春、夏と1年の半分が終わった渡嘉敷島留学の「わらびや」では、都会からやってきた子ども達が大自然に囲まれて生活を島の人々と過ごしていくなかで、豊かに成長し続けています。
今回はそんな「わらびや」の秋をお伝えします。留学生たちの挑戦がひとつの大きな実りとなっています。
スポーツの秋、芸術の秋、そして実りの秋。渡嘉敷島にも遅い秋がやって来ました。島に来て半年以上が過ぎた渡嘉敷島留学「わらびや」の子ども達の暮らしぶりを見てみましょう。
先月、学校で真面目に授業をうける留学生たちの姿がありました。新型コロナがだいぶ落ち着いてきたとはいえ、給食は黙食。
同級生「馴染んでます」「最初は緊張してしゃべってたけど(今は)和んでるし話しやすくなった。」
留学生たち、すっかり島の学校に溶け込んでいますね!
明日は学習発表会!中学生は全員で和太鼓の演舞「風神太鼓」を披露します。迫りくる本番のため、放課後に最後の練習です。
新垣さん「僕たちが目指す『みせる』は『魅力』の『魅』。あすは楽しんで太鼓を叩いてください!」
35年前、青年会の余興として沖縄では珍しい和太鼓を用いた「慶良間太鼓」を始めた、島の「太鼓の達人」新垣徹(しんがき・とおる)さんに指導してもらっています。
新垣さん「この取り組みの学校の素晴らしいのは全校生徒の参加。3年生が2年生に、2年生が1年生にって、そういった形でいい流れできているのが特徴」
生徒「むっちゃ感動しますよ、結構格好いい」「期待しててください!」
渡嘉敷島留学「わらびや」。1年間の留学期間も、折り返しを過ぎました。春、夏と、島で様々な体験をした留学生たち。スキューバダイビングのライセンスを取ったり、ビーチクリーンを行ったり。10月には運動会でエイサー演舞も披露しました。
池辺大智さん「島の人たちが丁寧に教えてくれて、何とか5曲覚えることが出来て」
藤原嶺人さん「皆でやってるとどんどん出来るようになって、去年よりもうまく出来て良かった」
池辺大智さん「明日は自分が出せる限りの力を出してお母さん達を『わぁー』って言わせたい」
坂田ほのかさん「離島フェアの絵で最優秀賞をとった!」
酒井しいさん「昆虫食は夏休みの自由研究でやったけど、結果的に島尻地区で銀賞をおさめることが出来て良かった。これを機に色々考えられた」
栗田そらさん「潜ると魚もいっぱいいるし、サンゴも一面にブワーって広がってて、海も透明で」
バレラシッド愛凛七さん「新しい知識とか重力の事とかを覚えよう覚えようじゃなくて、ダイビングをするために学ぼうみたいな感じで」
渡嘉敷島の美しい海や自然は留学生たちに様々な感動と刺激を与えましたが、一方で、その自然が今とても危うい状態にあることも目の当たりにすることになります。ビーチクリーンで目の当たりにした大量のペットボトル、漂着ゴミ。
坂田れんかさん「だけどお宝もあって、ゴミ拾いするぶん海からお宝もらえる。ガラス玉とか。売れるらしい」
そして島を襲った軽石。
バレラシッド愛凛七さん「身近で知らないうちにこういう大変な事が起きてるんだなって。コロナとか軽石の件もあって、今こそ地域の方々と皆で一緒にサポートしあって生活していくチャンスだなと」
栗田そらさん「島の人たち総出で軽石取りに行って、子ども達も授業の一環で見に行ったりして対応力とかがすごい。役場の人とか交流の家の人とか」
地域の皆の力で協力して事にあたるという、都会ではまず考えられない経験も、留学生たちには大いに学びの機会となったのです。留学生たちの里親、「わらびや」の坂田夫妻。
坂田明子さん「太鼓も今日も一生懸命やって、海でも一生懸命泳いで集団生活を送って、いやーパワフルに島を堪能してる」
坂田竜二さん「1学期は本当に自然の中で楽しく楽しくって感じだったんですけど、ただ遊びだけじゃなくてもうちょっと自分のことを見直してみよう、みたいな感じになってきたところ」
幼稚園児あいさつ「ちゅーや、わったーぬ学習発表会んかい、めんそーちきみそーち、いっぺーにふぇーでーびる!」
幼稚園児のかわいらしいダンスに始まり、前半は小さな子ども達の演目に加えて、留学生の愛凛七さんが意見文発表を行いました。そしてフィナーレを飾るのが、中学生全員による「風神太鼓」の演舞です。
見事、やり切りました!!
バレラシッド愛凛七さん「皆でいつも合せられない部分が合わせることが出来た」
酒井しいさん「自分なりに満足する演舞が出来ました」
栗田そらさん「まとまった時に達成感があって楽しかった」
池辺大智さん「自分の出せる限りが出せて良かった」
藤原嶺人さん「うまく出来たので良かった」
藤原嶺人さんの母・真実さん「鳥肌立ちました。あんなに真面目な顔見たことないので。ちょっと感動しました。練習頑張ったねって伝えたい」
池辺大智さんの母・美幸さん「思った以上、すごかったです。格好良かったです」
栗田そらさんの父「成長した姿が見えて良かった。精神的には強くなった、常に余裕があるような感じ、何事にも焦らない、大きな目で見れているのかな」
栗田そらさんの母「思ったよりもずっと迫力があって、真剣な子ども達の姿は感動しました」
島の秋に、留学生たちの「実り」沢山あったようです。