日を追うごとに深刻さが増している軽石の問題からお伝えします。今もなお、砂浜や漁港に押し寄せ続け生活に大きな影響を及ぼしています。
花城桜子記者「沖縄本島北部、名護市羽地の上空です。このあたりは、内海になっていますが、大量の軽石が海一面を覆っています」
11月4日から11月5日にかけて今帰仁村にある運天港に大量の軽石が流れ込んできたため港は、終日使用不能となりました。11月6日の運航は、朝の軽石の状況を見て判断するということです。
花城桜子記者「沖縄本島北部、運天港の上空です。湾の内部にも軽石は漂着しており、いけすは魚が顔を出す隙がないほど大量に入り込んでいます」
軽石で埋め尽くされた「いけす」、砂の上に乗り上げたように感じさせる「ボート」。青い海が大量の軽石に浸食されて埋め立てられたようにも見えます。
花城桜子記者「フェリーが欠航している本部町の水納島上空に来ています。自然の波では移動できないほどの軽石が白い砂浜に打ち上げられています。また、海の上にも溜まっているのがわかります」
本部町の水納島にも、11月5日の朝に大量の軽石が船着き場に流れ込んでいるのがわかり始発からフェリーの欠航を余儀なくされています。午後2時ごろ上空から撮影した際、水納島周辺では大量に漂う軽石は見られませんでした。船の運航については海の状況を見ながら判断していくということです。
軽石が食卓を彩る「あるもの」に異変を及ぼしていました。
花城桜子記者「こちらの鮮魚店ではいつもより少ない品ぞろえになっているということです」鮮魚店「ちょっと県産ものが少ないのかね…イマイユ(新鮮な魚)っていうのが少ないです。(水揚げが)ちょこっとでも少なくなったらバッて上がったり、ブレがある。値段的には安定していないです」
漁に出られでられなくなり水揚げ量が減ってしまったために魚の価格が「高くなるかもしれない」という懸念が出てきています。県内91カ所ある漁港のうち24カ所で漂着が確認され、そのうち6カ所では漁業に支障を来す事態に陥っているといいます。
本島では2338隻ある漁船のうち半分近くが休業しているということです。漁ができずに長期間、魚の流通が滞れば魚料理を扱う飲食店での値上げも心配されています。
いつまで続くのか、そして、どれだけの量がやってくるのでしょうか…軽石は都市部にも流れ込んでいました。
河口への流入を見つけた人「懐中電灯で照らして撮影していたんですよ。そしたらいつもと違うごみみたいな細かいものがこの辺に入っていて、膜みたいになっていたんですよ。これがうわさの軽石かという感じでした」
QABに動画を投稿してくれた男性は浦添市の西海岸側にある川の河口部分に11月3日から軽石が流れ込むようになったといいます。たくさんの軽石が押し寄せた11月4日は水面の大部分が茶色に染まっていたということです。
河口への流入を見つけた人「びっくりですよ。恩納村とかあの辺の中部・北部とかはあれだけど…那覇に近い状態に来ているから」
県のまとめでは11月4日までに27市町村・108カ所の海岸で軽石の漂着が確認されています。
玉城知事「観光や海浜利用に支障がきたしている場所なども市町村からの要望も踏まえて優先度を検討したうえで回収処理を進めていきたい」
県が管理する9カ所の港湾では軽石の撤去作業が続けられていてその費用は8億円あまりになる見込みです。
県が読谷村で採取した軽石の成分を分析したところヒ素やカドミウムなど有害物質は国が定める土壌の環境基準値より低かったことがわかりました。県では今後、処分の方法だけでなく農業や建築資材として有効活用する方法についても検討していく考えです。