つなど投打に渡る活躍を見せた沖勇作。
沖勇作選手「秋の大会では1回戦負けだったのでそこからは厳しい練習だったが、その練習が春の大会の結果として結ばれたのかなと感じて、手ごたえは結構あった。制球力にさらなる磨きをかけ、強気のピッチングをしたいと意気込んでいます」
キャプテンとしてチームをまとめるのは、選手からの推薦で選ばれた砂川竜之介
砂川竜之介主将「物事をはっきりと言えないというか、ガツンと言うんじゃなくて一緒にやっていこうという感じでやっている」
性格的には引っ張るタイプではありませんでしたが、キャプテンとして1年間率いる自覚が日を追うごとに増し、頼もしくなったと監督は話します。
平良栄二監督「みんなが思っているような理想のキャプテンではないけど、人間的に成長した部分はたくさんある。嫌なことを率先してやるようになったり、叱られても下を向かないとか、そういうところは人間的に成長したところだと思う」
成長と手ごたえを感じ、夏に向けてさらなる飛躍を目指す宮古。最後の夏となる３年生は選手７人と例年十数人が入部する宮古として少ない人数ですが、それでもお互いに支え合い刺激し合いながら野球に打ち込んで来ました。
ところがこの春選手の１人に病が発覚します。
川満翔太選手「みんなと同じように練習ができない」
主に外野を守る選手として日々練習を重ねていた川満翔太くん。ことし3月、何日も頭痛が続いたため病院で検査をしたところ、腎臓あたりに異常が見つかり、医師からは治療のため運動を控えるよう告げられました。
川満翔太選手「野球やるからにはプレイヤーが良いと思っていたので、プレイヤーじゃなくなるのが嫌だと思って、すぐには立ち直れなくて」
突然の宣告に目標を見失った川満くん。監督に野球部をやめたいと伝えました。
平良栄二監督「まじかと思った。今の3年生は入学の時から少なかったので、この人数で3年間全うしてほしいというのがあった」
砂川竜之介主将「一緒にプレーできなくなると聞いたときはさみしかった」
しかし、選手たちも監督も、「3年生全員で最後の夏を迎えたい」という強い思いがありました。
砂川竜之介主将「一緒にサポートとかできることはあると思うから、お願いできないかとか、一緒に野球夏まで目標に向かって頑張ろうとか」
川満翔太選手「みんなが止めてくれて一緒に頑張ろうといわれて、頑張れる。うれしかったし前向きになれた」
「全員揃って甲子園へ」仲間たちの言葉で再び前を向いた川満くん。今では、チームのサポート役として、バッティングのトスや、練習メニューの準備などを行いチームの力になろうと奮闘しています。
川満翔太選手「トスを上げる時は（試合で）一人でも多くの選手に打ってもらいたいので、気持ちを込めてあげている。プレイヤーの時は自分の周りしか見えていなかったのが、外から見ると客観的に見えて、一人ひとりが良く見えるので景色変わる」
そして、川満くんの献身的なサポートに選手たちも応えようとしています。
砂川竜之介主将「プレイヤーだけでは野球はやっていけない、支えてくれているのはありがたい。戻ってきてくれてうれしかった」
苦楽を共にしてきた3年生全員で最後まで。困難を乗り越え、さらに強くなった絆で最後の夏に挑む。
沖勇作選手「緊張感だったり、暑さもあるけど、しっかり気合入れて強気なピッチングをやっていきたい」
川満翔太選手「3年生仲良くて、みんなで最後の夏を迎えられてとても楽しみにしている」
集合！「いくぞ！甲子園！」
