選りすぐりの精鋭たちが沖縄の称号を懸けて熱戦を繰り広げる「全島闘牛大会」に、この番組で以前紹介した”闘牛ギャル”こと牛に恋する二十歳の女性が大会に初めて挑戦しました。
はたして…初陣を勝利で飾ることはできたのでしょうか。
闘う本能を奮い立たせる掛け声に応えるかのように牛たちが巨体をぶつけ合う「闘牛」。その沖縄一を決める「春の全島闘牛大会」が、おととい、うるま市で開催されました。
観客「高校野球の甲子園と同じような大会ですね」観客「迫力っていうのかな。これに選ばれるようにみんな頑張っていますから」
県内の闘牛界最大の祭典で「甲子園」にも例えられるこの大会に今回初めて挑むのが、”闘牛ギャル”こと二十歳の神谷美姫さんです。
美姫さんは、飼っている”光神龍”を、自分の成人式に連れていくほどに溺愛しています。
神谷美姫さん「戦ったらかっこいいし、やさしいし、男だったらこんな男と結婚したいくらい好きです」
光神龍のためなら、自慢のネイルでブラッシングすることさえ厭わない美姫さんの夢は、光神龍を全島一の闘牛にすること。
そのためには、えりすぐりの牛のみが出場できる全島闘牛大会で勝利を重ね、王者決定戦への出場権を獲得しなければなりません。今回の大会は、夢への第一歩です。
闘牛は、相撲と同じように番付があり、同じ格付けで戦います。勝敗の基準は、原則として逃げた方が負けです。激しい雨が降る中、光神龍の出番がやってきました。
闘牛の経験の浅い美姫さん、場内で牛を鼓舞する「勢子」をすることはまだできないため観客席から試合を見守ります。
対戦相手は、光神龍よりも100キロ重い龍力王です。力強く角を突き出す光神龍。1トンあまりの巨体がぶつかり合い、両者ともに譲りません。光神龍を美姫さん家族が世話するようになって2年がたちますが、実は、その間一度も試合に出たことがありませんでした。
美姫さんのもとにくる前、光神龍は、「ゆうり鬼若」という名前で沖縄本島や徳之島で活躍。得意技の「腹とり速攻」で相手の牛に大けがをさせることもあり、ついには「殺し屋」とよばれ、対戦相手が見つからなかったのです。
今回、ようやく掴んだ試合の切符、光神龍の闘志を鼓舞しようと、美姫さんはゲキを飛ばし続けます。しかし、試合開始から2分20秒…
龍力王に「かけ技」を決められ、光神龍と美姫さんの初挑戦は幕切れとなりました。美姫さんは、光神龍がけがをしていないか、身体を確認します。首回りや鼻に少しひっかき傷を負っていました。
神谷美姫さん「苦手分野の”かけ”をけっこうやられていて、光ちゃんのいいところが発揮できなかった。勝たせきれなかった。ごめんね。ごめんね。こうちゃんがこんなに怪我しているので痛そうだし、かわいそう」
はじめての全島闘牛大会は、ほろ苦い結果となりましたが、大舞台での経験が、美姫さんと光神龍の絆を深め、夢に突き進む強さを与えてくれました。
神谷美姫さん「一番上の試合を見たんですけどやっぱりレベルが違いますね」「運動して体力づくりをまずしたいです」