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めざせ甲子園、きょうは興南です。秋の県大会優勝から一転、春は出場辞退を余儀なくされました。残る夏にすべてをかける選手たちの中で、一際思いが強いエースがいました。

円陣「チームのためにアップから元気だしていきましょう!」

私立・興南高校。アップから実戦を想定した動きを取り入れ早くもユニホームは泥だらけに。

我喜屋優監督「全然見てない!ボールがどこにあるか見ろ」

常に緊張感が漂うのも興南の伝統。その中で鍛えられた選手たちは去年、11年ぶりに秋の県大会で優勝を果たし九州大会へ。しかし、春のセンバツ出場の目安となるベスト4をかけた準々決勝。鹿児島代表の大島に完封負けを喫し悔しい思いを胸に冬のオフシーズンに臨むことになりました。

興南 エースが目指す夏の夏のマウンド

盛島稜大選手「九州大会であと1回勝てば甲子園というところで負けてしまったんですけど、負けるということは普段の練習から弱いところがあったので、そういうところを春に乗り越えていこうというところだったんですけど」

士気を高めて挑もうとしていた春。ところが大会前に部員の中で新型コロナの陽性者や濃厚接触者が出てしまい出場辞退を余儀なくされました。

禰覇盛太郎主将「まずは春(県大会)を優勝して九州でリベンジというところで辞退せざるを得なくなってしまったので、その時は何とも言えない気持ちでいっぱいでした」

一度は落ち込みかけたチーム。それでも我喜屋優監督は選手たちにこう語りかけました。

我喜屋優監督「辛抱しないといけない時は辛抱するし、その蓄えを、我慢をエネルギーに変えて爆発させるという気持ちになってもらいたいということです。そういう逆境を乗り越えるというのが興南の精神力だし心配は全くしていません」

興南 エースが目指す夏の夏のマウンド

春の辞退を力に変えて、より一層夏への思いを強めた興南ナイン。その戦力は破壊力十分。秋の大会では4割を超える打率を残したリードオフマンの仲程雄海(おうか)3番のキャプテン・禰覇盛太郎らが打線を牽引。

そしてチャンスでランナーを返すのが1年秋から4番を打つ、盛島稜大(りょうた)186cm・92キロの威圧感すら感じる体格から力強い打球を飛ばす、プロも注目するスラッガー。

投手陣では3年生右腕の安座間竜玖が逞しさを増しているほか、2年生・平山航多が、秋に経験を積み大きく成長。さらに新たな戦力として1年生左腕も加入しており投手層も厚くなっています。

安座間竜玖選手「冬の期間が長くなったと良い意味で考えてしっかりトレーニングを積んできたので、それをしっかり夏に向けてあとは出し切るので調子も上がってきているので良いと思います」

残る夏にすべてをかける興南ナイン。その中でも一際思いを強める選手が。

生盛亜勇太選手「ずっとベンチにいたんですけど、平山や安座間が投げていて自分は何をしているんだろうというか、ベンチで声をかけることしかできなかったんですけど」

興南 エースが目指す夏の夏のマウンド

生盛亜勇太。秋の県大会エースナンバーを背負いながらも腰の疲労骨折で3回戦以降、戦線を離脱。九州大会ではベンチ入りを外れ、会場である鹿児島に行くことさえ叶いませんでした。

禰覇盛太郎主将「九州にいけないことが決まって本人も相当悔しい思いをしていたので何としてでも生盛を連れてセンバツに出たかったんですが、あと一歩のところで負けてしまったので」

生盛亜勇太「一番は情けなさと秋(県大会)1番をもらっているのに不甲斐なさがあって、自分に対するマイナスなイメージでずっと過ごしていました」

懸命にリハビリに励み、リベンジを誓い目指していた春。生盛は再び背番号1を任されマウンドに上がる予定でしたがまかさの出場辞退。エースとしてまだチームに貢献できていない、その悔しさとともに沸いてきたのは誰にも譲れない夏のマウンドへの思いでした。

生盛亜勇太「より一層やらないといけない立場に立ちましたし、秋春と何も自分の中では結果もチームのために何もできていないので夏は絶対1番をつけてチームに貢献できるように頑張ろうという思いが強くなりました」「夏はエースとして活躍できるように沖縄で一番長い夏にしたいなという思いがあります」

興南 エースが目指す夏の夏のマウンド

エースの気迫に呼応するようにチームの闘志も高まっています。

盛島稜大選手「もうこの夏しかないので生盛も万全な態勢で夏に挑めるので、夏はしっかり勝って甲子園にいきたいです」

秋の県大会優勝から一転、険しい道のりを歩んできた選手たち。それもすべてが夏の力に。逆境が興南を強くする。

安座間竜玖選手「夏は絶対優勝して甲子園でも絶対に勝てるようにしていきたいです」

禰覇盛太郎主将「沖縄県で一番長い夏にしたいと思います」

集合!「チャレンジ興南!」

興南 エースが目指す夏の夏のマウンド