世界屈指のスキルでボールさえあれば多くの人を虜にするフリースタイルバスケのパフォーマーが県内にいます。実は公務員という仕事を辞めて、今の道を選んだ異色の存在でもあります。彼はどんな将来を描こうとしているのか。これからの展望に迫ります。
指の上でボールを高速回転させたり、複数のボールを同時にバウンドさせたりと、目にも止まらぬ速さで「神ワザ」を連発!その姿はまさに魔術師!!彼こそ世界屈指のフリースタイルバスケットボールプレイヤー・JJさんです。
JJさん「相手よりすごい技をみせること、バトルの駆け引き(が見せどころ)」
「フリースタイルバスケ」は、バスケットボールと音楽やダンスを組み合わせたパフォーマンスのことです。
那覇市出身のJJさんは2007年に日本大会で優勝、おととしには世界最高峰のサーカス集団・シルクドゥソレイユのオーディションに合格しました。
世界トップレベルを誇る、日本のフリースタイルバスケの第一人者です。しかし、彼にはもう一つの顔があります。それは、県内外のパフォーマーを束ねる団体の代表でもあるのです。
JJさん「色んなパフォーマーを集めて、おもしろいことをやろう、そしてそれが我々にしかできない社会貢献につながるはず、と思ってこの団体を立ち上げたんです」
JJさん「大きなメディアにもでちゃいけないという『あんまり目立った行動は慎みなさい』という空気があったので」
フリースタイルバスケットボールプレイヤーのJJさんは、もともと内閣府の事務官として、沖縄振興などに携わるなか、彼の人生を大きく変えることとなるフリースタイルバスケにのめり込み、独学で腕を磨いてきました。
しかし、国家公務員という職業柄、大きな舞台やオーディションへの参加をためらっていました。
JJさん「大きな話がきても『公務員なので無理です。趣味程度でしかやっていません』と断っていた。自分の努力を自分が否定している、という感覚がとってもあったんですよ。なんのために練習しているんだろう、だって断っているじゃん、自分で。矛盾があった」
大会で好成績を残したり、周りから注目されていくにつれて、フリースタイルバスケでプロになりたいという理想と、これまで務めてきた仕事という現実とのはざまで悩み抜いた末、16年勤めた公務員の仕事をやめて、プロのパフォーマーとして新たな道を歩むことを決意します。そして同時に、自身と同じパフォーマーの活躍の場を広げようと、パフォーマーの斡旋や、ネジメントする琉球パフォーマーズコネクションを立ち上げました。
JJさん「『エンターテインメントにしかできない社会貢献を形にする』というのが一番大きな理念。観光客の方々に向けたショーをパフォーマーが作ることができれば、もっと観光客の方の満足度向上につながるんじゃないかな、という考えはあります。子どもたちがパフォーマーになりたいって思うような、夢を与えられるように、世代を超えたエンターテイナーを育てていきたい」
設立から3年、今では40組のパフォーマーが登録し、多くのイベントで人々を魅了しています。
当初、団体を作るとJJさんから聞いた、8年来のパフォーマー仲間で、シルクドゥソレイユのオーディションを後押しした吉川さんは、よき理解者の一人です。
ラートパフォーマー・吉川泰昭さん「海外に、そして日本全国に羽ばたく様なパフォーマーを育てつつ、背中を見せて頑張ってほしいなと思います」
JJさんも団体もこれからというときに、新型コロナで出鼻をくじかれ、パフォーマー仲間からも期待される中、去年コロナウイルスの影響を受け、個人としても、団体としても活動の制限を余儀なくされます。それでもJJさんは下を向くことなく、前を向き続けます。
JJさん「コロナだからこそ、今しかできないことがあると思うんですよ。今、僕がやるべきことは何だろう。っていうのを常に考えて、ライブ配信の技術を磨くのもそうだし、ライブ配信を使った表現方法、映像とのコラボレーションとかもそうだし。今しかできないことをやって、作り上げたいって思いながら活動しています」
コロナでエンターテインメント業界が苦境に立たされている今だからこそ、同じ境遇のパフォーマーや、暗くなった世の中に明るい話題を提供したいという思いから「4つのボールを同時に回し続ける」記録など、2つのギネス記録に挑戦し、今年3月認定されました。今年中にあと3つのギネス記録を取ることが目標です。
JJさん「どこにでもあるバスケットボールで、どこまで世界を切り開くことができるのか、チャレンジしたい。ラスベガスとかでもプロのパフォーマーとしてショーをやりたい。世界に届くようなパフォーマーとして活動できるように頑張りたいなと思います」
ボールさえあれば巧みの技で多くの人を熱狂させてくれるフリースタイルバスケ。沖縄から世界を見据えるパフォーマー・JJさんの活躍にこらからも目が離せません!!