依然として感染拡大に歯止めがかからない中、妊婦の感染も急増しています。
コロナに感染した妊婦を受け入れる医療現場も深刻な状況になっています。お産を取り巻く現状と、感染しないための対策を医師に聞きました。
ゴールデンウイーク明け以降、急拡大している県内の感染状況。それとともに、妊婦の感染も増えています。
去年流行が始まってからきのうまででは、累計94人の妊婦がコロナに感染。月当たりでは今年4月の22人が最多です。
今月に入ってからは23日時点で24人の陽性が確認され、先月よりも妊婦の感染ペースがあがっていきています。
県立中部病院 総合周産期母子医療センター 産科大畑尚子医師「今一番多いピークが来てるという状況なんですけれども」
県内の妊婦の感染情報を取りまとめ入院先の調整などを行っている中部病院の大畑医師はこの状況で感染すれば、落ち着いて出産に臨むことが難しくなると懸念しています。
中部病院 大畑尚子医師「かかりつけだった施設じゃないところでお産をしないといけなかったり、感染管理上、色々な事情で帝王切開をせざるを得ないというケースも出てくるので」
現在、中部病院ではコロナに感染した妊婦用の部屋は4部屋中3部屋が使われている状況です。
また、産まれた赤ちゃんは、お母さんの濃厚接触者となるため一旦NICU(新生児集中治療室)に隔離されますが、追加の人員が必要になることからそのNICUの確保も難しくなっています。
中部病院 大畑尚子医師「(NICUは)早産で生まれたお子さんだったりを管理する施設として比較的いつもベッドがいっぱいな状態で運営している場所なんですね。そこにコロナの対応が必要ということになるとその隔離のためのスペースであったりとか隔離されている赤ちゃんをケアするスタッフだったりとかが必要になりますのでなかなか入院が難しいという状態になる可能性があるかと思います」
また、妊婦自身が注意していても、同居している家族から感染した事例もあることから、大畑医師は妊婦に接する周りの人々が「不特定多数の人がいる場へ行かない」「大人数での会食を避ける」など基本的な対策を心掛けることが大切だと話します。
中部病院 大畑尚子医師「妊婦さんご自身というよりは周りの人も含めて感染対策を今一度心していただければなと思っていて。それがひいては県内の流行が収まってくることにつながると思うので、妊婦さんだけじゃなくて他の方々にとっても大事だと思っています」
新型コロナの感染者が増加の一途をたどっている中、自分を守ることが新しい命を守ることに繋がります。
現段階では妊娠中に感染しても、胎児に大きな影響があるケースは少ないとされていますが、母体には大きな負担になる可能性がある。
かなり子宮が大きくなってくると肺が圧迫されるため肺炎になった場合重症化するリスクがあるので注意が必要。