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QABでは、本土復帰50年に合わせて朝日新聞、沖縄タイムスと合同で世論調査を実施しました。調査方法は、県内の選挙人名簿から無作為に2000人を選び、郵送の方法で実施しました。3月14日に調査票を発送し、先月28日までに1245人から回答をいただきました。このうち有効回答の数は1218で、有効回答率は61%でした。

きょうは、その続きをお伝えします。特に、沖縄と安全保障について見ていきます。はじめに、「あなたは、日米安保条約をこれからも維持していくことに賛成ですか。反対ですか。」という質問で、

「賛成」が58%「反対」が26%でした。しかし、全国の調査では、「賛成」が82%「反対」が10%と「賛成」が圧倒的で、日常的に基地がある沖縄との違いが表れているとみられます。

日米安保条約について、街の人に聞きました。

30代女性「時代も変わってきていると思うので、50年って半世紀なので見直しは必要かなと思います」

70代男性「僕はそのままがいいと思うよ。いつかアメリカは日本を切り離すと思うよ。そんな甘くないと思う」

QAB・朝日・タイムス合同で実施 復帰50周年「安全保障編」Part4

60代男性「今結局、ロシアとウクライナの件があるので、どうしても核の傘ではないですけど、それで守られている部分はやっぱりあると思うので、変えながら守ってもらうというか、お互いに同盟国として協力できるところは協力する」

次に、「日米地位協定の改定を日本政府がアメリカに求めるべきだと思いますか。その必要はないと思いますか」という質問で、沖縄では、求めるべきだ」と答えた人が93%全国でも実に91%に達していて沖縄、全国ともに「改定を求めるべきだ」が9割を超えました。

街の人からは、様々な声が聞かれました。

30代女性「もっと日本が介入できるような法律に変えてほしいなと思ってる。ひき逃げ事件とかあってもアメリカ軍が入ってきて、あまり日本が関与できないかなとニュースとか見ていて思うので、もっと介入できるようにしてほしいなと思います」

女性「沖縄の地位協定は妥協して、仲良く、共存することを考えて沖縄は発展させてほしいなと私は思っておりますけど」

次に、「沖縄の米軍基地は日本の安全保障にとって、どの程度必要だと思いますか。」という質問をしました。結果はこのようになりました。

「ある程度必要だ」と答えた人が49%「大いに必要だ」が20%でした。「あまり必要がない」は21%「まったく必要ではない」は5%でした。

調査方法が異なるので単純に比較することはできませんが、3年前、2019年に実施した世論調査では、「ある程度必要だ」と答えた人が42% 「大いに必要だ」が11%でした。「あまり必要がない」は25%「まったく必要ではない」は18%でした。

必要か、必要じゃないか、街の人に聞いています。

女性「今、70何%でしょ。せめて50%以下に、本土に分散して。沖縄だけにみんなさせるんじゃなくて、そうした方が内地の皆さんも基地の大変さ分かる。みんなで共有する」

20代男性(自衛官)「日本の中で沖縄県への負担は今のところかなり大きいところはあると思うがが今の現状は維持していくべきだと思う」

次は、自衛隊に関する質問もしています。「沖縄の自衛隊を今後どうしたらよいと思いますか。」という問いですが、

はじめに、街の声をお聞きください。

30代女性「ロシアとかとの戦争で、自衛隊は国を守るものだと思っているのであった方がいいと思います」

女性「自衛隊を増やして、アメリカ兵は減らして、50%以下にして。だって自衛隊の皆さんは大きな災害があったときに、沖縄の皆さん守ってくれる、お手伝いしてくれるさ」

60代男性「今のところだったら現状維持でかまわないのかなと、国は国民を守らないといけない部分があるので、多少の自衛権は持っておかないといけないと思うが、これ以上増やすのも怖い部分がある」

改めてですが、「沖縄の自衛隊を今後どうしたらよいと思いますか」という問いですが、世論調査の結果はこのようになりました。

QAB・朝日・タイムス合同で実施 復帰50周年「安全保障編」Part4

「現状でいく」と答えた人が50%、「強化する」が33%、「縮小する」が11%でした。

これも調査方法が異なるので単純に比較することはできませんが、30年前、1992年の世論調査では「現状でいく」と答えた人が49%、「強化する」が6%、「縮小する」が27%という結果で、この30年で「強化する」と答えた人が増えた形になっています。

次に、自衛隊が防衛力の強化を進める「南西シフト」は、よいことだと思いますか、よくないことだと思いますかという質問で、「よいことだ」と答えた人が57%と半数を超え、「よくないことだ」と答えた人は26%という結果になりました。街の声は様々ありました。

70代男性「これは中国がらみじゃないの、韓国とかその辺が出張ってきているから、けん制のために置いているんだと思うけど、やっぱ防衛手段もある程度必要だよね、日本は」

20代男性(自衛官)「南西諸島の防衛でいうと、自衛隊基地は増やしていかないと、沖縄県の感情としては米軍基地は無くす方向というのがかなり沖縄の住民の声かなと思うが、であれば自分の国は自分で守るということで自衛隊の基地は増やしていかないと中国の軍事力はどんどん上がっているのでそれに対抗しうる物はどんどん増やさないといけないと思う」

自衛隊の強化、南西シフトへの理解や求める声が多くなった要因のひとつは、中国の台頭です。そこで、このような質問をしました。「中国をめぐって、あなたが、日本にとって一番大きな問題だと思うのは、どの点ですか」という質問で、

「領土をめぐる問題」と答えた人が31%と最も多く、次いで「軍事力の増強」が27%という結果になりました。

QAB・朝日・タイムス合同で実施 復帰50周年「安全保障編」Part4

最後に、「台湾をめぐって中国と米国の間で武力衝突が起きて、沖縄が巻き込まれる不安を、どの程度感じますか」という質問で、

「大いに感じる」が44%、「ある程度感じる」は41%で実に8割以上が不安を感じていることが表れています。

30代女性「ニュースで連日、ロシアがウクライナ侵攻のを見ていて、今度、中国台湾の侵攻もあったら沖縄も近いのでその影響はあるのかなとも思います」

20代男性(自衛官)「可能性は無くはないと思うが、そこは政府と県が協力してお互い主張が激しいところがあるので折り合いをつけながら、もっと日本の国として協力しながら対外政策を考えていかないといけないと」

この世論調査についてですが、調査した時期が、ロシアによるウクライナへの侵攻と重なったため、そのことが特に、基地や安全保障に関する項目で、調査結果に影響した可能性があると思われます。

QABでは、復帰から50年となるあさって5月15日に報道特別番組をお送りします。沖縄返還とは何だったのか、50年にわたる沖縄振興計画は何をもたらしたのか、検証し、これからの沖縄を考えます。午後1時55分からの生放送です。