アメリカ軍が、人体への有害性が指摘されている有機フッ素化合物・PFOSを含んだ水を基地の外に放出させる計画を検討していて、県や宜野湾市に計画への理解を求めました。
県や宜野湾市などは7月13日午前、普天間基地を訪れ、アメリカ軍から人体に有害な影響を及ぼす有機フッ素化合物PFOSが含まれる水を基地の外へ放出することについて説明を受けました。
アメリカ軍は6月に、うるま市にあるアメリカ陸軍の貯油施設で大雨で溢れたPFOSを含む汚染水を基地の外に流出させる事故を起こしています。普天間基地では訓練などで使ったPFOS汚水をタンクで保管していて、事故のリスクを減らすため早期に処理したい考えです。
PFOSを含んだ汚水は基地の中で日本の飲料水の環境基準値を下回るまで処理された後、宜野湾市の下水施設に流すことが検討されています。アメリカ軍は「今後、このようなことを起こさないよう汚染水を保管するリスクをなくすため、早期に処理したい」と県や市に汚水の処理計画への理解を求めたということです。
なお、処理方法については費用の問題もあって従来の焼却処理ではなく、今回の排水処理を採用したい考えで放出量や時期は未定です。県と宜野湾市はアメリカ軍の処理計画を受け入れられないと汚水の基地外放出に反対しています。
県基地対策課・古堅圭一課長「県として安全性の確認ができるまでの間は基地の外に放出はしないでいただきたい。仮に米国本土と同じ基準で排出が行われているとしても日本側の基準に照らして本当に妥当なものなのか検証する必要がある」
宜野湾市和田敬悟副市長「私の方からは宜野湾市でも普天間飛行場から泡消火剤が流出する事故がございまして、市民が非常にナーバスになっているということで出来れば従来通り焼却処理していただけないかという申し入れをしました」
一方、国は「日米間で協議をして早急に結論を出したい」としています。
岸信夫防衛大臣「(PFOSを含む汚水については)処分方法を含めて、現在、日米間で協議をしているところであります。適切な処理がなされるように、関係省庁と協力の上、日米間で緊密に連携して、早急に結論が出るように努めてまいりたいと思います」
県と国、アメリカ軍の3者で汚水が保管されている貯水タンクをサンプリングしてPFOSがどれだけ含まれているか確認したうえで、今後の対応を検討していくということです。