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児童クラブでのクラスターをお伝えしましたが感染拡大で子どもたちを預かる保育施設にも影響を及ぼしています。那覇市では、さらなる感染拡大を防ぐため先月20日からおよそ3週間にわたって、登園の自粛を呼びかけています。そのため、保護者が在宅で勤務したり、仕事を休んだりせざるを得ず、長引く状況に困惑の声も上がっています。

那覇市のAさん一家。市の要請をうけて、2歳と6歳2人の子どもの家庭保育を始めて2週間あまり。登園自粛期間の長期化で、仕事の休みも取りづらく、また、代わりの預け先もないため、今は在宅勤務をしながら、保育園の再開を待っています。

新型コロナのさらなる感染拡大を防ぐため、那覇市が、先月20日から呼びかけている登園自粛。保護者がエッセンシャルワーカーや、やむを得ない事情がある場合などを除き、家庭保育を依頼するものです。

登園自粛・苦悩する現場

那覇市の天久みらいこども園。0歳から5歳まで200人が在籍しています。この園では、市の要請以降、登園率が3割前後にまで減少しているといいます。

天久みらいこども園 又吉めぐみ園長「感染が心配なので、自粛をしているという親御さんがいたり、どうしても仕事の都合がつかないので登園させたいという保護者の皆様の声があります。」

那覇市内では、これまでに13の保育施設でクラスターが発生。園では感染対策に知恵を絞りながら、これからの保育の展開を模索していました。

天久みらいこども園 又吉めぐみ園長「給食時間については、向いあって食べないで、なるべく一方向をむいて食べるように今はしております。0歳から2歳のお子さんでは、マスクをもともとつけるのが難しいので、普段の生活をさせながら、保育士が遊具の清掃とかふき取りとを回数を増やしておこなっているという状況です。早くみんな揃って通常の保育をおこないたい。なにせ感染が今、広がっている状態なのでまずは、自分たちができる感染症対策をしっかりやって、そのうえで、保育の展開を考えていきたいなというところです」

登園自粛・苦悩する現場

登園自粛に協力し家庭保育を続ける人が増える中、問い合わせが増えている場所があります。ファミリーサポートセンター、通称ファミサポです。

那覇市社会福祉協議会 在宅福祉課 国吉由里香さん「自分でみていて、1週間後、疲れ果ててしまった。1~2時間でも誰かの手を借りたいっていう。あとですね、オンライン授業が始まって、学校で受け入れしてくれるところはあるんですけど、必ず保護者が付き添わないといけないということで、送迎をしてほしいという依頼も出てきていますね」

ファミサポは、「育児の手助けをしてほしい人」と「手助けをしたい人」が会員登録をし、地域で育児をサポートする有償ボランティア組織で、県内、20の市町村に設置されています。

サポート会員 片倉さん「お邪魔します」

この日、那覇市のサポート会員が訪ねたのは、2歳の双子のいるご家庭。母親が仕事の間、自宅で子どもを預かります。

登園自粛・苦悩する現場

母親「近くに頼れる人が、親戚がいないとか、どうしても会議が入っているとか、そういった時に頼れる心強い存在。早く保育園が再開してくれるといいなと思いつつも、どうなったら解除していくのか、どうしたらゴールなのかというのがわからないまま、ここはやっぱり、1年半以上きちゃっているので、正解はなんなのかなって考えるときはあります」

ファミサポでは、子育て家庭の求めに応じて、「サポート会員」が子どもの預かりや送迎などを有料で行うもので、対象は0歳から小学6年生までです。

サポート会員 金城さん「コロナの状況でお外・公園に行けなかったりとか、そういうのも結構、お子さんもだし、保護者の方もピリピリしている状態なので、少しでも手伝いができたらと思って。」

サポート会員 片倉さん「自分もかからないようにマスクだったり、手洗いだったり、そういうのを気を付けながら入るようにはしている。やっぱり手助けもしたいなと。」

登園自粛・苦悩する現場

子育て世帯にとって心強い存在となっているファミサポですが、新型コロナの影響で、「サポート会員」が活動を控える傾向が続いています。今は、通常の5分の1にあたる20人がフル稼働で対応していますが、依頼を断るケースも生じています。

那覇市社会福協議会 在宅福祉課 髙野 大秋 課長「必要な人にサービスが届いてないというのは気になるところですね。虐待の件数とか報道されたりするんですけど、いろいろなことの予防につながるような取り組みになれば」

子どもへの感染拡大によって一変してしまった子育てを支援するサービスの現場。コロナの収束が見えない中、感染対策に知恵を絞りながら、どのように継続し、支援を広げていくのか…現場の模索は続いています。

現状、家庭保育で仕事と子どもの世話をするのはとても負担がありますし、また、支援が受けられていない世帯も多くあります。コロナ禍で多くの人が苦しむなかで負担が重なる働く子育て世代の支援もまた急務です。