楽園の海、案内は水中カメラマンの長田勇さんです。今回のテーマは『待ってた梅雨明け!奄美の海』です。
長田「はい、今回は梅雨明け直後に奄美大島でダイビングしてきました!」
今年の梅雨は長かったですよね~。奄美の海の中はどうなっていたのか、早速見て行きましょう!
長田「沖縄地方は、7月2日に梅雨明けしましたが、1日遅れで奄美大島にも梅雨明け宣言が出ました。その7月3日の映像です!」「気持ちの良いお天気の中、この島で人気No.1のダイビングポイントに潜ります」
No.1、楽しみです!
長田「ポイント名は『嘉鉄』楽園の海でも、初めて紹介します。さっそく、潜ってみましょう!」「ボートの下の水底は、生物のまったくいない砂地が広がってます。ウネリや波の影響で出来る「砂紋」が、芸術作品のようですね。長田「少し泳いだその先に水深8mの所に、高さ3m幅10mほどの根があります。梅雨明け直前に降った大雨の影響で、若干濁ってましたが、様々な種類の魚が所狭しと泳ぎ回ってます」
小さい魚の数がすごい!
長田「砂地に大きな岩があるだけで、これだけ多くの生き物が生活出来るんですね」
長田「普段は、洞窟などの暗い所で群れているミナミハタンポ。なぜか、明るい場所で群れてます」
へぇ~何か理由があるんですか?
長田「分かりません( ̄∀ ̄)きっと散歩してるのかもしれないですね!中層で群れているスケルトンの小さな魚は、スカシテンジクダイ。いっぱいいますねー。でも、夏に向けて、まだまだ増えるそうです」
長田「こちらはキンメモドキ。暗がりを好むため、岩の隙間で群れています。向きを変える時、みんな一斉に動きますよね?誰がリーダーなんだろう?って思って、いつも探すんですが、今回もまったく分かりませんでした」
いやー、密度濃いですねー。
長田「当然、その小魚たちを狙う魚も現れます。こちらは、ゆっくり泳いで獲物を狙うユカタハタ」
なんか貫禄ありますね。
長田「ユカタハタは、この同じ根に住み着いています。ガードマンっぽく、見回りしているようにみえますが・・お腹が空いた時に、近くにいる小魚を食べるんです。これだけエサがあれば、一生、この場所から離れないでしょうね」「こちらにも、小魚を狙うカスミアジが2匹。この根には住んでいない魚です。通りすがりにイイ場所見つけてラッキー!って思ったでしょうね」
住んでる小魚たちは「早く通り過ぎて~」って思ってるでしょうね。
長田「セジロクマノミの親子を観察していると・・ イソギンチャクの横に産み付けられた卵がありました。卵の色が濃い赤なので、産んでから5日くらい経ってる感じでしょうか。この日の水温は、26.5℃うっすらと目が出来てます。孵化まであと5日!といったところでしょう」
長田「こちらは成魚になると外洋に出ていくウメイロモドキの幼魚。(2cm)成魚は15cmですので、まだまだ本当に赤ちゃんサイズですね。小さいながらも、模様や色は、成魚と変わりません」
長田「サンゴの上でくつろいでいるのは、ヒトスジギンポ。あまりダイバーを怖がりません」
キョロキョロしていてかわいいですね。
長田「ギンポの仲間やカエルウオの仲間、この根には多く生息しています」
長田「1匹だけ、やけに目立っているナンヨウハギの子供がいました。(体長6cm)警戒心が強いのか、なかなかしっかりと撮影させてくれません」
恥ずかしがり屋さんなのかな?
長田「この魚は、もうちょっと成長したら、この根から離れていきます」「この根に住み着いているのは、可愛らしい子だけではありません。ここに、危険生物が隠れているの、分かります?」
長田「グロテスクな魚、オニダルマオコゼです。猛毒を持ってますから、触ると危険。砂地に降りると、周りにいた魚たちが近づいてきます。自分たちの敵と判断したんでしょうね。この根の魚たちを、片っ端から食べていると思われます」
食べられている方の魚たちは逃げないんですね。
長田「これ、『モビング行動』と言って、強いものに対して、弱いものが集団でやっつける行動。仲間が、食べられてしまった恨みがあるのかもしれません」「カムフラージュが上手なので、動きが止まると、魚たちも見失います」
長田「夏の強い日差しが入り込んだ海に潜ると、夏本番が始まった!って、実感出来ますね」「梅雨明け直後で、本当に気持ちよくダイビング出来ました」
まさに『梅雨明け』といったお天気のダイビングで、見てるこちらの気分も晴れやかになりました!
長田「はい、奄美に行く直前まで連日大雨だったので心配でしたが、当日はこんなに天候に恵まれてたくさんの魚たちにも会えたのでうれしかったですね」
次回も期待しています。貴重な映像ありがとうございました。以上楽園の海でした。
取材協力 マリンステイション奄美