市政の継続か刷新かを最大の争点に争われた石垣市長選挙はきのう投開票が行われ、現職の中山義隆さんが4選を果たしました。
任期満了にともなう石垣市長選挙はきのう投開票が行われ自民公明が推薦していた現職の中山義隆さんが新人の砥板芳行さんを2400票あまりの差で破り4選を果たしました。
中山さんは今回の選挙戦で3期12年のこれまでの実績、特に新型コロナのワクチン接種をいち早く進めたことなどを強調したほか、コロナ後の経済回復策などを重点に訴え選挙戦を展開しました。
中山義隆さん「特にこれまでの実績も評価を頂いたということで大変ありがたく思っておりますが、特にこの2年間のコロナ対策でこれから先の石垣のコロナをどう脱却していくのか、また経済対策をどのように打っていくのかそれを皆さんが期待して頂いたおかげなのかなと思います」
一方で住民投票の実施を求める声がある陸上自衛隊の配備計画をめぐる対応については次のように述べました。
中山義隆さん「いち地方自治体で安全保障とか国防に関する住民投票はそぐわないと思っていますので、私自身から提案することはありません。しかしながら市民の皆さんから所定の数の署名が集まれば議会提案という形になるので、そこは市議会の方で判断していただく形になると思う」
当選から一夜明け、中山さんは改めて4期目への抱負を語りました。
中山義隆さん「4期目当選させていただいたということで、責任感を持って仕事に取り組む。次の段階に進めるという意気込みを持ちながら、仕事をさせてもらっています」
これまで与党市議として活動していたものの現職の中山さんと、たもとを分かち、石垣では前例のない保革共闘の体制で選挙戦を展開した砥板さん。
3期12年にわたる中山市政を「独善的」と批判し市政の刷新を訴えましたが、体制づくりの遅れも響き及びませんでした。
砥板芳行さん「新人が挑む市長選挙としては2カ月の短期決戦ということで体制づくりと時間が足りなかったという部分で私たちの考え、政策が浸透できなかった、共感できなかったと思っています」
夏の参院選、そして秋までに実施される県知事選を控える選挙イヤーのことし。名護市長選、南城市長選に続き3連敗する形となったオール沖縄勢力。
玉城知事は今回の石垣市長選の結果を次のように述べました。
玉城知事「オール沖縄の勢力を広げるために選挙をやっているわけではなくて、有権者の方々に審判を仰ぐという本来の選挙の目的をしっかり考えて頂かないといけないと思いますね。敗因や勝因は、住民の方々が選んだ結果ですので私たちは特に敗因だ勝因だということで一喜一憂することはないと思います」
ここからは船越記者です。石垣市長選は現職の中山さんが4選を果たしましたが、今回の選挙結果をどのように見ていますか。
船越記者「やはり現職は強かったという印象の選挙でした。市政の刷新か継続かが大きな争点となりましたが当選した中山さんは、3期12年の実績、特に市長就任後の観光客数の増加やそれにともなう市民所得の向上、さらにワクチン接種の促進などコロナ対策の実績も強調しこれが有権者に支持を得た形となりました」
船越記者「また中山さんの陣営としては、「毎日が投票日だ」として徹底的に期日前投票で票を固める作戦がしっかり機能したと陣営関係者は分析していました。組織力や戦略をしっかり形にできたあたりも中山さん側に分があったと思います」
一方で市政刷新を訴え石垣の市長選では前例がないとされる保革共闘体制で現職に挑んだものの及ばなかった砥板さんですが、敗因はどこにありますか?
船越記者「体制づくりの遅れが敗因につながったと思います。保革共闘への道のりは一筋縄とはいかず、最終的な一本化に至ったのが先月中旬になり、政策や考えの浸透をさせることやこれまでになかった体制を機能させるのに時間を要した形となりました。砥板さんの陣営関係者も終盤にかけて勢いや手ごたえを感じていたようで体制づくりがもう少し早ければ、結果は変わっていたかもしれないと悔しさをにじませていました」
船越記者「夏の参院選、秋までの知事選に向けて年明け以降の市長選挙で3連勝した自民公明は弾みをつけオール沖縄にとってはさらなる痛手となる選挙になったと思います」