「高校球児の夏がやってきました。当初の予定より2週間遅れての開幕となりましたが梅雨明けもして、あつい夏となりそうですね」
「そうですね、2年ぶりに開催される夏の甲子園をかけて高校野球沖縄大会が開幕し、熱戦のひぶたが切られました」
おととい開幕した沖縄大会。今年は異例ばかりの大会となりますがそれでも球児たちは夢を追いかけ、この夏へと挑んでいます。
2年ぶりの夏の甲子園をかけた沖縄大会の幕開け。緊急事態宣言下ということもあり開始式は開幕ゲームを戦う2チームのみで開催となりましたが力強い選手宣誓がこの夏を勢いづけました。
選手宣誓 名護 金城樹主将「宣誓!私たちはきょうの日を迎えられると信じ練習に励んできました。一球一打に思いをかけ精一杯プレーすることを誓います。見ていてください私たちの本気で熱い夏を」
その宣誓通り、選手たちは大会開幕直前の休校措置や完全無観客での試合となるなど苦しい状況の中、最後の夏への「本気」を、プレーで披露します。
その中で、1回戦注目カードとなったのが大会1日目、宮古 対 宮古工業・宮古総実連合チームの宮古勢対決。同じ島で力を培ってきた選手たち同士の試合は4回まで0行進とどちらも譲りません。
試合が動いたのは5回、1点を先制した宮古がなおもチャンスで5番・新里勇人が2点タイムリー、この回で、宮古が主導権を握ります。
一方、苦しい展開となった連合。チームには最後の夏となる3年生が3人。その先輩のために後輩たちが反撃にでます。6点ビハインドの8回。2年生2人のヒットでチャンスを作ると、同じく2年生・與那覇颯太!
宮工総実連合・與那覇颯太選手「3年生が最後なので試合も負けていたので絶対に逆転するっていう気持ちで打ちました」
これが今大会第1号の3ランホームラン!連合も息を吹き返した終盤でしたが9回、宮古がダメ押しとなる得点を奪って勝負あり。同じ島の3年生の思いも背負って、宮古が2回戦進出です。
一方、きのうタピックスタジアム名護の第1試合で登場したのは新型コロナの影響で部活動が休止となり、去年夏から大会に出場できていなかった沖高専。最後の夏に出場が叶った3年生5人にとっては特別な1試合でした。
貞包空海(さだかねくうかい)主将「最後の大会だけでも一生懸命頑張って高校生活最後の良い試合にしたいと思って頑張っている。あきらめず、全力で最後の試合なので楽しんで一勝できたら良いと思っている」「まずは1回戦突破!頑張るぞ!」
ようやく立てた公式戦の舞台。1回ウラ幸先よく3点を先制した沖高専でしたが2回・3回と北部農林の猛攻に合い試合は劣勢に。それでも3回ウラ、この回先頭の3年生貞包空海。
貞包空海主将「自分がプレーで見せてチームを活気づけていきたいと思って打席に立って」
ランニングホームラン!キャプテンの一打で勢いづいた沖高専は続く4回に4本のヒットを集め4点を奪うなど北部農林を猛追!その後再び突き放されて迎えた9回もまだまだ終わらない。1アウトから貞包がヒットで出塁するとそこから沖高専打線がつながり3得点。2点差とします。しかし最後は北部農林が逃げ切り。それでも沖高専ナインとって忘れられない夏となりました。
貞包空海主将「最後でみんなに盛り上がって北部農林と接戦まで持ち込めたので悔いはないと思います。楽しかったです」
続いて今日の試合。去年の独自大会ベスト4、ウェルネスに挑む開邦、陽明、真和志、辺土名の4校連合。5番ライトで主軸を任された比嘉銀二は辺土名の唯一の野球部員。普段一人で練習をする比嘉くんは、連合チームを組み、チームメイトの大切さ、野球ができる嬉しさを感じてきました。
ユニホームは違えど仲間とともに試合に臨んだ連合は2回に3点を失ったものの、続く3回はピンチの場面でフライをライト比嘉がキャッチし、無失点。4回、比嘉の第二打席2ボール2ストライクからの5球目。
比嘉銀二選手「引っ張りじゃなくて流しでもきれいに抜けていったのでうれしかったです。」
好投手東恩納音の速球をはじき返し、スリーベースヒット!チームメイトに向けてこのガッツポーズ!しかし、後続が倒れ、得点はなりません。続く5回、0-8と連合は苦しい展開となる中、比嘉がマウンドへ。しかし、フォアボールを与えると連合の仲間たちがマウンドに集まり、比嘉に声を掛けます。
比嘉銀二選手「緊張してたけどみんなで話してリラックスできた」
しかし、押し出しのフォアボール。代わったピッチャーも得点を許し、0-10の5回コールド。勝利はなりませんでしたが、試合を終えた比嘉くんは感謝の思いを口にしました。
比嘉銀二選手「今まで練習は1人だったけど、周りにいっぱい助けてもらって、1人だったけど周りの人が自分のために動いてくれて本当に感謝しています」(連合の仲間とは)「これからもどこかで会って、キャッチボールとかみんなで集まって紅白戦をしてみたいです」Q.今日は悔いなくできましたか?「はい、楽しかったです」