「お手伝い」と「旅」を掛け合わせた「おてつたび」という新しい旅のカタチが、若い世代の心を掴んでいます。この番組でも、今月はじめに、マンゴー農家の手伝いをしながら旅をする大学生についてお伝えしましたが、先日、その1週間の「お手伝いの旅」が終了しました。今までにない旅の魅力とは…?
東村のマンゴー農園。5月は、マンゴー農家にとって忙しいシーズンです。大きくて甘いマンゴーを育てるために、余分な実を間引いたり、太陽の光がしっかりと当たるように、枝や実を吊り上げる作業を一斉にすすめる必要があるんです。
しかし、人口1700人あまりの東村で、農作業の人手を補うのは、けして容易ではありません。そうしたなか、今年は農園にある変化が。
吉村さん「これは、ここだけ残したらいいですかね?」農家「これと向こうの大きいやつ」吉村さん「じゃあ、こっちを切って」
慣れない様子で作業をしていたのは、ひとりの大学生です。
大阪大学 3年生 吉村ことはさん「新鮮というか、すごく楽しいですね新しい経験ばっかりで」
ゴールデンマンゴーファーム 八谷耕平さん「新しい人が入ってくれることで園地のスタッフのモチベーションも上がりますし刺激になるかなと思って“おてつたび”を頼みましたね」
“おてつだい”ではなく“おてつたび”とは?いったいどんなものなのでしょうか?
この前日。
「めんそーれ、ことはちゃんようこそ、沖縄へ」大阪から、飛行機とバスを乗り継いでやってきたのは、大学生の吉村ことはさんです。出迎えた八谷さんの農園に滞在しながら、農作業を手伝います。大阪の大学生と東村の農家をつないだのは、人材マッチングサービスの「おてつたび」。
「おてつたび」とは、「お手伝い」と「旅」を掛け合わせた言葉で、旅行をしながら、人手が足りない地方で働くというものです。
今回の滞在は1週間で、時給は820円。交通費は自腹ですが、宿は、受け入れ先が用意するため無料です。ナレ)お手伝い1日目。吉村さんの仕事は、マンゴーの成長を助けるために余分な実を間引いたり、実が日光にあたるように、ひもで吊るすこと。
朝8時から夕方5時まで、立ちっぱなしの体力のいる作業がつづきますが。
大阪大学 3年生 吉村ことはさん「こういう作業することって普段ない。大学通って帰ってバイト行ってみたいな生活なので、すべてが自分にとって新しいというか楽しいですね」
「おてつたび」3回目という吉村さん。コロナの影響で、海外留学ができなくなったこともあり、国内に目を向けるようになりました。
大阪大学 3年生 吉村ことはさん「行ったことない場所でやったことないことをしてみたいといのがあってそれで一番今までの私の経験からかけ離れていたのがもうここだったのでもうここしかないと思って応募しました」
吉村さんのように「おてつたび」を希望する人は増えていて、現在1万8000人が登録しています。
おてつたび 永岡里菜 代表「10代20代の大学生の方々もたくさん使っていただいているがアクティブシニアの方であったり転職期間中にいろいろチャレンジしてみたいと思われている社会人の方など結構増えてきている」「コロナ禍で特に 海外という選択肢が無くなった中で日本に目を向ける方や地域のことを知りたい、何か経験できないかと思う人が増えたような背景はひとつあると思う」
地域での経験は、お手伝いだけではありません。梅雨の晴れ間をぬって、地元の人たちが案内してくれたのは近くの海。そこで釣りを体験!
さらに、こんな場所にも。金武町出身の農園スタッフが、金武町ツアーを企画してくれたのです。基地の街の歴史や文化にも触れました。
1週間がたちました。お別れの日です。この日は、商品の発送のお手伝い。注文してくれた人に、お礼のメッセージカードを添えます。
大阪大学 3年生 吉村ことはさん「あっという間の1週間というか、あっという間でしたね、本当に」
そのあとは、夕方まで、ハウスの中で作業を続けます。手際よく、余分な実をとっていく吉村さん。すっかり頼もしくなりました。
大阪大学 3年生 吉村ことはさん「来て良かったという思いでいっぱい。沖縄の文化やマンゴーの農作業だったりいろんな話を聞いて自分としても成長したなとすごく感じる」
ゴールデンマンゴーファーム 八谷耕平さん「何か学ぶものを見つけようとして来るのでただバイトだけで来るというのではなくてやる気であったりとか そういう姿勢が見れたのはおてつたびでやったことが良かったのかなと思う」
大阪大学 3年生 吉村ことはさん「あたたかい家族の方とかスタッフの方々に迎え入れていただいて本当に楽しかった」「食への意識がすごく高くなった気がする。これから野菜や果物買ったりするときもこの一つの野菜とか果物にこれだけ多くの人が時間をかけて作ってるんだというのを思いながら多分食べるだろうなと思いますね」
人と人との出会いを生み出す「おてつたび」。人手不足などのお困りごとを解消するだけでなく、地域の魅力を知り、そのまちのファンを増やすきっけにもなりそうです。
大学生の吉村(よしむら)さん、次の「おてつたび」は夏休みに漁業を体験してみたいと話していました。全国では、自治体をあげて積極的に、おてつたびを受け入れいる地域も。沖縄は、農業や観光業で15カ所が受け入れ先に。
農家と学生つなぐ「おてつたび」前編 農家と学生つなぐ「おてつたび」前編 https://www.qab.co.jp/news/20220504150717.html