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めざせ甲子園、4校目のきょうは中部農林高校です。常に明るく、時に厳しく。ナインからの信頼の厚いキャプテンは大切なある人へ、この夏の勝利を誓っていました。

県立中部農林高校野球部。その練習を見てみると…徳田辰喜選手「見ました?バッティング」常に笑顔が絶えない明るい雰囲気に包まれています

山内みなみマネージャー「(このチームは)うるさい笑 うるさくて“やる時はやる”けど やらない時はなぁなぁなチームだと思います笑」

中部農林 主将の悲しみチームで乗り越えて

マネージャーの言葉通り「やる時はしっかりやる」チーム。秋の大会では大敗を喫するもその悔しさを糧に一冬越えて成長。秋はマウンドに上がれなかった仲本兼暉と比嘉琉人が力をつけたこともあり春は、ベスト4入りした美里工業と接戦を演じるなどチームとして確実に力をつけています。

伊波聖真選手「みんな気合い入れて練習してきました」

仲本兼暉選手「夏は思い切り投げていきたいと思います」

そんなチームの先頭に立って野球を楽しみ、雰囲気が緩みすぎた時には厳しい言葉をかけるのが、キャプテンの古謝真大君。

伊波聖真選手「キャプテンは頼れる人で誰にでも優しいんですけど練習になると厳しいところもあるんですけど」

古謝真大主将「大事な仲間ですし大事だからこそダラダラプレーしていたりすると自分も厳しく言いたくなりますし、夏は勝ちたいという気持ちはみんな一緒なので夏に向かって練習を一生懸命頑張っています」

夏への強い気持ちを語る古謝君の胸の内にはある大切な人への思いがありました。

古謝真大主将「最初は現実を受け止めきれなかったというか実感が湧かなくて 野球も学校も行く気をなくしたんですけど」

中部農林 主将の悲しみチームで乗り越えて

古謝真大主将「(お線香をあげて)夏勝てますようにということをずっと言っている。同じことを毎日言っていますね」

古謝君が家に帰って手を合わせたのは母・真紀さんの写真。今年の3月末に亡くなりました。

古謝真大主将「野球が好きでしたね。お母さん。秋の大会ぼろ負けしたじゃないですか、その時にだらしないとか、もっと打てとか怒られましたね。自分には厳しかったですし亡くなってからその厳しさというのはありがたかったなという、居て当たり前だったんで亡くなる前までは。亡くなってからは寂しかった」

父・嘉之さん「真大が一番元気がなかったというか、ちょっと心配ではありました。特に真大は(お母さんに)一番甘えていたと思うので居て当たり前だった人が目の前にいないという寂しさじゃないかなと思っていました」

古謝真大主将「本当は最後(の夏)なのでお母さんには見てほしかったんですけどいないので」

お母さんが亡くなって、悲しみに暮れていた古謝君。それでもグラウンドでは普段通りに振舞っていたといいます。そんな彼の気持ちを理解してくれていたのはともに野球をしてきた同級生たちでした。

中部農林 主将の悲しみチームで乗り越えて

徳田辰喜選手「自分たちには明るいように見せていたんですけど本当はつらかったと思うし」

仲本兼暉選手「夏頑張ろうなって 勝とうみんなでってそしたら(キャプテンは)笑ってくれました」

古謝真大主将「亡くなった翌日かな、3年生みんな家に来てくれてお母さんの顔も見てその時に「夏頑張ろうな」って「絶対勝とうな」って言ってくれたので、絶対勝とうと言いました」

楽しいことも、悲しいことも分かち合うことができる、それが「チーム」。今、中農ナインはキャプテンの悲しみをみんなで乗り越えようとしています

伊波聖真選手「自分たちはキャプテンのことをカバーできるようにしていこうと話し合って今まで練習してきました」

徳田辰喜選手「夏頑張るしかないなって話してそれからまた気持ちも変わった」

仲本兼暉選手「キャプテンのためにも夏頑張っていきたいですね」

悲しみを力に変えて。より絆を深めた中部農林がこの夏を笑顔で駆け抜ける!

山内みなみマネージャー「最後は良いところまでいきたいです笑」

仲本兼暉選手「夏はチーム一丸となって思い切り全力プレーで頑張りたいと思います」

古謝真大主将「お母さんのためにも勝ちたいなって思います。自分はチームが勝つならどこでもどんなことでもやりますし、そこはみんなを信じて今までやってきたので自分の結果よりもチームのことを考えて勝ちにいきます」

「集合!絶対勝つぞ!おう!」

  中部農林 主将の悲しみチームで乗り越えて