学校を卒業して社会で働くようになったら「学びは終わり」というわけではありません。新たな可能性を探ることや日々の仕事で求められるスキルのアップデートなど時代に沿った勉強は常に必要です。
そうしたなか、転職やキャリアアップを考える人たちを後押しする「リカレント教育」が注目されています。一体どういったものなのでしょうか、取材しました。
那覇市にある専門学校で行われた介護の授業。受講している人たちは年齢も性別もバラバラです。「リカレント教育」と言われる「社会人の学び直し」です。
これまでは学校で勉強した後、就職しある程度の年齢になったら退職し、リタイア後の生活を送るという考え方が主流でした。
しかし現在は、平均寿命が延びたことや情報技術の進展などで社会に出た後も様々なことに挑戦し、就職やキャリアアップを目指す「リカレント教育」が注目されています。
大庭学園・専修学校リカレント教育総合推進プロジェクト・大城貴博さん「福祉のことだけではなく、コミュニケーションを取ったり、社会人経験が生かせられるような、自分の強みが生かせられるようなことができるような教育にしていきたい、リカレント教育にしていきたいという風に考えてます」
こちらの大庭学園では去年12月からおよそ3カ月間、バブル崩壊後の就職氷河期世代といわれる30代後半から50代前半の人たちを対象に、介護や保育などの福祉業界のリカレント教育を実施しました。
離職率の高さなど、常に問題となっている福祉業界の深刻な人材不足と正規雇用や安定した職で働きたい人たちの双方のニーズをマッチングさせる狙いがあります。
大庭学園・大城さん「介護職は無資格者でも働ける人、介護福祉士に興味持っている方、職に就いてほしいというような施設、事業者さんも結構多い。(就職氷河期世代の人たちに)正規雇用もしくは契約社員であっても将来的に正規になれるような雇用につながる雇用を、僕らの方で学校としてマッチングできるような機会とかそういったものができないか(考えた)」
福祉の現場を見学したり、インターンシップをしたりと、より実践的なカリキュラムを通して理解を深められるようにしました。
受講生「自分も病気したことがあったんですね、20年前に。その時自分も車いすになって、その時に医療だったり福祉だったりという分野に興味を持ったというか。大人になってから勉強させてもらえるとか、知識を新たに入れてもらえるというのはすごいありがたい機会なので、参加させてもらいました」
受講生「自分が仕事探しでハローワークさんに行っていると声掛けられて、その時に踏み込もうと思って、受講することに決めました。医療と介護に携わる仕事をしたいとは思ってます」
また、琉球大学では去年からリカレント教育を通じて、就職を支援したりキャリアアップをはかる手助けをしたりしています。
琉球大学・牛窪潔副学長「リカレント教育の普及はとても大事じゃないかと考えております。主体的に自分を高めて、かつ仕事の質を高めると同時に、より良い成果、案とかを生み出せるような、そういったプロとして活躍していっていただきたいと切に望んでおります」
挑戦し続ける人に多くのチャンスが巡ってきます。人生100年時代と言われる今、学び直しをすることに遅すぎるということはありません。