沖縄戦で最後の激戦地となり、多くの人が亡くなった本島南部では、今も戦没者の遺骨が収集され続けています。
沖縄戦遺骨収集ボランティアの具志堅隆松さんは、8月15日の終戦の日に合わせて東京で、国が本島南部の土砂を辺野古の新基地埋め立てに使わないよう求める2日間のハンガーストライキにのぞみました。
沖縄戦遺骨収集ボランティア・具志堅隆松さん「ほとんどの人が、沖縄で南部の戦没者の遺骨が混ざっている土砂が(辺野古新基地の)埋め立てに使われるということほとんどの人が知らないんです」
終戦の日である8月15日、靖国神社には1万5千人が参拝しました。
具志堅さんはこの場所で、沖縄戦の激戦地となり多くの遺骨が今も残る本島南部の土砂が、辺野古の埋め立てに使われようとしている問題を知ってもらおうと、ハンガーストライキを行いました。
具志堅隆松さん「なぜハンガーストライキをしているのか(と聞かれる)。遺骨を海に捨てるのは人間のすることではありませんという訴えを見て、何で海に捨てられるんですか?(と聞かれる)。防衛省は埋め立てのために遺骨がある地域から土砂を取って埋め立てに使おうとしているんですよってことを言って、(相手は)初めて理解できる」
千葉県に住む米本わか子さん、兵士として動員された祖父が沖縄戦で犠牲になりましたが、遺骨はまだ家族のもとへかえってきていません。この日は具志堅さんを支援しようとチラシ配りを手伝いました。
米本わか子さん「やはりおかしいことが起きていようとしているので、おかしいことはおかしいと思って。祖父が海に沈められるのは単純に嫌です、失礼だなと」
雨の中、1人、また1人と具志堅さんのもとに足を運ぶ人たちが出てきました。
「(Q.この問題はご存知でしたか?)いや全く知らなかったです。腹立ちました、遺骨ですよね、先人の方々の貴重な命が埋められて思いがつまった場所の土を(基地の)埋め立てですか?って」
「沖縄に全然ゆかりはない人間なんですけど、憤りは感じますね。人の骨を・・・人が眠っているところをむやみに掘り起こしたりとか、そうゆうことはしちゃいけないと思います」
「(基地の埋め立てに)土砂として使われてしまうというのは私は純粋に嫌だなと。遺骨をご遺族の方へ一つでも多く戻してあげたいという純粋な意志だけで、こうやって東京まで来るというのはすごいなと思いました」
戦没者の尊厳を守るため、遺骨を巡る土砂の問題を訴え続けた具志堅さん。県外の人にはまだまだ問題が知られていない状況にも、前を向きます。
具志堅隆松さん「こういうことっていうのは、時間がかかるというのは覚悟していたんです。落胆することなく発信し続けることが一番いいのかなと。私はまだまだ言い続けます」