今度の日曜日に投開票を迎える衆議院選挙QABでは今週、シリーズで県内4つの選挙区についてお伝えしてきました。最終日のきょうは、本島南部や先島諸島を抱える沖縄4区です。
今月発足した新内閣で国務大臣に就任した前職と基地問題をきっかけに保守系から転換をした新人が激しい選挙戦を繰り広げています
西銘恒三郎候補「今度の選挙は私たちの命と暮らしを守る政権を自民党公明党の連立政権でなければできないという選挙になると私は考えております」
金城徹候補「私は辺野古の新しい新基地建設反対です」「翁長雄志さんの意志を引き継いで今度こそ建設を阻止します」
沖縄4区に立候補したのは届け出順に、自民党公認で前職の西銘恒三郎さん立憲民主党公認で新人の金城徹さんの2人です。糸満市や豊見城市など本島南部と宮古島市・石垣島とその周辺離島が舞台となる沖縄4区。
今月発足した、岸田新内閣で復興大臣兼沖縄担当大臣に就任した西銘さん。閣僚という立場から、政府とともに新型コロナで落ち込んだ県経済の立て直しなどを訴えます。
西銘恒三郎候補「命とくらしを守る戦いだと私は言っています。新型コロナウイルスの対策を徹底しながらワクチンの開発も含めて飲み薬も含めて(コロナを)抑え込みながら暮らしを守る、落ち込んだ暮らしをどう立て直すか、この2点でずっと訴えております」
来年3月で期限が切れる沖縄振興について西銘さんは、世界的に通用する人材育成が大きなカギになると主張します。
西銘恒三郎候補「今後50年たった沖縄の新しい振興開発あらゆる分野で私は率直に言うと政治の分野が遅れてるのではないかと」「政治も含めて経済界も含めて世界的な起業家が出てくるチャンスまであって欲しいなと、そのために次の沖縄振興法の中で人材育成をどう芽生えさせていくのか」
そして基地問題について、安全保障環境を維持しながら政府同士で決めたことを着実に実行すると訴えました。
西銘恒三郎候補「日米合意したものをまた無条件で何もなくて返せという交渉を誰がやっているわけでもない、政府同士で決めたことを着実に実行して基地返還を実現する」「安全保障環境を維持しながらやっていく、そういう意味で普天間飛行場は辺野古に移設して規模を縮小していく」
新人の金城さんは、1992年に自民党公認として那覇市議選に初当選。その後6期務めました。しかし、辺野古新基地建設を巡り反対の姿勢をとる「オール沖縄」に参加し「基地建設反対」を訴えています。
金城徹候補「国が決めたから造るんだってう姿勢ではなくて何故ここに基地を作る必要があるのか、これは住民に説明されていない我々が基地を造ると決めたから県民の皆さん従いなさいという姿勢では到底理解は得られないと思います」「日米安保条約があるから無制限に使うのが当たり前という、このやり方は決して長く僕は継続できないと思っている」「4区で辺野古は関係ないというけど、やはりオール沖縄の原点は辺野古に基地を造らせないという1点で集まってますから」
新型コロナの影響で、打撃を受けている県経済について地域の声を大事にするべきだと国に訴えます。
金城徹候補「街頭で訴えてるコロナ対策の問題、医療体制の充実それから教育のかかる負担が大きいですよねそういった問題をつくづく感じました」「国は決めたことだからやりなさいという姿勢でなくて」「地域の声を聞く姿勢を持たなければ十分に施策は運営されないと思っております」
今回の選挙戦、大臣の公務の合間を縫って選挙活動を行っている西銘さん。組織力を生かして、それぞれの地域で大きな集会を開いているなか、前回の選挙で、多くの票を得た宮古島市に入り支持固めに奔走しました。ただ、前回のような状況ではないと気を引き締めます。
西銘恒三郎候補「首長(市長)が変わったのは大きいですよ」「私は厳しいく認識していて」「でも1票1票の積み上げですから全力で宮古島は何としても勝たせてくださいと」
一方、離島の選挙区での認知度が広がっていないと金城さん。有権者への浸透を図ろうと離島まわりの活動を続けるなかで刷新した市政となった宮古島に入り支持拡大を訴えました。
金城徹候補「大変厳しいと思っていましたが熱心な支持者の皆さんのおかげで急速に認知度が上がったのかなと」
衆議院選挙はきょうから3日攻防支持拡大はかる両陣営の激しい闘いが続きます。
衆院選・立候補者「政策とスタンス」
ここからは、朝日新聞と東京大学谷口研究室が共同で実施した調査から各候補者の政策や立ち位置・スタンスを見ていきます。調査方法はご覧の通りで沖縄の選挙区の候補者全員から回答を得られています。
沖縄4区の候補者がどのように回答したのか一部ですが、ご覧いただきたいと思います。
まずは「基地」「安全保障」についてです。「普天間基地の辺野古移設はやむをえない」という問いに西銘さんは「賛成」金城さんは「反対」と答えました。
次に「A.危機のときのアメリカによる協力を確実にするため、日米安保体制をもっと強化すべきだ。」「B.日本と関係ない戦争に巻き込まれないように、日米安保体制の強化は慎重であるべきだ」との選択に対して西銘さんは「Aに近い」国場さんは「Bに近い」と明確に分かれています。
次に、財政についてです「当面は財政再建のために歳出を抑えるのではなく、景気対策のために財政出動を行うべきだ」の問いに西銘さんは「賛成」金城さんは「どちらかと言えば賛成」と答えました。
そうなりますと、財源について気になるところですが、こちらの質問をご覧ください。
「時限的又は恒久的に消費税を引き下げるべき」との問いに西銘さんは「反対」金城さんは「賛成」と答えました。
次に、「所得や資産の多い人に対する課税を強化」については西銘さん・金城さんともに「どちらかと言えば賛成」と回答しました。また、「企業が納めている法人税率を引き上げるべきか」の質問では西銘さんは「どちらかと言えば反対」金城さんが「どちらかと言えば賛成」と答えています。
最後に、ジェンダーに関する質問をみてみます「夫婦が望む場合には、結婚後も夫婦がそれぞれ結婚前の名字を称することを、法律で認めるべきだ」との問いに西銘さんは「どちらとも言えない」金城さんが「賛成」と答えています。
共同調査から見る各選挙区の候補者の政策、立ち位置・スタンスは朝日新聞では、特設ページでも閲覧することは可能ですので、ご覧ください。