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経験者・QAB記者が解説!女子フィギュアフリーみどころ

中村アナ:あすは北京オリンピックのフィギュアスケート女子フリーが行われます。その見どころをたっぷり紹介していきます。

中村アナ:ここからは学生時代、実際にフィギュアスケートに取り組んできた花城記者とお伝えします。花城さん、あの羽生選手とも一緒に練習していた経験もあるんですよね?

花城記者:はい、中学時代に今回の北京オリンピックでも男子4位入賞を果たした羽生選手と一緒に練習していました。

花城記者:私自身も去年の3月までおよそ10年フィギュアに取り組んできましたので、実際の経験者としてあす決戦となる北京オリンピック・女子フリーのみどころや、この選手のここがすごい!ここを見て!というのをお伝えしたいと思います!まずは、きのう行われた、ショートプログラムの結果から振り返っていきたいと思います。

経験者・QAB記者が解説!女子フィギュアフリーみどころ

花城記者:当初はロシアオリンピック委員会・ROCの3選手が、1位から3位を独占するかと思われていましたが、「絶望」の異名を持つワリエワ選手、去年の世界女王シェルバコワ選手についで、日本の坂本花織選手が自己最高得点を更新する好演技で、1位のワリエワ選手と、わずか2・3ポイントという僅差で3位につけています。

中村アナ:これは全然「絶望」的な差ではないですよね!

花城記者:そうですね。また、樋口新葉選手が、オリンピックで史上5人目となるトリプルアクセルを成功させて5位、初出場の河辺愛菜選手は15位につけています。

中村アナ:ただやはりこう見ても、ROC勢は強いですよね。

花城記者:ROCの選手は4回転ジャンプに注目されることが多いのですが、柔軟性を生かしたスピンや、バレエ・ダンスで鍛えた表現力など、オールラウンダーであることが強さの秘訣であると言えます。

花城記者:ショート1位のワリエワ選手、ドーピング問題で揺れる中ではありますが、やはりその技術力の高さは飛びぬけています。

花城記者:特に見ていただきたいのがジャンプの際に腕を上げて飛ぶところです。フリーでも2種類の4回転とトリプルアクセルで腕を上げて飛ぶ予定なんですが、これが実は難しいんです。

花城記者:私も実際に2回転のジャンプでやったことがあるのですが、遠心力で腕が振られるので、体力を消耗してしまうんです

中村アナ:だから腕を胸の前で組んで飛ぶ人が多いんですね!

花城記者:そうなんです。しかも!前までは腕を上げることで加点要素になっていたのですが、ことしのルールには入っていません!

中村アナ:え!じゃあ何でわざわざ腕を上げるんですか?

花城記者:空中姿勢の美しさという点で、加点の対象になる可能性はありますが、失敗するリスク上がるなかで腕を上げて飛ぶのは、それだけ自信を持って飛んでいるのではないかな、と思います。

経験者・QAB記者が解説!女子フィギュアフリーみどころ

花城記者:また他のROC勢見ていきますと、現在2位のシェルバコワ選手は基礎点の高い4回転フリップとルッツを飛ぶことができるので、成功したら大きな得点源になります。また、曲の変わり目で大きく表情を変化させるので、そのあたりの表現力にも注目です。

花城記者:現在4位のトゥルソワ選手は、7本あるジャンプのうち4回転を5本挑戦したこともある男子顔負けの選手です。演技中ずっと飛び続ける、トゥルソワ選手のフィジカルの強さにもぜひ注目してください。

中村アナ:やはり、ROCは手ごわそうですね。ただ、あの今の説明にあったフリップとかルッツというのが私いまだによくわかっていなくて…。

花城記者:どちらのジャンプも後ろ向きで滑っているときに、右足を後ろに伸ばしながら、上から下に足を振り下ろしてから、つま先をひっかけて飛び上がります。ジャンプに入る前に、どっち周りで後ろ向きになるかが見分けるポイントになります。

経験者・QAB記者が解説!女子フィギュアフリーみどころ

花城記者:フリップは入り方が2種類あるのですが、ジャンプの直前に左周りで後ろを向きます。それに対してルッツは、ジャンプの直前に右回りで後ろを向くので、少し切り返しの動作をはさんでから、飛び上がって、左回転で回ります。フリップとルッツを見分けることができたら、すごいスケートツウだと思います。それを踏まえた上で、ROCの選手たちに挑む日本勢をみていきましょう!

花城記者:まず現在15位の河辺選手。ショートプログラムでは惜しくも転倒してしまいましたが、トリプルアクセルという大きな武器を持っています。フリーでは、X JAPANのYOSHIKIさんがプロデュースした、サラ・ブライトマンが歌う壮大な曲で滑ります。冒頭のトリプルアクセルはもちろん、演技終盤の、曲の盛り上がりで見せるのびやかなイナバウアーなど最後まで目が離せません。

中村アナ:イナバウアーはあの荒川さんで有名になったものですよね。

花城記者:そして、団体戦でも大活躍した樋口選手。ショートプログラムでは、トリプルアクセルを成功させ、最終グループで滑ります。樋口選手がフリーで演じるのは、ライオンキングです。パワフルなジャンプもトレードマークですが、演技終盤のステップ、コレオシークエンスでは、名曲に乗せて感情を爆発させながら最後のスピンまで一気にリンクを駆け回ります。曲とともに、どんどん乗っていく、樋口選手の表情が楽しみです。

中村アナ:コレオシークエンスってなんですか?

花城記者:コレオシークエンスは、ステップやイナバウアー、足を持ち上げるスパイラルなどの技を自由に組み合わせて、曲の世界観を表現する時間のことです。

花城記者:そして最後に、全日本女王・現在3位の坂本選手のみどころは、疾走感です。以前に演技中の坂本選手の速度をはかったら、時速27キロという原付バイクと変わらぬ異次元の速さで滑っていました。

花城記者:テレビでは分かりにくいかもしれませんが、スケートリンクの壁に描いてある絵がすぎていく速さを見ると、坂本選手の滑っているスピード感が少し分かるかしれません。そして、スピードを生かした、大きなジャンプと完成度を限りなく高めた演技で会場を大きくわかせてくれると思います。

中村アナ:ショートでは1位のワリエワ選手とわずか2・3ポイントという僅差で3位ということで、いい勝負になりそうですよね?

花城記者:はい!そうなんです。順位も気になるところではありますが、すべての選手が実力を発揮できるように、応援したいです!

中村アナ:QABでは明日夜7時から女子フリーの模様をお届けします。4年に1度の特別な舞台をぜひ見てください!