沖縄が本土復帰にして、今月15日で半世紀となります。先週金曜日にもお伝えしましたが、今回、QABでは朝日新聞、沖縄タイムスと合同で世論調査を実施しました。
調査方法は、県内の選挙人名簿から無作為に2000人を選び、郵送の方法で実施しました。3月14日に調査票を発送し、先月28日までに1245人から回答をいただきました。このうち有効回答の数は1218で、有効回答率は61%でした。
きょうは、その続きをお伝えします。はじめに、沖縄県で最も重要だと思う課題は何ですか?という質問をしました。まずは、街の声をお聞きください。
質問「沖縄県で最も重要だと思う課題は何ですか?」
30代男性「経済ですかね」「若い人たちにとって、働き口とか、コロナの影響もあるので各企業(人員を)絞っているところもあると思うんですけれど、そういうところも改善されて、若い人がうまく働けるようになればいいかなと思います」
60代男性「防衛、安全保障をしっかりしたほうがいいのかなと思いますけどね」
60代男性「やっぱり基地問題が一番大きいですよね」
70代女性「やっぱりなんといっても基地問題じゃないですか」「アメリカと中国が戦争になったら、沖縄から発進する可能性も大なので、まずは真っ先にやられるんじゃないですか、基地のある沖縄が」
改めてですが、「沖縄県で最も重要だと思う課題は何か」を5つの選択肢から選んでもらったところ、「経済振興」が38%と最も多く、次いで「基地問題」が26%、「教育・福祉などの充実」が19%、「自然環境の保全」が10%でした。
5年前、2017年の調査では、「基地問題」が33%と最も多く、次いで「教育・福祉などの充実」が28%、「経済振興」が19%で、「基地問題」と「経済振興」が逆転しています。
沖縄と本土には「さまざまな格差がある」という見方について、その通りだと思うか、そうは思わないかを聞いたところ、「その通りだ」と答えた人が89%にのぼりました。「さまざまな格差」について県民がどのような感じているのか、聞いています。
質問「沖縄と本土には「さまざまな格差がある」という見方があります。その通りだと思うか?」
30代男性「(格差があると)思いますね。県外だと製造業だったり、サービス業ももちろんですけれど、いろいろ業種があるんですけれど、沖縄だとなかなか製造業とか少ないように感じるので」
60代男性「あることはあるんですけれど。自分も2、3年前までは季節労働で、愛知で自動車工場にいたもんですから。やっぱり、向こうではアルバイトでも食べていけるんですけれど、沖縄のアルバイトは食べていけないような感じがして」
80代男性「格差がある。基地のあるところ、終戦直後から米軍犯罪しか起こってないから」
「その通りだ」と答えた人に、格差の中で一番問題だと思うものを5つの選択肢から選んでもらったところ、「所得」が62%と最も多く、次いで「基地問題」が23%でした。
5年前、2017年の調査では、「所得」が43%で、次いで「基地問題」が33%でした。
次の質問です。戦後の統治下の体験を、家族や親族、周りの人と話すことがありますかと聞いたところ、「ある」と答えた人が43%、「ない」と答えた人が54%でした。アメリカの統治下時代を知る人も少なくなり、聞く機会ないなかで、県民はどうのように感じているのでしょうか?
質問「戦後の米国統治下の体験を家族や親族などと話すことがありますか?」
30代男性「前と比べて減りましたかね。やっぱりもう50年もなりますから。でも今回は節目なのであらためて振り返るかもしれないですけれど」
70代女性「あんまりないですね、よくないね」「沖縄の平和についてのこと、体験したこと沖縄が、それとウチナーグチのことは話さないといけない、と思うけれど、なかなかチャンスというのかな、あまりないですね」
40代男性「そういうことだったんだよ、という地元の人たちに聞くというのはありますけど。実際に本当には、はわかっていないと思うので」「住んでるなかで、勉強していっている感じかな」
最後にかつての沖縄戦の体験がきちんと引き継がれていると思うか。そうは思わないかを聞いたところ、「引き継がれている」と答えた人が42%、「そうは思わない」と答えた人が52%でした。ロシアのウクライナ侵攻が、沖縄戦と重なる部分が回答がほぼ、半々となっているなか県民は、どのように思っているのでしょうか
質問「沖縄戦の体験が引き継がれていると思いますか?」
80代男性「私は(戦争体験者だが)話したくもない、話してもどうしようもない」
30代女性「ちょっとだけ」「おばあちゃんから、戦争のころの話とか」「今はちょっとあんまり。おばあちゃんとかも亡くなってしまっているので、なかなか知る機会がないのかなと思いますね」
70代女性「なんとなくは分かっているかもしれないけれど、平和ボケしてあまり感じてないんじゃない、若い人たち」
次回は、沖縄の基地問題についてどのように県民が回答したかについてお伝えします。