この雑誌、見たことありますか?CLIP!(クリップ)という女性向けファッション誌のフリーペーパーで、つい1週間前に発行が始まったばかりなんです。
新型コロナによる不況にあえぐ若手クリエーターが、活躍できる機会をつくてあげようと企画されました。制作に携わった人たちの思いに迫ります。
個性的な衣装に身を包む女性たち。どれも色鮮やかで異空間あふれる写真に仕上がっています。
沖縄市の中央パークアベニュー。今もアメリカの名残が漂う繁華街で撮影会が行われました。カメラマンをはじめモデルやスタイリストなど、県内で活動する若手クリエーターたちです。
女性ファッション誌「クリップ」を彩るこだわりの1枚を撮るため、ファインダーをのぞきながらシャッターをきっていきます。
前泊さん「創刊号なので、沖縄らしい場所とか沖縄の歴史を感じられる場所とか選んで、県内のトップサロンの美容師とコラボしたページを作ってる最中です」
今回の撮影会を指揮する前泊憲作(まえどまりけんさく)さん。ヘアメイクやスタイリストとコラボして個性的なファッションに特化したフリーペーパー「クリップ」の創刊を企画しました。
前泊さんは広告を制作する会社の代表を務めるかたわら、美容室のなども手がけていて、コロナで苦しむ若手クリエーターの声を聞いてきました。将来有望な才能を埋もれさせてはいけないと考えています。
前泊さん「(コロナの影響で)クリエーターもモデルさんもみんな撮影できなくて、この1年半、若手にとったらすごく大事な1年半だと思う。あの子たちが輝ける時間って限られていると思うので、それが失われるのがすごい嫌と思った」
コロナ禍の影響で活躍の機会を奪われている若手たちや、活躍の場が限られ思うように創作活動できないクリエーターたちに、どうにか輝ける場所を作りたいと前泊さん自ら指揮をとり、スタッフを集め制作しているんです。
前泊さん「スタイリストが全然いなくて、無茶苦茶困ってる」
スタイリストさん「そうなんですね。全然私呼んでください!いつでも!ありがたい!」
スタイリストさん「オンラインショップで見てくれる方が多くて、撮影会のショットを見て購入につながる事もあるので」
スタイリストさん「前泊さんのお店で働いていたことがあって、めちゃめちゃ2つ返事で、有難うございます。(スタイリストとして)成長した姿を見せてあげたらいいなと思ってすぐに参加しました。(Q.現場で駄目だしなんかありました?)無かったです。よかったです」
カメラマン「色々挑戦してみたかったので、いい機会になりました。これ好きかな。黄色と青がいい感じ!」
手に取って、じっくり見て、ワクワクするような本にしたいと意気込む前泊さん。沖縄だけでは物足りないと日本を抜け出すまでになっていました。
前泊さん「夢が見れるとか、少しでも面白いことがしたいと思って、今回だと、韓国とか台湾と手を組んで紙媒体自体を、いきなりアジア全土に広めようと」
現地にいる沖縄出身のクリエーターと協力して、台湾の撮影チームが立ち上がりました。
台湾ディレクション担当者「私が今回ここを選んだ理由は、LGBTが台湾の象徴なので、ここを取り入れてもいいのかなと思って」
都会の象徴的な場所から路地裏の市場まで、どれも台湾の雰囲気が出る衣装とマッチした仕上がりになっています。
こちらは韓国で撮影された写真。衣装も個性的でクオリティー高い出来栄えです。
前泊さん「巻頭ページと表紙の会議、宜しくお願いします」
しめ切りの3日前、雑誌の根幹となる巻頭ページの最終打ち合わせです。ファッションデザイナーや、カメラマン、アドバイザーなどが参加して、表紙のデザインをどうするか活発な意見が出されました。
デザイナーさん「このロゴ感の強さと大きさで、写真がこうだと結構強すぎる感じがあって、そっちがよければ変えてもいいだろうし、皆さんの意見が固まった後なんですけど」
前泊さん「最後まで良いものがいいから、意見があるなら絶対やった方がいい。
記念すべき第一号の表紙を飾るデザイン。一切妥協はしません。沖縄のみならず、韓国や台湾にも創刊するファッション誌CLIP! 次回はアメリカまで巻き込んで、全世界に展開していきたいと、前泊さんは胸をはります。
前泊さん「創刊号としてはアジアに広めつつ、世界中の人が見るようになって、沖縄って小さい島はなんかすごいパワーがあるな、あそこすごい面白い人いっぱい出てくるよねと言われる媒体になってくれたらいいですね」