続いて先週からお伝えしています、世論調査についてです。沖縄が本土復帰にして、今月15日で50年。QABでは朝日新聞、沖縄タイムスと合同で世論調査を実施しました。
調査方法は、県内の選挙人名簿から無作為に2000人を選び、郵送の方法で実施しました。3月14日に調査票を発送し、先月28日までに1245人から回答をいただきました。このうち有効回答の数は1218で、有効回答率は61%でした。
きょうは、特に基地問題について見ていきます。はじめに、こちらの声をお聞きください。
60代女性「素通りじゃないですか。辺野古の問題だっていつまでも解決しないでしょ」
40代女性「国の事情とかもあると思うので、できる範囲は聞いてもらっているのかなとは思います」
20代女性「そこまで沖縄に関して聞いていないような感じはしますね」
はじめに、「アメリカ基地の問題について、あなたは国が沖縄の意見をどの程度聞いていると思いますか」という質問をしました。その結果、「あまり聞いていない」と答えた人が44%と最も多く、次いで「全く聞いていない」が30%。「ある程度聞いている」が21%で、「十分聞いている」は、わずか3%でした。
「減らすのがよい」と答えた人が61%と半数以上で、「全面的に撤去するのがよい」が15%、「今のままでよい」が19%「増やすのがよい」は1%でした。この質問について、県民にも聞きました。
40代男性「できればないほうがいいとは思うんですけれど、縮小していっての方向が好ましいのかな」
40代女性「宜野湾に住んでいるので、ちょっとやっぱり平気で夜中にも飛行機がうるさいので。やっぱり安全面とか考えたら無いほうがいいのかなっていうのが正直な気持ちですね」
30代男性「僕はそのままでいいと思います。やっぱりそのアメリカ軍が日本を守っている部分もあるので」
しかし、全国の調査になると次のような結果となりました。
「減らすのがよい」が46%でしたが「今のままでよい」も41%で、「全面的に撤去するのがよい」が6%、「増やすのがよい」は3%でした。
次に、「普天間基地を名護市辺野古に移設することに賛成か、反対か」を聞いたところ、「反対」が54%で、「賛成」が33%でした。これに対し、全国では「賛成」、「反対」がともに33%と拮抗する一方で、34%が「その他・答えない」でした。
また、調査方法が異なるので、単純に比較することはできませんが、3年前、2019年に実施した県民への世論調査では、辺野古への移設に「反対」が68%、「賛成」が21%でした。
お話をうかがった街の人は、様々な意見が聞かれました。
40代女性「反対の方ですね。(Q.それはどうして)わざわざまた新たに予算をかけて造るっていうのがあんまり好きじゃないですね」
40代女性「私は賛成ではあります。宜野湾の学校とかですね、そういう民家がたくさんあるところより、少し自然は壊れますけれど、ちょっと安全なところに移動したほうがいいのかなって」
そしてこの質問です。「普天間基地の移設予定先の海域の一部で、軟弱な地盤が見つかりました。国は設計を変更して、同じ場所に移設を進めようとしています。この問題をめぐる国の一連の対応に、納得できますか。納得できませんか。」という質問をしました。その結果、「納得できない」と答えた人が66%と半数以上で、「納得できる」は26%という結果になりました。
国が納得できる対応をしていないと感じている県民が多いことが分かる結果となりました。
最後に、「沖縄にある米軍基地などを整理・縮小するために、一部を国内の他の地域に移すことについて賛成ですか。反対ですか。」という質問です。その結果、「賛成」と答えた人は63%で、「反対」は27%という結果になりました。20年前、2002年の調査では、「賛成」が48%、「反対」が40%と、競っていました。
街の人からは、このような意見が聞かれました。
30代男性「賛成だと思います」「どうしても負担は多いのかなというのもあるんですけれど、危険なところもどうしてもあると思うので」
60代女性「本当はそうやってほしいですよね。あちらの方に一部でもいいから、これからでもいいからあちらに造ってほしいけど、また向こうが反対反対で、現実にはできないんじゃないですかね」
今回の世論調査についてですが、調査した時期にロシアがウクライナへ侵攻したため、そのことが特に基地問題や安全保障に関する項目で、調査結果に影響した可能性があります。
あすは沖縄と安全保障について、県民がどのように回答したのか、お伝えします。