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爆発的な感染拡大を抑えるために私たちは何ができるのか、オミクロン株のことについて学んだうえで、どんな予防策が可能なのか考えていく必要があります。医師の話から傾向と対策をまとめました。

オミクロン株「傾向・対策」考える

県立中部病院・椎木創一医師「当院でも、先週から(医療従事者)自身がかかったケースもありますが、家族でコロナにかかったり、身内でいらっしゃるというパターンが非常にたくさん増えてきています。デルタ株の時にも、そういう例で職員が休むということは少なくなかったが、肌感としては、それの5倍、10倍というぐらいの数の勢いで職員の方が暴露が起きている。(ワクチン)3回接種してる人はかなり多いんですけど、やはりワクチンを十分な回数打ったとしても、防ぎ切るのが難しい」

県立中部病院の椎木創一医師は感染しないよう慎重に医療の現場で対応している医療従事者もブレイクスルー感染を起こすなど、猛威をふるい続けているオミクロン株への対応が一筋縄ではいかない現状を吐露します。

椎木医師「冬場は救急病院として、患者さん多くなる時期。救急室もそのためにいっぱいになってるところに、症状が出て、コロナではないか心配でということで、検査希望されてるという方がたくさんおられる。そうなってくると、やはり通常の救急の業務がまわらない。例えば、早めに見なきゃいけない人が早く見れなくならないとかと、そういう懸念があります。今はまわせていますが、来週どうなっているのか非常に懸念しています」

感染者の増加に加え、感染した医療従事者が現場で働けないことも重なって、せっかく確保している新型コロナに対応するベッドをまわしきれなくなる危機的な状況が目の前に迫っているといいます。

椎木医師「社会全体の足元をすくっていくっていうのが、オミクロン株の大きな特徴だと思います。医療崩壊を超えて、社会の機能の崩壊に繋がってしまいますので、それは絶対的に避ける必要がある」

オミクロン株「傾向・対策」考える

爆発的に感染を拡大させている新型コロナ「オミクロン株」の具体的な特徴が少しずつわかってきました。デルタ株と比較しながら見ていきます。

〈感染力のこと〉
もっとも注意すべき点は、これまでのどの株よりも感染力が強いということです。椎木医師は、比較的感染力が強いとされたデルタ株より1段も2段も感染力が強いと話します。

〈症状〉
デルタ株の時には、発熱に加えて、味覚や嗅覚の異常が発覚のきっかけにもなっていましたが、オミクロン株では風邪のような症状でとどまっていることが多いといいます。無症状の場合も増えていて、感染したことに気づくことが難しくなってきているといいます。

〈潜伏期間〉
症状が出るまでの潜伏期間はデルタ株など、従来の株などで言われていたおよそ5日よりも短いとされています。感染力が非常に強く目立った症状がないうえ、潜伏期間が短いため、県内で急激な感染拡大につながってしまいました。

〈感染経路〉
オミクロン株の感染経路も、これまで同様、飛沫と接触によるものだとされています。3密などの悪条件が重なれば、空気感染が起きる可能性があります。椎木医師は、これまで通り、重症化するリスクを避けるにはワクチン接種が重要だといいます。

椎木医師「ワクチンだけでかからないことが難しい状況になってきているとすると、逆に重症化を予防する意味合いをしっかり補強する必要がある。かかって悪くなる可能性がある方は積極的に3回目をできるだけ打っていただくことが重要」

今回の感染急拡大は年末年始の人の動きによるものが主な要因とみられていて、今後は、そこで感染した人たちが家庭や職場に持ち込み拡大していくケースが目立ってくると予想されています。これから感染拡大を抑え込んでいけるかどうか、予防策を講じる私たち一人ひとりの意識にかかっていると言えます。

椎木医師「自分が元気、家族が元気、症状がほとんどない場合ですら、やはり今まで身につけた感染対策、手洗い・マスク着用・人との接し方に注意をしていただく。これをいかに十分にやっていけるかということが重要になります。今回のオミクロン株は、症状を頼りに(感染の判断が)難しくなっています。今一度、常日常の一つの習慣のような形で、感染対策の実践をお願いしたい」